舟
穏やかな海
冷たいはずなのに あたたかくて
月がしっかりと照らしていて
やさしい 頼もしい 懐しい
そんなことを思った
ころころとしたものが温まりながら大きくなって
それらが互いに手を結んで
大きな海になっていく
こころが満たされていく
海の中じゃ息ができないはずなのに
なぜだか その海の中では息がしやすいんだ
潜れば胸がきゅっとなるけど
空気がいつもより入ってくる気がするよ
海の中では流す涙もごまかしやすいや
だから ずっとここにいると決めたよ
わからなくなると戻るんだ
あの海に
漕いでいくよ
あなたが教えてくれた
こころの海に