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元気をもらったあの食事

我慢の後の納豆巻き


納豆巻きを食べると入院していた時のことを思い出します。
私が小学3年生の頃です。手術のため母の付き添いのもと東京の病院に入院していました。手術の2週間くらい前になると1日に2回ほど採血されました。太い針で結構な量の血液を採られるわけです。とても辛かったですが母に励まされながら毎日乗り切っていました。
そんなある日のことです。お昼前の採血を終えて、昼食が運ばれて来るのを待っていました。しかし、待てど暮らせど、ご飯がやって来ないのです。血を抜かれて、もうお腹はペコペコ。必死に耐えて待っていると看護師の人がやってきました。そして「検査の結果をより正確に出したいので、いつもの時間より30 分程我慢してほしい」と私に言ったのです。
当日、手術前ということもあり1日に色々な検査を受けていました。今思えば「まぁ…仕方ないよな」で済みますが、小学3年生がその事実をすんなりと受け入れられる訳もなく、涙目になってしまったことを今でもはっきりと覚えています。そして、この時はまさか病院側の手違いで昼食が運ばれて来ないなんて思いもしませんでした。そう、30分以上待ってもご飯は出てこなかったのです。
しばらくして、看護師さんが謝罪にやってきました。しかし、謝罪されただけでお腹が膨れるのならば苦労はしません。どうしょうもなくなり途方に暮れていると、母親が病院内の売店で納豆巻きを買ってきてくれました。
納豆巻きを食べるのは、この時が始めてだったので、食べられるかどうか不安でしたが、とても美味しかったです。全身に栄養が染みわたるあの感覚は忘れられません!
空腹で今にも倒れてしまいそうだった私に元気を届けてくれました。
もしかしたら手術を無事に乗り切れたのも、あの納豆巻きのお陰かもしれません。
最後に、あの時の私に元気をくれた納豆巻きとそれを選んで買ってきてくれた母へ…本当にありがとうm(_ _)m
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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