「合格証書」と「合格成績証明書」
*2019年1月7日初出。
これまでの人生で一番ドキドキした出来事について書いています。こんなことで文科省を訪ねることになるなんて…。何事も経験ですね。
娘は高認から大学進学した。高卒認定試験受験者は増加しているとはいうものの、全体に占める割合はまだまだ低い。
そんな少数派が大学受験をする場合、気をつけなければならないことがある(って、多分、うちの場合だけだろうけども)。それは、受験の際に揃える提出書類である。これは高校に行っていれば担任が揃えてくれる。チェックもしてくれる。しかし、高認から受験する場合、全て自分で揃えねばならない。それを肝に銘じて頑張ったはずなのだが、大失態が発覚した。
一昨年2017年1月4日、そろそろ私立大学の出願をしようと娘とパソコンで申請方法を調べた。センター入試利用できるところはそれも視野に入れて出願しようと思ったので、そのために必要な書類を確認していると、高卒認定試験合格者は、「合格成績証明書」が必要と書いてある。あー、これね! と思って私が手にしたのは、「合格証書」…。
あああああ、、、やっちまった!!!
そう、そもそもこれ「合格成績証明書」がないとセンター入試も受けられない。この書類は交付願いが到着してから交付までに一週間程度かかり、しかも申請者が多ければ更に時間がかかるという。しかも週末から連休に入り、役所仕事は停止する。まずい、間に合わない。娘に詫びると、自分はセンター入試を利用しなくていいから大丈夫、との答え。それはそうかもしれないが、やはりこんなミスを放っておいたまま受験に臨むのは気が引ける。そう、気が引けたら負けなのだ。娘に安心して受験させてやるにはどうすればいいか…。
翌朝、「高認合格成績証明書」発行関係所管である文部科学省生涯学習政策局生涯学習推進課に電話。事情を話すと、窓口まで直接来てもらえたら、その場で交付することはできないけれど、郵送にかかる時間が短縮できるので、処理が早くなることを教えてもらった。例外的そちですけどね、という言葉を添えて。この時、9時。
その脚で空港へ向かい、12時には文科省担当局課へ。カウンターには若い男女の職員の方がいらして、丁寧に対応して下さった。まさかこんな用事で文科省に来ようとは。娘の不登校は私に実に様々な経験をさせてくれる。これが終わればもう東京に用はない。福岡にとんぼ返りで、午後6時には家族で夕食をとったのだった。
翌週、書類は届き、受験手続きも無事終了。娘は何とか予定通り受験できたのだった。
この国で少数派として生きることはなかなかリスキーである。心臓がいくつあっても足りないと思う。でもそのヒリヒリした緊張感がちょっとクセになる。そうしてまた、少数派の道をずんずん分け入ってしまうのである。