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滞在日誌 2023/2/22-23(10-11日目)

具体的な創作が進み始めた前回に引き続き、パフォーマンスの構成や場面ごとの内容を詰める作業が続きます。この2日間が、2月最後の滞在となりました。

2/22 (10日目)

鑑賞教室を見学

額田大志さんと本藤美咲さんは、この日実施された鑑賞教室を見学しました。美術鑑賞教室とは、世田谷区内の小学生が美術館を訪れ、美術館のボランティアである「鑑賞リーダー」による案内のもと、開催中の展覧会や美術館の内外を巡るというもの。世田谷区内の小学生は4年生になると、授業の一環として全員がこの体験をすることになっているそうです。世田谷美術館では開館当初(1986年)から行われている取り組みで、世田谷区出身の額田さんも小学生の時に経験した鑑賞教室のことを覚えているそうです。
※鑑賞リーダーによる案内は1997年より始まりました。

鑑賞教室に参加していた小学生が時を経て、滞在アーティストとして世田谷美術館でパフォーマンス作品を創作しているということには、世田谷美術館が時間をかけて丁寧に積み上げてきたものの凄さを実感します。

鑑賞リーダー1人につき6-7人の小学生のグループに分かれ、展覧会や美術館の内外を移動していきます。回るルートや説明する内容などはそれぞれの鑑賞リーダーに任されているそうです。

額田さん・本藤さんはこの様子を見学して、3月5日に行うパフォーマンスのヒントをたくさん貰えたようです。

鑑賞教室の様子
外にある作品も鑑賞していました

各場面や流れを作っていく

2人のアーティストには、鑑賞教室見学が終わった瞬間から、様々なアイディアが湧いてきていました。その勢いにのるように、前回の滞在で出来上がっていたパフォーマンスを少しずつブラッシュアップし、それらをどう繋げることができるのかを話し合っていきます。

講堂で方針やアイディアをまとめてから、実際にパフォーマンスをする場所へ移動し、試す、なんとなく段取りが固まったら、また講堂へ戻る、ということを繰り返していきます。

1階エントランス・ホールにて。実際にパフォーマンスを行う場所で動きながら、アイディアを出し合っていきます

2/23 (11日目)

引き続きパフォーマンスを作っていく

この日は額田さん一人で、パフォーマンスの内容を詰めていきます。全体像が少しずつ見えてくることで、場面どうしのバランスや、全体の流れの中でどのような経験を立ち上げることができるのか、パズルのピースを一つずつはめて行くように少しずつ進んでいきます。

ある場面を試す額田さん

両日ともオープンデーを開催

今回の滞在2日間では、両日とも14:00-17:00の間オープンデーとして活動の様子を公開しました。見学にいらっしゃった方々には創作の様子を見ていただきつつ、アイディアを一緒にその場で試していただいた一幕も。このようにパフォーマンスの構成が確定する前の、創作の始まりの時期のコツコツと(地味に?!)、実験を重ねながらパフォーマンスを作っている過程を公開する機会は、なかなか珍しいと思います。入退場自由のゆるやかなオープンデーを開催したことで、別の目的で美術館を訪れていて、このプロジェクトについてまだご存知でない方にも多く出会うことができました。

ご参加・ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました
館内外を一緒に移動していきます

3月5日の滞在報告会(トーク)は予約受付中です

「Performance Residence in Museum 2022-23」のまとめとして、3月5日に行うパフォーマンスと滞在報告会(トーク)の詳細、お申し込みはこちらからご覧いただけます(https://note.com/sam_anj_air/n/n701e872f2dba?magazine_key=mcc57f80b394b)。

パフォーマンスの参加予約は定員に達したため、申し込みを締め切っておりますが、滞在報告会(トーク)についてはご予約を受付中です。

●滞在報告会(トーク)
日時|2023年3月5日(日) 16:00-17:00(予定)
   ※開場は開始の15分前        
場所|世田谷美術館講堂ほか
登壇者|額田大志(滞在アーティスト)
    吉田絵美(主担当学芸員/世田谷美術館)
    米原晶子(プログラムディレクター/NPO法人アートネットワーク・ジャパン)
定員|70名
参加費|無料

【申込方法】
以下のフォームからお申し込みください。
滞在報告会(トーク)のみ: https://ws.formzu.net/dist/S91343259/

※予約優先(先着順・空きがあれば当日参加可)
※複数人で参加の場合も、お一人ずつフォームよりお申し込みください。
※定員に達し次第、締め切ります。

パフォーマンスを見るだけでは分からない、滞在全体を通して感じたことや考えたことなどを、額田さんやスタッフがじっくりと語る機会になる予定です。
皆様のご来場をお待ちしております。

次回の滞在は3月1〜3日。いよいよ滞在も、残すところあとわずかです。
更新をお楽しみに!

テキスト:武田侑子(NPO法人アートネットワーク・ジャパン)


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