”今日のさむ活”体験記~海ごみアップサイクル編~
こんにちは!さむ活P山田です。
お坊さんの修行のひとつ「作務」から生まれた非日常体験イベント「さむ活」。4月のスタートからあっという間に第5回目の開催を迎えようとしています。
今回は第5回目のさむ活「海のプラごみで数珠ブレスレットづくり」に向けて、ゲスト講師、黒田さんが代表を務めるトンカンテラスさんにお邪魔してきました。
▼次回さむ活の開催情報はこちら▼
トンカンテラスって?
今回お邪魔したトンカンテラスは、福井県福井市にあるものづくりの地域拠点。ものづくりに関心がある方が気軽に訪れることができます。会員になると3Dプリンターやレーザーカッターなど最新のものづくり機器をはじめ、ミシンやのこぎりなどの木工道具も使うことができて、オーナーの黒田さんにものづくりのアドバイスをもらうこともできます。
プラスチック成形メーカーで約10年間、プラスチック製品の設計開発を行ってきた黒田さん。地元福井で気軽にものづくりを楽しめる機会を提供したい!と、この4月にトンカンテラスをオープンしました。
さらに黒田さんは”プレシャスプラスチック福井”を立ちあげ、福井のプラスチックごみ問題への関心を高めるべく様々な活動を展開しています。
例えばこんな活動・・・
福井市国見中学校へ海ごみ出張授業へ行ってきました!|トンカンテラス|ものづくりを通して、あらゆる人が集い、交流する場所 (tonkanterrace.com)
海ごみアップサイクルアクセサリー作りワークショップ報告!|トンカンテラス|ものづくりを通して、あらゆる人が集い、交流する場所 (tonkanterrace.com)
実はさむ活P山田、黒田さんと同級生!大学院時代のサークル仲間なのです。何のサークルか気になる方は、ぜひさむ活に参加してお確かめください(笑)
海のプラごみ
さて今回トンカンテラスにおじゃましたのは、8月さむ活でお客様につくっていただく「数珠ブレスレット」の試作のため。いったいどんなものができあがるんだろう?あの機械でどんなことするんだろう?とワクワクしながら、安楽寺の住職せいはんさん、坊守あきさん、そしてさむ活Pの私、山田の3名がわいわいとトンカンテラスさんに集合しました。
数珠ブレスレットの素材のメインは、海で拾ったプラスチックごみ。
海のプラごみといえば、たとえばこんなものたち・・・
いろんな形、色、大きさのものがあります。海に落ちていたプラごみがそのまま再利用できるわけではなく、洗浄するなどの処理が必要だそうです。しかも中には再利用に向かない形や素材のものもあるんだとか。
海のゴミ拾い。私も過去に何度か体験させてもらったことがありますが、とても大変なんですよね。落ちているゴミの中には、先がとがっていたり、何か分からない謎の液体が入っていたりと危険なものもあります。落ちているものは様々なので、分別しながら拾っていくといくつもゴミ袋を持って歩かないといけなかったりして・・・拾っても拾ってもきれいにならない!なんて途方に暮れることもあります。
トンカンテラスに置いてある海ごみのサンプルを眺めながら、ここに至るまでにいろんな苦労があったんだろうなと想像しました。次回のさむ活ではそんな海ごみ拾い事情のお話も聞いてみたいと思います♪
射出成形機にチャレンジ
そんな海のプラごみと、ペットボトルキャップなどのプラごみを粉砕してチップ上になったものがこちら。
いろんな色の素材を射出成形機に入れていきます。色の組み合わせやその割合で完成するパーツの印象が大きく変わるのが今回のアップサイクルの楽しみのひとつ。黒田さんは直感派のようで、けっこうザックリと素材を入れていきます(そう見えるだけで、もしかしたら細かい計算をしているのかもしれません笑)
射出成形機の先にはこんな金型をセット。この金型は作りたいものの大きさや形に合わせて発注するオリジナル。
こんな感じでしっかり取り付けて・・・
準備ができたら赤いボタンを押してスタート!金型の中に溶けたプラスチック素材を流し込んでいきます。
ボタンを押すだけの作業でも、射出成形機がウィーンと音を立てて動いている様子が近くで感じられてとっても面白い!完成に向けてのワクワク感はどんどん高まります♪
そして素材を流し終わると、黒田さんが熱々の金型を取り出してくれました。開けてみると・・・
おお~!型にプラスチックが流し込まれて、数珠玉がたくさんできました!
