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【対談企画】映画監督 平林勇×SAMANSA代表 岩永祐一 -「ショート映画と未来」

今、ある子供番組が国内外で高い評価を得ています。
黄色くて丸いフォルムに柔らかい表情が特徴的なキャラクター...

そう、しまじろうです!

ただ「楽しませる」子供番組から、「子供を守る」番組としても進化をし続ける『しまじろうのわお!』は、アジアの有力メディア業界誌「ContentAsia」が主催するContentAsia Awards 2024にもノミネートされました。

番組を手がけるのは、映画監督でありCMディレクターとしてもご活躍される平林勇監督。
実はそんな平林監督にはもう一つの顔があります。

それは、ショート映画界のトップランナーとして走るクリエイター!
1年に1本は必ずショート映画を作り続けているという平林監督。

今回はそんな平林監督との不思議なご縁もあり、SAMANSAの代表である岩永と平林監督による対談が実現いたしました!

平林監督の作品づくりから、これからの「ショート映画」の未来について、熱く語っています!!
平林監督のnoteでもSAMANSAについて書かれているので、そちらも合わせてぜひご覧ください。

平林勇さん:

1972年静岡県島田市生まれ。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。株式会社ライトパブリシティでグラフィックデザイナーをやったのち、フリーランスのCMディレクターに。ナショナルクライアントを始め多数の企業のCMを演出。CMを演出するかたわら短編映画を制作し、カンヌ映画祭監督週間、ベルリン国際映画祭、ベネチア国際映画祭、ロカルノ国際映画祭、サンダンス映画祭などで上映される。『BABIN』が ロ カルノ国際映画祭で Special Mention 受賞。アニメーション作品『663114』が、ベルリン国際映画祭で Special Mention受賞、毎日映画コンクールで大藤信郎賞受賞。2024年現在、作った短編映画は23本。2019年、 初の長編映画『 Shell and Joint 』が完成。ロッテルダム国際映画祭、スラムダンス映画祭等で上映される。 2012年より、幼児教育番組『しまじろうのわお!』の演出を始める。『しまじろうのわお!』は、2019 年・2023年にアジアテレビ賞で最優秀賞を受賞したほか、国際エミー賞、バンフワールドメディアフェスティバル、日本賞にノミネートされた。2021年よりテレビニメ『湖池屋 SDGs 劇場サスとテナ』の企画演出。


◎ ショート映画とお笑いの化学反応?!

岩永:平林さんの作品を全部拝見しまして...本当に面白くて。一体、毎回どういう着想、きっかけで、どんなタイミングで制作されているんだろうって。

平林:毎年1本作るっていうのはずっとノルマでやっていて。
映画祭の締切が決まっているので、今年はカンヌ(国際映画祭)とか、今年はベルリン(国際映画祭)とか設定するんです。そこにゴールを設定して、近くにいる人に「映画やりませんか?」とか声をかけるみたいなパターンが今まで1番多かったです。
僕は基本的には、コマーシャルの世界で仕事をしているので、締め切りにほんっとうに強いんですよ(笑) 周りのスタッフも広告の人なので、もう締め切りさえ設定してしまえば絶対にそこまでに仕上がるんですよ。何がなんでもやるというか。

岩永:それはすごいですね。いつも同じチームで制作されているんですか?

平林:そうですね、ところどころ変遷を辿っていますけど、よく仕事をしている人たちと短編を作っていることが多いです。その時々によってメインの制作会社が移り変わっていくのでその方達と作るようになっていましたね。

岩永:堀部圭亮さんがいくつかの作品でご出演されていたと思うんですが、お二人は仲が良いんですか?

