【ラノベレビュー 19】 『君は僕の後悔 3』
こんにちは、Kanon です。今回は…
しめさば先生の『君は僕の後悔 3』の感想記事です。
あらすじ
前巻の内容はこちら
感想
ヒロイン・名越李咲の設定
今回はシリーズの中でも一番重い設定のヒロインでした。
前巻の薫の設定も息が詰まるものでしたが、まさかの実の父親が殺人を犯しているという展開…
しかもその相手が自分が慕っていた姉のような存在であり、ゆくゆくは母になるであろう存在ということで、心の中がぐちゃぐちゃになってしまうような境遇でした。
そんな感情をどこにも出力することができず、ただ自分の中にある思いを整理することもできず、自傷行為でしか生を実感できなくなっていました。
今回の対話は…
"音楽"というツールを使っての対話でした。
李咲は言葉ではうまく気持ちを吐き出すことができませんでしたが、音楽を通して自分の気持ちを吐き出すことができました。
父親に憧れて始めたベース。父親に失望して辞めたベース。
李咲の生きざまの中のすべてはベースという楽器を軸にして出来上がっていて、そんな李咲が感情を吐き出すための手段はやはり音楽しかありませんでした。
ただ、父親の事件がきっかけで音楽から離れてしまっていた李咲が音楽に再び向き合うきっかけを作ったのが結弦の言葉の力なあたり、本シリーズのテーマである「言葉での対話」を失うことがなく作品としてもバランスが保たれていると思えます。
最後には音楽というツールを通して李咲は自分の気持ちを吐き出すことができて、本当によかったです。
総評
今回はそこまで結弦を中心に話が展開しているわけではなく、李咲がヒロインであり主人公という感じでしたね。
どちらかというと、結弦よりも壮亮のほうが主人公らしかったような気がします。
しかし、今巻のラストでは結弦と藍衣の間で新たに物語が進展しそうな展開が描かれました。
次巻はまた振り出しにもどって、藍衣がヒロインになりそうな予感。
楽しみです。
以上、『君は僕の後悔 3』 感想 レビュー ネタバレでした。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?