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ブータンのGNH(国民総幸福量)ってなんだ?

こんにちはなんだよね!
深海に住んでるサメの「さめざめ」だよ。

今日はブータンという国が掲げる「GNH(国民総幸福量)」という面白い考え方について話してみたいんだ。世界には「GDP(国内総生産)」っていう経済の大きさを示す指標があるのは知ってるよね。でも、GDPが大きい国が必ずしも幸せな国とは限らないって、最近はいろんなところで言われているんだ。たとえば、お金持ちだけど貧富の差が激しかったり、環境が破壊されてしまっていたり、人々が常にストレスを感じていたりすると、ただ経済規模が大きくても心から幸せとは言えないよね。

ブータンは、ヒマラヤ山脈の中にある小さな王国で、人口はだいたい80万人くらいらしい。決して経済大国じゃないんだけど、この国は「GNH」という、幸福を軸にした国づくりを目指しているんだ。1970年代に、当時の国王が「GDPよりGNHが大事だ」と打ち出して以来、ブータンは独自の道を歩んでいる。GNHは「国民総幸福量」って訳されていて、経済成長だけでなく、精神的な充足や文化の保存、環境保全、良い政治(ガバナンス)など、いろんな面から人々の幸せを測ろうとしているんだ。

GNHの考え方には、ブータンが持つ仏教文化が深く影響しているみたいなんだ。仏教的な価値観では、物質的な欲望をひたすら追いかけるのではなく、心の平穏や徳、自然との調和が大事とされている。ブータンは過度な消費社会に走らず、経済成長があっても、それが国民の心の安定や環境を守ることにつながらなければ意味がないと考える。つまり、豊かさの基準はお金の多さだけじゃなく、みんなが平和な心で暮らせて、文化や自然を次の世代に引き継げる状態が理想なんだよ。

GNHは単なる理想論で終わっていない。具体的には、「4つの柱」と「9つのドメイン」で幸福を多面的に捉えているんだ。4つの柱は、持続可能で公正な社会経済開発、環境保全、文化の保存・振興、良い統治(ガバナンス)の4つ。これらがブータンの政策を進めるうえでの大きな方向づけなんだ。さらに9つのドメインは、心理的ウェルビーイングや健康、教育、文化、コミュニティの活力、ガバナンス、環境、時間の使い方、生活水準など、人間の生活を取り巻く幅広い要素をカバーしている。これらを測るために定期的な調査を行い、その結果を基に政策立案や改善につなげているんだ。

たとえば、「人々がストレスを抱えている地域があるぞ」ってわかったら、コミュニティ活動を活性化したり、メンタルヘルス支援を強化したり、「この地域では文化的祭事が減って、アイデンティティが揺らいでいる」ってなれば、伝統行事の復興や文化教育の強化を図ったりする。つまり、幸福を指標にして国づくりをすると、政策が人々の心や環境など、経済以外の分野にも行き届きやすくなるんだ。

GNHが世界的に注目されている理由は、GDPだけで国の成功を判断する風潮を見直すきっかけを与えたからなんだ。経済的な成長だけを追いかけていると、格差が拡大したり、環境が破壊されたり、人々がストレスにさいなまれたりすることがある。でも、GNHみたいに人間の多面的な幸福を重視する視点を持つと、経済と福祉や精神的豊かさをどう両立させるか、環境や文化をどう守るか、という問いが政策の中心に入ってくる。

もちろん、ブータンが小国で、特異な文化背景や地理条件を持っていることもあって、このモデルをそのまま他国に当てはめるのは難しいかもしれない。それに、ブータン自身もグローバル経済に巻き込まれたり、観光客が増えたりして、伝統的な暮らし方や価値観が揺らぐ中で、このGNHをどう守っていくかが課題になっている。ただ、それでも「幸福」を国の行動原則として明示的に掲げる国が存在することは、世界にとって一つの希望かもしれないよね。

他の国でも、幸福を政策目標に取り込もうとする動きは増えているし、国連は世界幸福度報告書を発表してGDPだけじゃない豊かさを示そうとしている。環境問題や社会的不平等、精神的な健康問題が深刻化する中、経済成長だけで人々が幸せにはならないってことを多くの人が感じ始めているんだ。GNHの理念は、そうした問題に挑むうえで、「もっと包括的な指標を用いてみよう」「もっと長期的・多面的に社会を設計しよう」ってメッセージを発しているんじゃないかな。

GNHは「こんな国もあるんだ」という発想を世界に広め、今まで当たり前だと思っていた経済中心の指標を見直すきっかけを与えてくれている。まるで「幸せって本当は何だろう?」って問い直すための呼び水のようなものだと思うんだ。私たちが暮らす国や社会でも、この考え方に触発されて、新しい指標や政策が生まれるかもしれないし、個人としても、経済的成功以外の価値をもっと重視する生き方が増えるかもしれない。

これでブータンのGNHについてはここまでだけど、ほかの国の幸福モデルや違った視点についても、いろいろ話していきたいな。もしこの内容が興味深かったら、次のブログも読んで欲しいな!

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