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日本語教師コラム#8.会話練習の授業で心がけていること

日本語の授業はオンラインの授業であれば、初心者の方は割とフリートークや会話練習を教えようとする人が多いと思います。

私も初めはそうでした。日本語を教える資格を持たないまま先生を始めたので、初めは一番やりやすそうな会話練習やフリートークを教えると公言してやっていました。
しかし、意外とこれは一筋縄ではいかないかもしれないと思ったというお話です。

1.生徒さんのレベルに合わせた会話をしないといけない

私が日本語教師になってはじめに直面した課題は、生徒さんにレベルに合わせて会話練習の難易度を変えないといけないと気づいた時でした。

そもそも、日本語を勉強し始める人のほとんどは日本人と会話がしたい!という気持ちが大いにあります。なので、ある程度の文法を学んだ初中級の方は、早く日本語で会話の練習がしたい!と思うので、会話の授業を選ぶ人がいる気がします。

しかし、そのレベルの人にはフリートークや何気ない会話練習は難しすぎるのです。

私も英語やフランス語の勉強をしているので、身をもって感じていることではありますが、ネイティブとのフリートークが一番難しいと思います。
ノンネイティブとであれば、ある程度の単語量や会話の流れが決まっているのでそこまで何を言っているか分からないということにはなりにくいです。しかし、ノンネイティブだと思わぬ言葉や会話の流れになったりすることがあるので、たくさんの単語や表現を知っていないと成り立たないのです。

なので、会話練習がしたい!という生徒さんにはあらかじめ生徒さんの日本語レベルを理解した上で、その生徒さんに少し難しいかなくらいのレベルの会話教材を一緒にやっていく方が効果的です。

本当のフリートークは、日本語を忘れたくない上級者や、日本人とのハーフの方、昔日本に何年か住んでいたことのある方のような、ある程度日本人との会話に慣れている人としかうまく機能しない分野だなと思いました。

2.会話練習はいろんなパターンがある

まずシチュエーションによる会話
買い物をするときの会話、レストランでの会話、レストランを予約するときの会話などですね。

これは会話練習の中でも初歩的なものですが、難点としては実際に勉強している国にいなければ大きく機能しないというものですね。
学んだことがすぐに実践できる環境にいないとすぐに忘れてしまいます。

次が、話す量を増やしたいという人との会話
この場合、一緒に簡単な新聞記事や簡単な読解を一緒に読んだのちに「あなたはどう思いますか?」と意見を聞く会話練習のスタイルです。
この場合は、新しい語彙やフレーズを一緒に覚えてもらえるのでいいなと思っています。
もちろん、日常的な「昨日はなにをしましたか?」「週末は何をしましたか?」と言った質問に答えていくものはいい練習になりますね。

そして、最後は私の得意分野。日本の文化や歴史を生徒さんの文化と比較して意見交換をする会話
この場合は、日本の文化テーマを私が決めて説明をします。その後、あなたの国ではどうですか?と深ぼっていく会話です。これは先生側に歴史や文化の知識がある程度必要となるので、圧倒的なインプットが必要になります。
私は今まで、「日本のお笑い文化」「食品サンプル」「日本食の歴史」「古典芸能」「漫画起源」など、図書館にこもってそれぞれ20冊ほど書籍を調べて徹底的にインプットをした後で簡易的な資料を作って授業をします。

先生側の私もとても勉強になりますし、50分の授業であれば十分間が持ちます。

3.最終的には先生側のコミュニケーション能力や質問力に左右される

そもそも、人と人との対話によって授業は成り立ちます。特にマンツーマンだとそうですよね。なので、コミュニケーションをいかに円滑にして会話を楽しんでもらうかというのは大きいのではないかなと思っています。

これに関しては、一長一短で身につくことはないかもしれませんがあって困るものではないので日々磨いていかなければならないなと感じます。
もちろん、シンプルに生徒さんとの相性もあると思うので一概には言えませんが。


本日も読んでいただきありがとうございます。
日々授業で感じたことを綴っていきますので、フォローやいいねをもらえると嬉しいです。



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