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【ラノベレビュー 35】 『VTuberのエンディング、買い取ります。』

こんにちは、Kanonです。今回は…

朝依しると先生の『VTuberのエンディング、買い取ります。』の感想記事です。

あらすじ

VTuberアイドルグループ『星ヶ丘ハイスクール』所属のVTuber――夢叶乃亜。

彼女を推すことに青春の全てを捧げ、V界隈でも名を馳せていた高校生の苅部業は、乃亜の魂の醜態がネット上に晒され、大炎上したことで人生が一変する。

「おれはあの夜に死んだ……」

運営から推しの臨終を告げられ絶望した業は、高校を休学し一年後VTuberの炎上ネタを扱うブロガーとして日々を過ごしていた。そんな業の元に『自分のVTuberを炎上させてほしい』という依頼を持ち込む美少女、小鴉海那が現れ――。

「これは人助け……いえ、VTuber助けみたいなものです」

『推し』の最期をプロデュースする救済と再生の物語。
第35回ファンタジア大賞〈大賞〉受賞作!

『 VTuberのエンディング、買い取ります。 』朝依しると ファンタジア文庫 2023年1月20日 発行 より引用

こんな人におすすめ

  • 最近推してたVTuberが引退してしまった人

  • 闇堕ち主人公が好きな人

  • 極力各章が独立していて、何回かに分けて読みやすい作品を求めている人

感想

テーマ

最近流行り(?)のVTuberモノです。

が、この作品では『ぶいでん』のようにVTuber自身が主人公なのではなく、ファン側の目線で物語が進んでいきます。

そしてVTuberの活動それ自身にフォーカスしたものではなく、ファン心理やVTuberとしてのあり方的なモノにスポットを当てた作品になっています。

基本的にお話の流れとしては、プロデューサーとの確執、炎上、粘着ファンによって活動に支障をきたし始めたVTuberが心置きなく引退するための演出をするという感じです。

この"引退の演出"という行為の原動力になっているのは、主人公が過去に突如推しを失ってしまったことです。

なので現在進行形で何かしらのVTuberを押している人だと、その推しを失ったときを想像すると作品に没入できそうです。

現在進行形で推しのVTuberを失ってしまった人はいわずもがな(笑)

構成

3本立てになっています。

なのでヒロインとなる女の子は3人登場します。

3つの物語は順番に展開されていくのですが、ある程度独立したお話にもなっているので、読みたいところから読んでもいいかもしれません。

まとめ

この作品を購入したのは、まずタイトルのインパクトに目を引かれ、さらにイラストレーターがTivさんということでした。

内容に関しては、問題を解決する過程で出会ったVTuberが片っ端から主人公を好きになっていくのかなと思っていたのですが、そんなことはなく。

終始VTuberとファンの関係性のあり方について物語が展開されていくので、いい意味で期待を裏切られました。

単巻で完結している形なので、とても読みやすい作品でした。


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