あなたにはできる
こどもを育てていると、私にはこの子に何を残せるだろうと考える。
今は一緒にいられるけれど、ずっと一緒にいられるわけではない。いつかあなたはひとりで歩いて行かなくてはならない。
甘えていて、自由で、まだ何も知らないあなたに、私は死ぬまでに何をしてあげられるだろうか。私自身も、世界の定義をしている最中だというのに。
たくさんの質問をされる。
先日された質問に答えていく中で、説明しながら私が伝えたいと思っていることを言葉に表せたと思うので書き記しておく。
なぜ頑張らなくてはいけないのか、聞かれた時に、整理がついたと思う。
私はあなたに知って欲しい。親以外に頼ることができる人がいることを。
あなたは頼ることができる。知ることができる。知らなければ調べることができる。調べられたことに限りがあっても、議論することができる。教えてもらうことができる。議論したり教えてもらえる友達を作ることができる。全員とは仲良くなれなくても、何人かの大切な友達を大切にする方法を知っている。
今はまだ知らなくても、知って行くことができる。経験する中で学べる。
うまくいかない時に、工夫してみることができる。工夫して失敗しても、そこから学ぶことができる。次に活かすことができる。
失敗したら、失敗したことを受け入れることができる。失敗を受け入れて、悲しくなったり、落ち込んだり悔しがったりすることができる。
悔しさをバネにすることができる。
辛いことがあっても、跳ね返すことも、忘れることもできる。許すこともできる。
素晴らしい出来事や表現に感動したり嬉しくなることができる。その心の動きを大切にすることができる。新しい体験をする楽しさを感じることができる。
あなたは工夫ができる。工夫を実現する手段を編みだせる。今は手元になくとも、本を読んだり人に聞いたりして新しい知識を得ることができる。それをもとに単純化したり複雑化したりして、世界を捉え直すことができる。
頑張ってみて、疲れてしまったら、疲れていることに気づくことができる。自分の心と体の状態を、適切に観察することができる。
疲れてしまったら、休むための時間を自分で作り出すことができる。作り出す大切さを知っている。自分にとって本当に大切なものが何かを自分に聞くことができる。大切なことが何かは自分が知っている、ということを、知っている。
あなたはできる。しることができる。
あなたに、そのことを知って欲しい。全部、経験させてあげたい。
私が手伝えることはその中でもすごく一部のことだけれど。
そのことを、伝えたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?