やりたいを叶えること
「目が見えないけど、便りの返事が書きたいのですが」
ある午後の日のことです。
ご家族からハガキが届いても読むことができないので、
いつも職員が代読していました。
でも、この日は、ふとそんなことをおっしゃいました。
食べる・排泄・入浴・睡眠…で精いっぱい。意欲的な活動がほとんど
ない状態でしたが、テーブルに紙とマジックを準備してみました。
勢いのある字。
見守るだけで、そのままのご本人の文字です。
『ゆきがふって 世界がひろくなったような 気がしますね
さようなら』
ご本人様がそう書いたとおっしゃたので、それだけメッセージをそえて
送りました。
整うように直せばいいとか、そういうことではなく、
ご本人の思うように、やりたいことを叶えてあげられる。
『そのままを支えること』を大切に。