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滞在日誌 2023/2/8-9(8-9日目)

前回から約1ヶ月が経った2月8日(水)より、2月の滞在がスタートしました。額田大志さんによるこれまでのリサーチや様々な人との交流を経て、実際にパフォーマンスを創作する段階に入っていきました。

2/8 (8日目)

写真撮影

この日は、活動の様子を何日か記録してくれるカメラマンの加藤甫さんが来てくれました。額田さんから美術館の中でお気に入りの場所などを紹介してもらいながら、まずはポートレートを撮影。どんな写真になっているか楽しみです。

加藤さんには引き続き、滞在の様子やパフォーマンスの写真撮影もしていただく予定です。

世田美チャンネル インタビュー撮影

その後は、世田谷美術館公式YouTubeの「世田美チャンネル」にて公開する動画を撮影しました。額田さんからのコメントや、プログラムディレクター米原、吉田学芸員からの思いなど、このプログラムのことを改めてご紹介する動画となりました。公開された際にはこのnoteでもお知らせします。

収録後の3人(左から米原晶子、額田大志、吉田絵美)。公開をお楽しみに!

パフォーマンスの「種」

翌日から、3月5日のパフォーマンスに出演するサックス奏者の本藤美咲さんが合流するため、額田さんは2人の間で創作を始めるきっかけとなるように、シーンの断片のような短いテキストを書き出していました。これまで額田さんの頭の中だけにイメージとしてあったものが、文字を通してアウトプットされ、その瞬間からそれらがアーティストだけのものではなく、スタッフや出演者も含めた全員のものになっていきます。具体的な場所や実現したいことが現れてきたことで、私たちもパフォーマンスのイメージがグッと湧いてきました。この手がかりをもとに、ここからパフォーマンスを形作っていきます。

2/9 (9日目)

本藤美咲さん、合流!

3月5日に行うパフォーマンスに出演する本藤美咲さんが本日より合流です。バリトンサックスを背負って、世田谷美術館に来てくださいました。バリトンサックスは8kgくらい、ケースも入れると12〜3kgあるとのこと。これをほぼ毎日背負って、あらゆる場所へ演奏をしに行っているなんて…腰と肩が大変心配です。
手始めに、パフォーマンスの中でどうやって楽器を使えそうかなど、具体的なイメージを湧かせながら美術館を丁寧にめぐりました。その後は砧公園にも出かけ、ボーダーレスというテーマについて改めて考えたり、お客さんにどんな体験をしてもらうのが良いかなど、イメージを膨らませながら歩いてみました。

世田谷美術館が初めてという本藤さん(左から2人目)。世田谷美術館の塚田学芸員(左から1人目)も一緒に、美術館の模型を見ながら、どんな場所で何ができそうか、アイディアを練っていきます
次の展覧会の準備に入る直前の展示室も見せていただきました

音を出してみる

一通り場所の雰囲気がつかめたあとは、前日に額田さんが仕上げたパフォーマンスの「種」たちをもとに、実際の場所で音を出してみます。額田さんはピアニカと、本藤さんはバリトンサックスと共に美術館内外の気になっている場所へ繰り出しました。まずは音を出してみる、というところから、額田さんの提案やそれに応じる本藤さんのアイディアを織り交ぜ混ぜて何回か試していくと、ただの”試し”だったものが、どことなく”パフォーマンス”や”音楽”と呼べるような時間・空間・音として立ち上がっていきます。それぞれの場所で、ラフスケッチのようなものを書き溜めていくような感覚です。

音の響き方を確認します

交互に即興演奏をしてみたり、建物の外と中で楽器が出す音の聞こえ方を試してみたり、全部で10以上あった種たちを順番に試していくだけで、この日はあっという間に日が暮れてしまいました。

世田谷美術館と音の関係を探りながら、パフォーマンスが少しずつその輪郭を現し始めました。美術館や公園の音に耳を傾け続けてきた額田さんが、そこにどんな音を重ねることができるのか、そこにあると気付かれていなかった音をどうすれば聞いてもらうことができるのか、ということに挑戦していきます。

次回の滞在ではオープンデーを開催

次回の滞在は2月22日(水)、23日(木・祝)です。
この日はオープンデーとして、滞在中のアーティストの活動を公開します。合わせて、これまでの滞在の記録などもご覧いただけます。ぜひ、ふらりと来てみてください。
詳細はこちら。

日時|2023年2月22日(水) 14:00〜17:00
   2023年2月23日(木・祝) 14:00〜17:00
場所|世田谷美術館講堂(予定)
申し込み不要(出入り自由・どなたでもご参加いただけます )

オープンデー開催日は、下記の展覧会も開催中です。ぜひ一緒にお楽しみください。
世田谷美術館コレクション選 わたしたちは生きている!セタビの森の動物たち
2023年2月18日(土)~4月9日(日)
  
ミュージアム コレクションⅢ それぞれのふたり 萩原朔美と榎本了壱
2022年12月3日(土)~ 4月9日(日)


これまでインプットがメインだったこの滞在も、パフォーマンスと滞在報告会(トーク)へむけて本格的に動き出しています。

3月5日に行うパフォーマンスと滞在報告会(トーク)の詳細はこちら
滞在報告会(トーク)のみ参加予約受付中です。(※2/17現在)

次回の更新をお楽しみに!

テキスト:武田侑子(NPO法人アートネットワーク・ジャパン)

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