平林: そうですね、家が近くで。彼は元お笑いの人なんですけど、やっぱりお笑いの人ってセンスがいいんですよね。演技の勘もいいし、お笑いとアートって結構紙一重だったりするんですよ。僕はアート寄りの作品を作りたいので、そうするとお笑いの方ってよくわかってくれるんです。

岩永:そうですよね。僕もサービスをやっていて、お笑い芸人さんのコントとショート映画ってすごく相性がいいと思うんです。

平林:あれって表現が違うだけで、本質は同じだったりしますよね。

岩永:(SAMANSA)オリジナル作品をこれから作っていくんですけど、お笑い芸人さんと一緒にやりたいなってすごく思っていて。例えば北野武さんはやっぱりお笑いをやっているから「間」をすごくわかっていて、それを映画に活かしていていますよね。

平林:本当に。僕は北野武と松本人志と村上隆に幼少期から影響を受けて形作られていて…。

岩永:そうなんですか!?確かに平林さんの作品を拝見して、僕も興味関心のあることが多く描かれていたというか。実は僕自身もこのサービスを始める前は1年に1、2本作品を作り続けていこうと考えていたんですよ、1回止まっちゃうと動くのが億劫になると思っていて。
結局SAMANSAを始めてからは撮らなくなっちゃったんですけど…(笑)

平林:うーん、そうですよね。

岩永:継続性って大切ですよね。


◎『63114』から『aramaki』まで


岩永:平林さんは、作品によってテーマや表現が全然違うと感じたんですが、それはどうやって決められているんですか?

平林:そのときにすごい義憤があるときは、社会問題をテーマにしたものを作ります。あとは自分が本気で考えられることだけをやろうとは思っているんですよ。社会テーマを探してきてやるとなると、やっぱりその薄さがバレてしまうというか、もっと本気でこうあるべきだ!みたいなことがないと1つの踏み込んだ表現ができないですよね。責められた時に、すみません、みたいになってしまうので。自分が本気で考えられるテーマでやろうかなというのはあります。

岩永:ご自身の中で一番本気で考えて取り組んだ、もしくは表現しきった!という作品はありますか?

平林:『63114』という作品はあんまり後先考えずに作っちゃったところがあって、本当に衝動的に作ったというか。東日本大震災から1ヶ月後くらいに作り始めて、余震の中揺られながら作っていて。

岩永:本当にアニメーションと同じような状況で…

平林:そうなんです。あれは神社で奉納するみたいな感覚で。昔って大飢饉などの災いがあるとよく巻物とかが奉納されていたじゃないですか。同じようにその時代に生きてた人が、こう感じたみたいなものを記録として残さなきゃ駄目だな、なんて思ったんですね。


岩永:映像もですけど、特ににこだわられているんじゃないかと感じて。力を入れているポイントはあるんですか?

平林:渡邉崇さんというずっと一緒にやっているアーティスト、作曲家がいて。あえて編集の段階で彼が動ける余地を残しているんです。完全に編集を終わらせないで8割ぐらいで渡しちゃうみたいな(笑)
「 あとここ抜けてるところを完成させていきたいな」っていう、そういうやり方でやってるかな。渡邉さんも意気込みがとても強いから、アートとして作るというか。劇伴じゃないですよね。もう作品の一部になっていくという。

岩永:それが成果物としてめちゃくちゃ伝わってきますよね。
あと個人的にとても聞きたかったのが、『aramaki』はどういうきっかけでできたんですか?

平林: あれはですね、僕は生き物が大好きなんですけれども、生き物に食われて死ぬのが本望なんです。どこかで野垂れ死んで野犬とかに食い散らされて、蛆虫が湧いて死んでいくみたいな。

岩永:星野道夫みたいな。

平林:本当にそうですね、何だかそういう生き方っていいなと思って作った作品です。

岩永:物語の内容から結末まではどうやって考えていたんですか?

