#25 「君はそこにいる」それだけでいい。
(4歳のわが子が15歳になった時に渡す手紙です)
先日、君は珍しく「ママがいない」と大きな声を出して泣きました。母親から離れて遊ぶことをなんとも思わない君。自分のことは自分でやりたいタイプ。そんな君でも、急に母親がいなくなると不安になるものですね。
それに、最近は「ねえ、見て」と私に自分が書いたお絵かきや自分の見ているアニメ、変な顔、あらゆることを見せようとしてきます。私は大した返事はしていないのですが、3秒見て、頷くだけでも良いみたいです。反応があると君は納得して、次の行動に移っています。
逆に、少しでも見ないで、曖昧な返事だけだと悲しそうな目をして、私のそばから離れていきます。落ち込んでいるようです。
そんな君の姿を見て、私は存在を認める大切さを再認識しました。君はそこにいる、居て良いんだよ、と認めることが大切だ、ということです。
これは相手が子どもだから、というわけではありません。大人だって同じです。面と向かって会うときでも、オンラインでやり取りするときでも、相手の話を聞いて反応することが大切ですね。ちゃんと聞いてますよ、って。こちらが一生懸命話しているのに、無反応だったら不安になりますよね。
さて、大人になった人が、こんなに簡単なことができないのはなぜでしょう。私が思うに、話をしているときに「自分のことを考えている」からだと思います。次に何を話そうか、うまく話せるかな、と自分の話すことばかりを考えると、他人の話を聞けなくなります。
話が面白くないから、って言いたくなるかもしれません。しかし、会話している相手はそこに存在しています。好きの反対は無関心、って聞いたことありますか。学校のいじめでも、暴力よりも無視の方が辛いものです。
そうなんですね、ウンウンと頷く、相手の目をみる。
これだけで人の心を明るくすることができます。
私はこれからも君が「そこにいて良い」と感じられるように、話を聞きます。君もいつの日か、誰かの存在を認めることができる人になってもらいたいものです。