傀儡の夢。化石のような夜に。
「着脱式」 25 × 21 ㎝ 油絵具 / テンペラ乳剤混成 板 2017
(本作品はアイコ ンに使用している作品と同じ構図で描いた別ものです)
「ドウエル教授の首」という小説をご存知でしょうか? アレクサンドル・ベリャーエフというロシア人(当時はソビエト)作家の作品で、ボクはこれを中学の時に学校の図書室で見つけ読んだのです。いわゆるペーパーバックの類で同じ体裁のハイラインやアシモフ作品などと並べられていましたのでSFものとされていたのだと想います。調べてみたら創元社のシリーズだったらしいということが解りました。
マッドサイエンティストによって首だけになって生かされる高名な学者を中心とした物語で、現在ではSFホラーの古典扱いになっているようですが、個人的には単に荒唐無稽な冒険活劇ものという印象を受けたような気がします。
作家についても作品についても未知だったボクが手に取った理由はその装丁イラストに惹かれたから。それは暗い背景に小高い台座に乗せられた男性の首が描かれ、台座の底からは首と直結していると想われる沢山の管が繋がって出ている、というものでした。
もしかしたら時を経てボクの中でこのイラスト画像もデフォルメされた記憶となっているのかも知れませんが、少年の頃に受けたそのインパクトは今も強く残るのです。
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