平林:一番最初の元は、人がラーメンを注文して食べ終わるまでのワンカットを淡々と撮る作品はどうかなと思っていたんです。でもラーメンを食べるところってアートというか現代美術にはなるけど、レベルが高すぎてあんまり引きつけられないかなって感じて。そこで出てきたのが死生観。やっぱり「死」って全員に必ず訪れるものなので、ちょっとずるいんですけど「死」をテーマに入れると絶対に人が興味を持ってくれるんですね。ラーメンは食べない人もいるけど、死は誰しもがいつか到達するものだから。それをワンカットで撮ろう。それでどうせ死ぬなら生き物に食われて死にたいなぁって。

◎ CMとショート映画のバランス

岩永:岡本太郎さんについての映画『太陽の塔』を撮られた関根光才さんのイベントでも質問したんですが、CMディレクターって結構クライアントワークじゃないですか。自分の作りたいものを作るっていう一方で、何かこういった成果を持った作品を作られていて、どうやってバランスを取っているのか、どういうふうにCMを作ること自体考えていらっしゃるんですか?

平林:CMと映画って同じ映像なんですけど全く使ってる脳は別の場所を使って作っているんですね。
関根さんも合理的な考え方の人だから、映画だけをやってたら食っていけないなと思ってCMでちゃんとお金稼いで、映画も作るみたいなスタンスだと思うんですよね。
合理的な考えだけをしちゃうとやっぱりクライアントワークの方にいっちゃいますよね。熱い思いで「俺は映画しかない」っていう人は映画に行っちゃうみたいな。そこに人生観の違いみたいなところはある気がしますね。

岩永:結構人によってわかれますよね。もう映画しかやりたくないから映画以外はもうバイトみたいな人がいるし、常に24時間映像を作っていたりっていう人と。

平林:僕がCMとか短編を行ったり来たりして、たまにガチの映画監督と話をすると、魂を売ってますね、何やってるんですか、って言われるんです。その時は話が通じないなって思うんですけど(笑)

岩永:でも僕の友人も昔はそうでした。僕たち大学生の頃一緒に住んでいたんですけど、当時はCMを作るのは魂を売ることだ、って。ただ彼は今めちゃくちゃCM を作っていますけど(笑)

平林:あとは、そういう 戦略思考というか、例えばここの映画祭で決めるぞって締め切りも決めて、 ここに選ばれたいって思ったら、ちゃんとそこの映画祭ってどういうものが上映されてるのかをみて...

岩永:傾向と対策ですね

平林:そうなんです!僕すごいそれを責められて(笑)そういう映画祭にあったいい作品を作れば報われるみたいな、そういう話を軽く言われるんですけど…。
いや傾向と対策って何か5:5だと思ってるかもしれませんが、実は傾向1で対策9なんですよ。
韓国の監督たちってみんなガチでやってるんです。傾向と対策ガチで考えてやってカンヌに行くみたいな。
でも日本は作品主義というか、 クリエイティブの神様お願い!みたいな。 魂売っていません! 傾向も掴んでません!っていう(笑) 潔白をアピールして、あとは神が選んでくれるみたいな感じがすごい日本の人は強い気がするんですよね。僕はそういうのもう全然いいかなっていう感じですね。

◎ ショート映画は世界へのアクセスルートが多い

岩永:ショート映画って映画祭に出してそこで終わりというのが多いじゃないですか。

平林:あります、あります。そうなんですよね。

岩永:それでSAMANSAを始めたというのもあるんですけど。そういった状況の中で何本も制作してきたモチベーションやゴールはどこにあるんでしょうか?
 
平林:もう短編を作り始めてから20年以上になるんですが、初めはアマチュアでも手が届く世界というか。本当に地区大会を勝ち抜いていくというか、勝ち抜いていかなくても、いきなり本戦にバーンってエントリーできるっていうところがあって、そこがすごく魅力的だったんですね。

例えばカンヌ、ベルリン、ヴェネチアの三大映画祭は長編であれば3年から5年に1回しか登れないけど、短編であれば毎年チャンスがある。そういう、世界へのアクセスのルートが豊富なところにワクワクしていました。ちょっと前までは1年に3本くらい短編を作って、全部映画祭に出していたんです。

岩永:短編が映画祭に出して終わってしまう状況についてはどうお考えですか?

