哲学者は夢想するよろこびを知る?
「哲学者」
25 × 21 ㎝ 油絵具 / テンペラ乳剤混成 板 2017
詩的哲学者といわれるガストン・バシュラールの著作「空間の詩学」
(岩村行雄 訳 ちくま学芸文庫)を拾い読みしてみました。
人間をとりまくきわめて身近なさまざまな空間(特に小空間 )
~ 家、部屋、抽出、箱、戸棚、巣、貝殻、片隅 、などなどを”哲学” して
いるのです。
それらは単に形状の分析ではなくそこに存在する宇宙に想いを巡らせ・・・そして絵が空間に与える力をも考えさせられます( ただそれだけの単純な 話しではありませんが )。
さらには家(住まい)と子供の頃の記憶にも想いを馳せています。
身近な空間が与えてくれるイメージと、それを感じ取る意識の結合について考察されているということなのですが。
詩的で幾何学的でそして難解 ?
また ”夢想” を肯定的にとらえていて、その晩年ゆらめく「ろうそくの焔」をみながら 想い出に回帰し夢想の喜びに浮遊したそうです。