「老子のリーダーシップ=存在感のないリーダーが最強な理由」
自分はリーダーに向いていないと悩む人は多いです。とくに部下が年下だと毎日が辛くなる人もいます。
老子の思想、特に『道徳経』は、リーダーシップについての深い洞察を私たちに教えてくれます。老子は、「水のように自然な存在」が理想的なリーダーだと説いています。水は常に低い場所に流れ、柔軟に形を変えながらも、ゆるぎない力で岩をも削る。そんな水のように、リーダーも無理に流れに逆らわず、人々を良い方向に導くのが理想なのです。
このリーダーシップスタイルは、決して「丸投げ」ではありません。むしろ、現代で言うサーバントリーダーシップに通じる考えです。リーダーが前に出て指示を飛ばすのではなく、部下が自ら考え、行動する環境を整えるのです。功績は部下のものにし、責任はリーダーが取る。これにより、部下には達成感が生まれ、組織全体が活気づきます。
例えば、高度経済成長期の「支配型リーダー」のイメージとは対極にあります。当時は上司が命令を出し、部下がそれに従うという構図が一般的でした。しかし、老子が説くリーダーは、「部下に華を持たせる」ことで、組織全体の発展を目指します。これは、リーダーが目立たないため、第3者から見るとリーダーだとは気付かれないかもしれません。しかし、その背後には、確かな指導力と道徳性があります。
軍隊でも、最近ではこの「サーバントリーダーシップ」が採用されています。部隊全体の士気を高め、道徳的な行動を促すために、リーダーが率先して行動することが求められます。ここでのポイントは、リーダーが「指導者」としてではなく「召使」として組織を支えることにあります。
もし、あなたが「自分にはリーダーシップがない」「人に命令するのは苦手」と感じているなら、大丈夫です。まずは、自分の仕事に集中し、仲間と助け合う習慣を身につけてください。あなたが道徳的に正しい行動を続ければ、自然と周囲があなたをリーダーとして認めるようになるでしょう。老子が示すように、最高のリーダーとは、存在感を感じさせない、しかし確かな影響力を持つ者なのです。
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