射出成形機の中心部はなんと300℃を超えるんだとか。プラスチックを溶かすためにはそれくらいの温度が必要なんですね!
危険のない作業にチャレンジさせてもらったり、溶けたプラスチックを近くで見せてもらったり。ひとつひとつが新鮮で面白い体験。
さむ活当日も、この射出成形機を安楽寺に持って来ていただいて、参加者のみなさんに近くで見学していただけますよ~♪
色とりどりの数珠玉たち
金型から取り出した数珠玉はまだ熱々。触れるくらいに温度が下がったら、玉を一粒ずつ切り出していきます。
ニッパーで切り出していく作業も、好きな人はハマるかも!一般的なプラスチックよりも柔らかいので、「ぐにっ」というか「ふにゃっ」というか・・・なんともいえない感触を味わうことができます。こちらも8月27日のさむ活でぜひ、体験してみてくださいね♪
ところで、数珠玉を入れているこの箱。なんとこちらもトンカンテラスさんのオリジナルなんです。黒田さんがパパっと設計して、レーザーカッターでパーツを作って・・・と、あっという間にできちゃいます。
こちらは数珠ブレスレットにする玉を選ぶケース。こちらはまさに、黒田さんが私たちの目の前で「こんなのあるといいかも!」と思いついて作ってくれたもの。思いついてから10分もしないうちに完成。すごい!
黒田さんのアイデアとスキル、そしてものづくりに便利な機械たちがそろっているトンカンテラスだからこそ、イメージをすぐに形にできるんですね。
そしてついに完成・・・!
ここまできたら完成は目の前です。
好きな色の数珠玉をテグスや細ゴムに通して・・・
結んでわっかにしたらこの通り!数珠ブレスレットの完成です。
その人の腕まわりに合わせて玉の数を調整して、ぴったりサイズのブレスレットをつくることができました。
同じ色合いの数珠玉を集めてもかわいいですし、あえてバラバラの色を組み合わせてもおしゃれに仕上がります。いろんな色のプラスチックが混ざり合ったマーブルカラーなので、奇抜な色のものでもナチュラルで無造作なイメージに落ち着いてくれます。いい感じ~!
ものづくりが楽しい理由
この通り、数珠ブレスレットの試作会はなんの問題もなく無事終了!と言いたいところですが、実はこの裏側でいろんなことが起こっていました。
住職せいはんさんが念仏を唱えた途端に金型に素材が入らなくなってしまったり・・・
素材が入った!と思ったら想定より多く入ってしまって、金型からはみ出してしまったり・・・
テグスに数珠玉を通して、結んで完成!というときにテグスがゆるっと解けてしまって「ああ~!」と玉が散乱しちゃうという、漫画みたいな出来事も(笑)
こうして振り返ってみると、上手くいかないこともいろいろとありました。でもそのたびに「なんでかな?」「こうしてみる?」と新たな発見やアイデアが生まれて、どんどん前に進んでいる感覚があって楽しかったんです。
そしていろんな経験を経てやっと完成した数珠ブレスレットは、なんと愛おしいことか!すんなり完成してしまったら、もしくはすでに完成したものを買うだけだったら、この気持ちを感じることは無かった気がします。
ものづくりに真剣に取り組む人たちの姿だったり・・・
いろんな立場の人が集まってアイデアを出し合うことで、一人では生まれることのなかったものや価値が生まれる面白さだったり。
ものづくりが楽しい理由は、きっとこういうところにあるんだろうなあ。
と、ものづくりの世界の入り口に立った山田は思ったのでした。
まとめ
ということで、今日のさむ活体験記~海ごみアップサイクル編~いかがでしたでしょうか?
8月のさむ活では海の環境問題について黒田さんに楽しく教えていただくレクチャータイムも充実していますので、知的好奇心もしっかり満たしていただけます。もちろん自分でつくった数珠ブレスレットもお持ち帰りいただけますよ♪
この他、毎回大好評をいただいているプチ瞑想体験は夜バージョン。不要なあかりを消してろうそくの明かりを灯して、幻想的なお寺の本堂でじっくり呼吸を整えていきましょう。
坊守あきさん手作りの身体にやさしい精進スイーツはテイクアウトスタイルでご提供です。
とっておきの非日常体験が詰まった8月のさむ活。定員がございますので、ご予約はお早めに。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
▼詳細・お申込みはこちら