#23 1回跳んで、休んでもいい。
(4歳の娘が15歳になった時に、渡す手紙です)
最近の君は、縄跳びで遊ぶようになりました。とは言っても、前跳び、後ろ跳びのように縄を自分で回して跳ぶことは、まだできません。大縄跳びのようにわたしが縄を回した場合でも、飛ぶことは難しいようです。
郵便屋さんの落し物、って歌を歌って、波打つように縄を動かしても、上手く跳びこえることができません。
そして、ついには、縄を地面に置いて、その縄をジャンプして跳びこえる遊びに行き着きました。それでも、両足を揃えてジャンプすること、そして着地でバランスを取ることは君にとって難しいようです。
たとえ上手くできないとしても、一生懸命タイミングを合わせて跳ぼうとしていた君を見て、私もできなかったことが少しずつできれば良いんだな、って思いました。
置いてある縄を上手くまたげた。両足で跳びこえることができた。ほんの些細なことでも、「できた」と満足げな顔をしてこちらを見ている。その顔を見ると、「そんなことで喜んでもしょうがない」とか、そんな言葉は出てこないよ。
君にとって新しいチャレンジである縄跳び。初めてやるんだからできなくて当たり前。自転車の時もそうだった。「私は、まだできない」と言っていた君。できないことが多いからこそ、小さい「できた」がたくさんある。
大人になると、「こんなことできて当たり前」と、どこかの誰かの基準で考えてしまう。自分が初めてなのに、すでに上手くできる人の基準で判断したりする。最初からできないって頭でわかっていても、心が納得しない。
外国語を話せるように練習する時だって、最初から話せるわけないのに、上手く話そうとしてしまう。失敗すると恥ずかしいと、自分から話さなかったりする。私もそんな経験があります。
できなかったら、確実にできることから始めればいい。そして、そのことができたと自分で自分を褒めよう。大きくなると、自分で自分を褒めることが少なくなり安い。(なんでだろうね)
そんな時は、縄跳びを始めた頃のことを思い出して。