性暴力が奪うもの
2022年6月19日に放送されたNHKスペシャル
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pYK2P3B1LQ/
*画像はHPよりスクショしたもの
性暴力被害について当事者の声を伝えた貴重なドキュメンタリー番組だ。ドラマや小説、AVの世界にも溢れたストーリーだが、現実に身に起こることをイメージせずにはいられなかった。
2014年に行われた内閣府の調査では、無理矢理に性交などをさせられた経験をもつ人は、女性が13人に1人、男性は67人に1人いるという。驚きの数字である。
さらに2019年、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに寄せられた相談で、性被害者の4割が10代以下だという。
暴力は、間違いなく弱者に向けられている。
立場や体力などの力ずくで、性的なものに身体や精神を侵害される体験は、自分が大切にされない感情どころか、自分という存在そのものを破壊してしまう。
恐怖体験がフラッシュバックし、PTSDを抱え、日常生活がままならなくなる状況が、さらに被害者たちを苦しめる。
自分はこんなんじゃなかったのに・・・
被害者には全く落ち度はない。なのに、あの頃のような自分には戻れない。奪われた本当の自分を少しずつ取り戻すように1日1日を生きている。生きる意味さえわからなくなっているのに。
それがどれ程に苦しいことかが伝わる内容だった。単に加害者を法で裁いて終える問題ではない。
あなたはあなた。そう思えるようになるには、そう言ってくれる誰かの存在が必要である。
性被害は、簡単には口にできない、自己責任を問うセカンドレイプ、生命の危機から身を守るための防御反応による無抵抗(ポリヴェーガル理論)など、その特性から、被害だと認識するまでに時間が掛かる。平均7年半以上、被害当時6歳以下だと11年以上掛かるという(2020年11月20日朝日新聞)。
性暴力について知ってもらうことは、生き辛さを抱えた被害者を孤独にさせないことに繋がる。包括的セクシャリティ教育の重要性を痛感した。