平林: 作り始めた頃は短編映画を評価されて、じゃあ次は長編映画だなっていうのがあったんですよね。でも やっぱりいろいろ調べて、映画業界に参入するとなると貧乏だと思うんですね。単純計算でこれはやばいぞって思ったんですよ(笑)
貧乏にならないなら参入したかったんですけど。
例えばそれなりに名のある人が長編映画やっても1本に200万とか300万とかしか得られない。1年3本作ってそれを20年続けてる人って多分1人もいないと思うんです。しかも3本作ったところで600万。これはちょっと無理だ、と。

映画祭に参加するということもものすごく楽しかったので、短編で成功をつかむっていうよりも、人生を充実させる、豊かにさせるものとして、作っていますね。

だから 映画祭を目指して作品を作って、決まったら、もうみんなで ワーッて旅行みたく、映画祭に行くみたいな。今一番そこが落ち着いている答えというか、いいとこかなっていう気はしていますね。短編映画をマネタイズするのは絶対にできない気がするので。

それこそ1本100万円で買ってくれるとしたら、バンバン作る人いると思うんですよね 。でも、きっとそんなことはないから作り手側の限界が来てしまう…。

◎ ショート映画の未来

岩永僕は、今の時代みんなどんどん短いものが人気の中心になっているので、ショート映画にも可能性はあるんじゃないかと思っているんです。
僕の曾祖父は地元で映画の配給と映画館をやっていたんですけどテレビが出てから倒産しちゃったんです。
だから時代の流れで絶対あると思ってて、今まで1日の3、4時間を使って長編を映画館で見るっていうことが当たり前だったけど、それが今以上にどんどん少なくなっていった時に、ショート映画には色々な可能性があるんじゃないかと。

例えば、映画館じゃなくてももう少しカジュアルに入った中で、短編が観られるみたいなものとか。それこそ、長編映画のパイロット版、原作ものとしてのショート映画だったり、ショートからアニメが生まれたりすることもあるんじゃないかと。

実際には未来がどうなるかわからないですけど、今ってどっちにこれが転ぶんだろうっていう時代にいるんじゃないかと思うんですよね。

SAMANSAを始める前に僕が見てた海外のショートの大小なサイトもなかなか玉石混合なんです。アート寄りのものが多くて、一般の人が見ても何だかよくわからないって離れていく人が多いかなと思ったので、ちょっとわかりやすいものを集めたSAMANSAを始めたという感じなんですけど。

平林:今、僕の子供が高3と中2なんですけどテレビを一切見なくて、もう全部ネット。YouTubeとかTikTokしか方法がない状態で、そういう世代が物語に接するのはまだ映画とドラマみたくなっちゃってて 、だから短編ってまだその世代に接触できてない気がするんです。

だから、もしかしたらそこに接触したら、 いきなりすごく伸びていくのかもしれないと思いますよね。

岩永:実は 「ショート映画」は僕が勝手に名付けたんですけど、やっぱり「短編映画」っていう言葉がちょっとニッチだなって感じていたので。

平林:確かに!

岩永:そこを何か新しいワードで新しいものにしたいなっていうのは結構あったんですよね。

僕らはスタートアップとして資金調達をしてやってるんですけど、結構この人は映画すごい好きだから相談乗ってくれるよとかご紹介をいただくんですが、映画が好きな人ほど、ショートでマネタイズできるわけないじゃんっていう感じで。

割と映画を知らない人のところに行くと、「そういうジャンルがあるのか!面白そうだね、これからでも流行りそうだね」とはなるんですよね。
今まで映画のど真ん中にいらっしゃった方からすると、今までいろいろそういう動きあったけど、 成功してないよっていうのがやっぱずっとあったんですよね。

平林:日本は特にひどいというか、日本アカデミー賞では短編部門がないし、東京国際映画祭でも短編部門がない。まさに「短編不毛の地」というか、この二つに両方ないっていうのは結構大問題な気がしますね。

岩永: 国内外の映画祭の違いでいうと、この点以外は全体的にどう思われていますか?

