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八支則のヨーガ 1.2【サッテャ】

サッテャ 正直であること

人や自然を傷つけないように、いつも考えと言葉に一貫性を持つ練習。

ヨーガって何?(パラヴィッデャーケンドラム)

『ヨーガ・スートラ』八支則のヨーガの一つ目がヤマ(避けるべき行い)です。

ヤマにはさらに5つの項目があり、二つ目がサッテャ。

サッテャの実践は、偽らないこと、正直であることで、「たとえ相手にとって心地よいことであっても真実でないことを話さないように」と言われます。

とはいえ、

「本当のことだから」
「正直でありなさいと言われたので」

人の気にしていることまで何でも思ったことを伝えていたら、相手を傷つけてしまいます。

サッテャは、同じくヤマの一つであるアヒムサー(傷つけないこと)と共に実践される必要があります。

つまり、「真実であっても相手を不快にする言葉」は慎むようにと言われます。

さらに、「相手にとって価値のある話題」を話しなさいと言われます。

相手にとって無益な話題であれば、それはその人の時間を盗むこと(ステーヤ)となり、これまたヤマの一つであるアステーヤ(盗まないこと)という教えに反します。

また、相手にとって有益な話題であっても、相手にそれを受け取る準備ができていなければ、やはりそれは話されるべきではありません。

「耕されていない土地に種を蒔かないように」とも喩えられます。

たとえ相手にとって有益な話題で、相手に準備ができていても、タイミングが適切でなければ逆効果になり得ます。

「真実であって、相手にとって価値のある話題を、準備ができた相手に対してのみ、相応しいタイミングで、愛のある言葉で話しなさい」

それがサッテャの実践だと言われます。

「それじゃ何も話せないよ!」

と思われるかもしれませんが、

実際、

「適切に話せないのなら、むしろ沈黙した方が良い」

と言われます(笑)

アヒムサー同様、徹底することは簡単ではありませんが、それほど繊細に言葉を扱うことは、より繊細に自分の思考に気付き、丁寧に扱うことに繋がります。


サッテャは、言葉を適切に扱う練習をすることによって、考えを適切に扱えるようになるための練習とも言えると思います。

本当はきっととても心の優しい人なのに、言葉で損をしているように見えて、勿体無いなと思うことがあります。

言葉というのはすごいです。

言葉が変わると世界が変わります。

きっかけは、ヨーガを教えてくれた先生や先輩がみんなとても丁寧で優しい言葉を選んでいたこと。

自分もそうなりたくて真似をするうちに言葉が少しずつ整い、言葉が整うと考えも整い始めました。

言葉と考えが整うと、行いも整ってきます。

まだまだ自分なりにですが。

ヨーガと出会って一番変わったのは言葉かもしれません。

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