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「地球の歩き方」借りまくり、世界一周航空券の罠にはまりまくる【ワンオペ、ビジネスクラス世界一周】


2024年9月、世界一周に向けて具体的に動き出しました。まずは航空券を予約・発券しないと始まりません。10月に出版する著書の校了が9月下旬だったので、2つの「下作業」を並行しておりました。

当初はアジア→中東→アフリカ→南米と西回りで一周するつもりでしたが、出発が遅れた故に、10月出発で3カ月の行程にすると、ペルー・マチュピチュの到着時にオフシーズンに入り、列車の本数が減っていたり、足元が悪くなりやすいことが分かりました。ついでにモロッコの砂漠も寒暖の差が広がってつらそう。

ということで東回りに変更しました。

世界一周航空券の価格

スターアライアンスの航空券は総距離によって価格が変わり、

        <エコノミー><ビジネスクラス>
2万9000マイル以内 35万8900円、70万5500円
3万5000マイル以内 42万2700円、82万2000円
3万9000マイル以内 49万4600円、95万8900円

となります(ファーストクラスは私には関係ない話なので省略)。これにサーチャージや諸税が20万円ほどプラスされます。

世界一周航空券は最大16カ所降りられるので、既に訪問を決めているエクアドル、ペルー、モロッコ、トルコ、インドの5カ国の他、他に5カ所くらい降りるつもりでした。

3カ月で10カ国前後。そして、可能なら最安の2万9000マイルに収めたい。

ということで、世界一周航空券のサイトからルートを作り始めました。その中で、次のような「検討事項」が発生しました。

南米は回れるけど非効率

日本から南米は直行便がないため、必ずどこかで降りることになります。現実的にはアメリカの南部かメキシコシティでした。

ルート策定のマップでは、行ける場所が●で表示されます。グレーが「トランジット」、黄土色が「直行便」で飛べる空港で、真ん中に三角の記号がついている場所は移動に便利な「ハブ空港」を意味します。
出発地を東京にして、北米、中米を見ると、図のようになります。

黄土色は直行便で、グレーはトランジットでフライトがある空港。

アメリカかメキシコ経由で南米に着いたあと、中南米は効率的に移動できません。というのもスターアライアンスに加盟している中南米の航空会社は、パナマを拠点とするコパ航空とコロンビアを拠点とするアビアンカ航空のみ。つまり南米の国をまたぐ移動は、パナマかコロンビアを経由しなければならないのです。ガラパゴスのあるエクアドルとマチュピチュのあるペルーは隣国だけど、直接は行けません。

ということで、立ち寄り場所として魅力的なところはどこかを調べるため、ヒューストン、メキシコ、コロンビア、パナマの地球の歩き方を借りてくる。

南米からアフリカは欧州経由

南米からアフリカも直行便がありません。スターアライアンスの世界一周航空券でペルーからモロッコに最短で行こうとすると、まずコロンビアでトランジットして、ヨーロッパに飛んで、アフリカに移動することになります。

円安なのであまり長い間滞在したくないヨーロッパですが、通過必須なので立ち寄ることにしました。世界一周で欧米飛ばしたというと、「ええ?」という人もいそうだし。「世界一周だからインドも行っといたほうがいいよな」とか、何となく他人の反応が気になってしまう私。

ペルーのリマから飛べる国はこんな感じ。

ヨーロッパ拠点の航空会社は数があるので、スペインなのかポルトガルなのか、あるいはドイツなのか。これでまた地球の歩き方を借りました。

ちなみに、スペインからモロッコは船で行けるほど近いのに、スターアライアンスを使うとルフトハンザ航空でドイツに行きカサブランカ、とかスイス経由だとか、かなりの大回りになります。

スペインからモロッコは近いけど直行便がない。ポルトガルからモロッコはありました。

そうやっていろいろ調べているうちに新しい知識が増えて行き、
「どうせなら温泉巡りたいな」
「ベルギーにスパという温泉都市があるらしい」
「ハンガリーは温泉大国らしい。ブルガリアはノマドに人気の温泉保養地があるらしい」
とかで、ベルギー、ハンガリー、ブルガリアの地球の歩き方を借りてくる。と沼にはまっていきました。

計画を立てていたときは超円安だったので、ヨーロッパを避けられないなら物価が最も安いと言われるアルジェリアに行こうと思い、東欧もだいぶ調べました。
旅が長期になると、物価が安くて何にもなくて人が優しい場所での休息が必要なときもありますし。

しかしスターアライアンスのルートにうまくはまらず、あれこれ試してアルジェリアは断念。

ルート策定ページのマイルはあくまで「概算」

モロッコ→トルコ→エジプト→インドは直行便があるのですんなりでした。

インドと日本の間に東南アジアを入れたい、タイは3回行ったから別のエリアにと、マレーシアやインドネシアを検討しましたが、そうすると乗り継ぎで「1回降機」が発生して「16回降機」の制限をオーバーしたり、2万9000マイルを超えたり。

とかで、インドから先はニューデリー→ラオス・ヴィエンチャン→東京で何とか帳尻が合い、チケット購入のページに進んだら、驚くべきことが分かりました。

旅程を作っているとき、画面の右下に「マイル数」と金額が出るのですが、実はこのマイル数は「ざっくり概算」に過ぎず、次のページに飛んで初めて正確なマイル数と金額が表示されるのです。

ルート策定ページでは2万6777マイルと表示されていますが、ここから次のページに飛ぶと


正確なマイル数が表示されます。複数のトランジットの選択肢があるときは、それによってまたマイルが変わります。

ルートによっては航空会社やトランジットに複数の選択肢があり、どれを選択するかによって数字が少し変わります。

ということで、10月初めにようやくつくりあげた旅程は、「次のページ」に飛んだら2万9000マイルを2マイルだけオーバーして、10万円ほどアップした価格が表示されました。2マイル超えで10万円は割に合わな過ぎる。

そこから1日かけてあれこれいじり、ラオス・ヴィエンチャンをタイ・バンコクに変更することで、2万9000マイル以内に収まりました。

そんな感じでかなりややこしいので、世界一周航空券を使った方のブログを見ると、世界一周堂やHISにコンサルしてもらい、発券する方も多いようです。手数料は3~5万円くらいだとか。

「行ったことない国に行こう」と考えた私ですが、高校の社会は日本史選択だったし、海外旅行経験が豊富な割には「友達を訪問」とか「航空券が安い」みたいな理由で行くことが多かったため、どの国に何があるか、何月にどんな気候なのか、どのくらいの距離なのか分からないことだらけで、小さな地球儀をアマゾンで購入し、図書館でガイドブックを借りまくり、発券する前に既に世界2周くらいした気持ちになりました。

妄想世界一周でお腹いっぱい。行かなくても誰に迷惑をかけるわけでもないし、延期しようかなという思いもよぎりました。

そんな弱気の虫を振り切り、10月4日に旅程が完成したところで出発日を10月14日に決定。本当は準備の時間を考えてもう少し先にしたかったけど、トルコが12月に入るとかなり寒くなり、カッパドギアの気球もあまり飛ばなくなるので、えいやーーーーーーーーとクレジットカードの決済ボタンを押しました。

具体的なルートは次の投稿で。

そうそう、この世界一周ルートの策定ページは、しばらく触らないと初期化されてしまうので、ちょっと手を放すときはしっかり保存しておくことを忘れずに。昔のファミコンゲームのセーブくらいの勢いでやっておきましょう。

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