日本修行編 第2話
時代(とき)のシェフたち...
サンセバスチャンを歩いている時に知り合った、パリに拠点を置いているという1人の女性デザイナーさんに、現在はパリで家庭料理屋さんを営まれているパリの多恵子さんと、ボルドーを拠点にされており、N.YのMOMAや大河ドラマのタイトルも手がれられる愛に満ちたアーティスト 書道家のマアヤさんをご紹介いただいた。
お2人に現在はミシュラン1星を獲得しているレストランERHのケイタさんが当時シェフを務めていたAu Bon Accueilへと連れてっていただき、その縁で婦人画報創刊110周年記念ガラディナーでアシスタントとして加わらせていただいた。
夢のレストラン EPISODE 0 in TOKYOと銘を打たれたこのイベントには、パリで活躍する日本人シェフたちが集結した。
ミシュラン2星 Passage53の佐藤シェフ、ミシュラン1星 PAGESの手島シェフ、ミシュラン1星 Solaの吉武シェフ、同じくミシュラン1星 TOYOの中山シェフにSUGALABOの須賀シェフ、そしてケイタさんこと北村啓太シェフ。
僕はケイタさんのチームのアシスタントとして参加させてもらい、当時日本人シェフたちの中で最も最前線で戦われていたシェフたちの仕事を目の前に見ることができたのはいい経験だった。
200名という大人数を相手に一度に料理をするのも初めてだった僕には、かなり鮮烈な勉強になった。
それぞれが、自分たちの持ち味を生かし、クオリティとオペレーションの掛け合いの中、一品一品クリエイションされており。
普段、各々がそれぞれの店でシェフとして活躍している個性派の集まり、うまい具合に全体を仕切り引っ張るシェフ、1つ1つ細部までチェックしていくシェフに、自分の仕事に集中するシェフ、周りを手伝うスタッフやただハッパをかけまくるシェフと普段のレストランでは見ることができない現場とコラボという1つの楽しみを見出すことができた。
それぞれのキャラを理解し、どう活かしていくか。個性的な人間の集まりの場合は干渉しすぎないことも大事な戦術と料理以上に学ぶことが多い3日間であった。
貴重な経験を得たのち、先日感動を受けた軽井沢のレストラン ユカワタンへと1ヶ月の短期研修へ出かけた。
ユカワタンでは、日本で初めての生涯の友となる同じ志し、情熱を持つ料理人の友達と出会うこととなる。
前回、ユカワタンに訪れた際はバタバタで、ゆっくり軽井沢を歩くことはできなかった。
今回からがある意味で初めての軽井沢だ。
信州の食材のみに絞り焦点を当てたレストランの食材は未知で溢れていた
川魚の独特な臭いを香りへと変え、豊富な天然のキノコや大地を凝縮したような味濃い野菜の数々とどれもに衝撃が走った。
自分たちでキノコを採りに行っては味見して、30秒後にトイレへ駆け込んだり(笑
温泉も入り放題、就業時間も休日もきっちりと決められた世界は僕にとっては物足りなかったが、周りを探究し尽くすにはとても嬉しい限りだった。
唯一残念だったことといえば、研修が始まる1月前に浜田シェフがユカワタンから離れたことだった。
それは、さておき軽井沢にいる間はキノコLoverの僕が行かないわけにはいかないキノコフレンチの名店の1つ**EBuRiKo (エブリコ) **へも訪れることができた。
エブリコのシェフは、恵比寿のフレンチレストラン マッシュルームでスーシェフを経られた方だ。
軽井沢でシェフが自ら採ってこられた天然キノコ料理の数々はたまらなく素晴らしく、僕の心は胞子に埋もれナウシカの森のようになっていきそうだった。
危うく焼き尽くされるとこだ...
ユカワタンでは、アナグマというイタチのような珍しいジビエを愛でることもでき、楽しい時間を過ごさせていただいた。
研修が終わる最後の1週間、僕は毎日生のくるみの殻をひたすら剥くという仕事を一日中ひたすらしていたわけだが(笑)
それすらも、いい思い出だ。
ヨーグルトのようなラクティックな香りに身を包んだ乳白色の綺麗な身を傷つけず、殻から取り出す技術を僕は自己で勝手に身につけることもできた。
軽井沢で生産者さん訪問ということを初めて経験し、地球の息吹を身に染みた僕は実家福岡へ帰ってからも、福岡の生産者さんを訪れるという行動を取るようになる。
今思うと、軽井沢での1口の野菜が生産者さんのところへと訪れる1歩へのきっかけだったように思える。
数ヶ月後、ヨーロッパの1星、2星で修業し帰国してきた日本人若手シェフが各メディアなどから脚光を浴びていくなか、自分の年齢とアメリカの3星レストランで経験を積んできたにも関わらず、誰にも注目も浴びない状況に焦りを隠せない僕は、初めて食事も経験せず、何も知らない状況である3星レストランへと3ヶ月間だけヘルプへ出かけた...
To be continued...
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