朝の通勤散歩
私の通勤手段は、自転車だ。
毎日片道15分この愛車に乗って通勤している。
ちょうど良い運動にもなっている。
散歩のようにゆっくりと走るのが楽しい。
家を出ると朝日に向かって走るようになるのでとても眩しい。
目を細めながら行き交う人とすれ違う。
大通りに出ると交差点の横に川が流れていて橋の上で信号待ちをする。
そんなに大きくない川。
橋は私が生まれる一年前にできたと刻印されている。
信号待ちをしている間、その川を眺める。
40年以上前はヘドロとゴミがたくさんあって臭い川だった。今は、透明度はあまり良くないものの魚が泳ぐようにまで回復している。
川をきれいにしようと尽力してくれた人達のおかげ。ありがたい気持ちになる。
あちこちで魚がピチピチと飛び跳ねているのを見ると嬉しくなる。
稚魚を狙ってカモたちがやって来て弱肉強食の世界が繰り広げられる。
そこに亀がゆっくりと流されて来るのを見るのもホッコリする。
信号が青になって待っていた人達は、一斉に走り出す。
私はあとからゆっくりと出る。
あまり朝は急ぎたくない。焦りたくない。
先を急ぐ人達の背中が小さくなる頃、私はゆっくり走りながら少し空を見上げる。
青空に雲があるときれいだなと思う。
建物や電線が邪魔をするけど、朝の空はやっぱり気持ちが良い。
中間地点にもまた川がある。橋を渡ってその川沿いを走る。
今度は白鷺やカラスが飛んでくる。
鳥の飛来する姿を下から見ていると、なんだか私まで飛べそうな気がして自転車の漕ぐ足に力が入る。
もうすぐ会社に着く一歩手前に公園がある。
その公園は芝が綺麗に整備されている。夏みかんの木もある。ベンチが等間隔に置かれていてちょうど木陰で休めるようになっている。
犬を散歩している人、本を読んでいる人、音楽を聞いている人、お年寄りの集まり、中学生らしきカップル…いろんな人達が集う公園を横目にもうすぐ、会社に到着する。
こういう何でもないことが幸せに感じる。
健康であること、仕事があるということ、帰る家があることも幸せ…さぁ、今日も一日、がんばるぞ〜!