平林:それこそ三大映画祭はじめ、普通は短編部門があるんですね。
短編って俳句のようなもので、全く別物じゃないですか。俳句を上手い人が俳句で賞を取ったから小説を書こうとはならない。

日本では習作というか、若い人が勉強のために短編を撮るみたいな意識があるので、そういう点はやっぱり違いますね。ベルリン国際映画祭では、それこそパク・チャヌクが短編を出して金熊賞とか取っちゃうんですよ。日本人からするとおいおいと思う人もいるんですけど、「ガチ」で勝負されていてそこがすごいんですよね。短編映画って若者のものだけじゃないというか。
それこそアカデミー賞短編部門ではウェス・アンダーソンが受賞していたり。やっぱり短編映画というジャンルが確立されている。

岩永:作品を国内外で買い付けしていてもすごく感じますね。あと僕はアメリカの映画学校を出たんですけど、向こうだと卒業制作で短編をつくるんですよね。日本だと卒業制作は長編が多いのでそれが違うなと思って。

平林:確かにそれはありますね。日本の登竜門はぴあ(PIFF)になるのでやっぱりどこかで長編じゃないといけないみたいな。

岩永:そうするとどうしても家の中の話になっちゃうっていう(笑)

平林:誰かの家の中にね、なっちゃうんだよね(笑)

◎ 「TRIPLEX」について


TRIPLEXは、ショート映画サブスクリプションサービスのSAMANSA、クリエイションにフォーカスしたクラウドファンディングプラットフォームのMOTION GALLERY、そして下北沢の映画館K2が協力して立ち上げた新しい取り組み。
このプロジェクトでは、25分以内のショート映画の脚本または企画を一般に募集します。応募された中から選ばれた企画については、MOTION GALLERYのクラウドファンディングを活用しファンや資金を募ります。さらに、プリプロダクションからポストプロダクションまで並走し、作品完成までをSAMANSAが最大1,000万円まで追加の資金援助も含め全面サポートします。完成した作品については、下北沢の映画館K2で劇場上映され、その後SAMANSAで1年間配信されます。また、企画によっては長編化企画としてもサポートしていきます。(すでに企画募集は終了しております。)

平林:うまくいくといいですよね、SSFFのように短編大集合というか、もっと短編界が1個まとまってもいいのかなとは思うんですよね。みなさん散発的にチャレンジして行かれる方が多いんですが、もう少しまとまって大きなエネルギーになるのかな、でもみなさんクセが強いからどうかな(笑)

岩永:実は1ヶ月前くらいに別所哲也さんとお話をしまして。僕がショート映画を観るきっかけになったのはみなとみらいにあったショートショートシアターだったんですよ。大学生の時に年間パスを持っていたくらい通っていて。

平林:おお!ブリリアの。

岩永:そうです。そのときに観ていた作品がSAMANSAにもあったりするんですよ。なのでタイミングを見つけて、いつかご一緒に何かできたら嬉しいですね。

平林:別所さんと同郷なんですよ。とてもよくしてもらっていて。日本アカデミー賞や東京国際映画祭に短編部門を(つくろう)という目的で連携するのはどうでしょう?

そういう議論をして、それをいろんな短編の団体で繋がっていく。その運動体が見えると、 短編映画ってあるんだ!ってなるじゃないですか。連盟で東京映画祭に売り込むとかね。

岩永:それいいですね!平林さんがリーダーになって…

平林:僕リーダーになりますよ!(笑)

岩永:いいんですか!?

