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40歳でも彼氏ができた女(6):わたしが夢みていた彼氏との関係。
待ちに待ったMさんとの温泉旅行。
この旅で改めて、Mさんの居心地バツグンすぎると感じた。
わたしの2つのコンプレックスを、どちらも屁でもないというふうで、気にも留めない様子だったからだ。
わたしにとっては屁すぎるのに。
1つ目。
ご存知のとおり、わたしはお腹が弱い。
つまり、うんぴょがあんまり我慢できない。
婚活ストレスでよく下していた症状はほぼ改善したけれど、これはもう筋力の衰えとしか思えない。
初日、覚悟していたけれど、けっこうな渋滞だった。
渋滞が永遠に続いている様子が見えたから、高速を出て回避しようということになった。
ちょうどその時だった。
うんぴょしたくなってきた。
まずい。まずすぎる。
外の景色を見て気を紛らわそうとした。
青い空を眺めてみるものの、ここでこのまま漏らすか、路肩に降りて全世界公開で出すか、どちらにしてもMさんとはもう別れるしかない。
どうして肝心な時にいつもうんぴょしたくなるんだ。
わたしのばか。わたしの腹のばか。
もう最強な腸を持って生まれ直したい。
幸せな2ヶ月間だったなーと、走馬灯のように思い出がよぎった。
高速を出るにしても、出口はそこに見えているのに、車はうんともすんとも動かない。
「緊急事態です。お腹が騒いでいます。」
わたしは勇気を出して告白した。
走馬灯がよぎるわたしは、一体どんな表情をしていただろうか。
そして、Mさんの顔を恐る恐る見てみると、
ニコニコと笑っていた。
助手席に可愛い真っ白なワンピースを着て座る彼女が、うんぴょしたいとか言い出しちゃったんだぞ。
なんだこの仏。
やっと高速を降り、すぐのところに大きな薬局を見つけた。
とにかくそこへ行こうということになり、手前で信号待ちをしていた。
が、しかしだ。
その信号を右折しなきゃいけなくて、1回の青信号で3台しか進めない。
「今この信号がとんでもなく長いと感じてるでしょ?」
と楽しんでいるMさん。
わたしはもうお尻の穴に全集中の呼吸。
3台しか行けないところを、ギリギリ4台滑り込ませてくれて、わたしは無事トイレに辿り着き、Mさんと別れずに済んだ。
その日の夜、切羽詰まっているぱいなっぷる子はおもしろかったよと笑い話にしてくれた。
うんぴょに行きたいと彼氏に言うことは、わたし的にはハードルが高かったのだけど、もうこの先は安心である。
2つ目。
わたしは大汗かきだ。
太っているからっていうのもあるのかもしれないけれど、まだ太っていなかった子供の頃からそうだったし、家族を見るとわたしよりも汗かいてるから、たぶんこれは遺伝なのだ。
この前、親戚のおばちゃんと散歩をしたら、わたしよりもだいぶ早く大汗かいてたから、やっぱり遺伝。
とはいえ、男性は女性より汗かきだから、今まで自分より汗をかかない人と付き合ったことはなくて、あまり気まずい思いはしてこなかった。
なのにMさん、びっくりするくらい汗をかかない。
付き合い始めたのはGW頃だったから、すでにその頃からジメジメしていた。
ジメジメは汗かきには大敵だから、当初からデートのたびに、今日は汗かかないといいなと思いながらヒヤヒヤしていた。
それなのに、日に日に暑くなった。
今年はすでに猛暑でまずい。
もちろん汗を止めることなんてできず、早々にわたしの汗かきはバレた。
汗ばっかかいてる彼女イヤだよなあと思って、最近わたしは不安だった。
嫌われないかなあと。
ところがこれに関しても、Mさんは楽しそうにしているのだからどうかしてる。
自分はちっとも暑くないのに、暑いと言うわたしが面白いらしい。
一緒に住む時に、クーラーの温度で喧嘩になるってよくある話だけど大丈夫かな?と言うわたしに、寒い方が着ればいいから大丈夫だよと言って、クーラーの温度もわたしに合わせてくれる。
カミ。
この旅でもジメジメすぎて元気に汗をかいたけれど、見えてないかのように何も気になっていないようだったし、ハンディファン持ってきてくれたし、車内のエアコンもわたしに操作権を与えてくれた。
もうわたし、Mさんの前では何も気にしなくていい。
ずっと夢みていた、そのままのわたしを受け入れてくれる人だ。
この旅の途中Mさんが、
「僕があまりにも汗をかかないから、逆に代謝悪いんじゃないかと思って心配になってきた」と言い出した。
わたしは「大丈夫だよ」と言いながらものすごく恥ずかしくなって、
(いや、わたしが汗かきすぎているだけで、あなたは正常だよ)と心の中で言っておいた。
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