平林:短編界が盛り上がったら、僕の格が上がるんですよ(笑)

岩永:もうトップですもんね。みんなで協力してやりましょう。

平林:トップなのかな(笑)
でも最近札幌国際映画祭の方たちも志が高いので、こういったところにアクセスするのもいいかもしれないですね。

岩永:ちょうど去年からSAMANSAとしても札幌映画祭に参加させていただいていて、すごくいい機会ですよね。

平林:今ってそういう活動がとてもやりやすい気がするんです。最近長編映画の弊害みたいなものが来ているじゃないですか。ハラスメントや表現とか、古い世界みたいなところがあると思うんですけど。そことなんか対比させていければなって。

岩永:ちょっと動きそうですね。

平林:東京国際映画祭ってガッツリ国のお金が絡んでいるので絶対言っていいはずなんですよ。 この記事別所さんに届くといいですね。

岩永:直接別所さんにご連絡してお送りします(笑)

◎ SAMANSAの今後

平林:このサービスはやっていけそうですか?

岩永:ぎりぎりやっていけます。

平林:それはすごいな。

岩永:やっぱり今の若い人中心に、ショートを見てくれる人が多かったり、ちょっと月額料金とかはもうちょっと上げていく必要があるかもしれないですけど、グローバルでもちょっと展開していけそうなので、サービスとしてはいけそうかなという。

平林:短編で一番足りてないのが評論家がいないことですね。評論家がいる世界って一般的にすごく根が伸びてくるんですけど、いない世界って その枠の中で終わってしまうんですね。なので短編において評論家を育てるっていうのはすごく大事かなと思います。短編映画の評論の何かコンテストとかそういうのがあっても面白いですね。
今はnoteとか文章書くのが好きな人がいるので、noteと一緒に何かやってもいいんじゃないですか? noteとコラボをしてSAMANSAさんで配信してる作品を選んで書いてもらって、映画の評論大賞を選ぶみたいな。

岩永:確かに、すごくいいですね。

平林:今は 誰1人いないですよね。本当に短編って言ったらもうあの人に聞いてみようって人が1人もいないから。そこに100万円くらい注ぎ込んで1万人を集めましょう(笑)

岩永:やりますか!ちなみに 評論大賞って他のジャンルとかでもあるんですか?

平林:アートの世界では結構あります。アートの作品って 評論家とキュレーターが一体だったりするので、ちゃんと評論できる人が例えばアート展覧会のディレクターとかになったりするんですよね。そういう何か出世の道がアートにはあるんです。
だからたとえば賞金とキュレーションできますよみたいな。
評論大賞受賞者が選んだ5冊ですとかそういうプレイリストを作るとか。

岩永:めちゃくちゃいいですね。さすがCMディレクターだ(笑)

平林: 今って作品を自分では作らないけど、アートが好きな人って、実はめっちゃ多いんです。だからそういう人たちの力を借りるのはいいかもしれませんね。

あとは、完全にブルーオーシャンだから恥ずかしげなくいけるっていうか、長編だとやっぱ怖いじゃないですか。先輩方もいっぱいいて。
なので、評論家も増えて欲しいし、あと短編を語るYouTuber!
それもちろん自社でやってもいいけど、それこそミラー・ライヤーさんとか、ショートショートさんにもメリットがあると思うので。

岩永:いいですね。SAMANSAもやっぱり作り手側からの応援とか、理念として作り手のためにっていうのはすごく思っているので。
平林さんみたいな方が応援していただけるとするとすごく心強いなと。
もちろんその映画を作ってる側で、平林さんの作品や発信を見てる方も多いと思うので、そういうところにうまく届いていくといいなと思います。

いつの間にか対談より、打ち合わせとしていいアイデアがたくさんでまして...(笑)
本日は本当にありがとうございました!

平林:ありがとうございました!

ショート映画、日本の映画界の未来がこれからどんな変化を迎えるのか、とてもワクワクするようなお話しでした。ショート映画界にまた更なる奇跡が起きそうですね!

平林監督、ありがとうございました!


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