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41歳、同棲を始めた女(4):婚約届を出した話。

「婚約届」というものを提出することになった。

まだわたしたち、婚約してないんだけど。

どういうことかというと、引越すことになったから。

もともとわたしたちは1月半ばくらいに引越したいなと考えていて、ぼちぼち内見を、という感じだった。
最近、新着情報を見つけては代理店に問い合わせてみたけれど、いくつか問い合わせてみてもどれもすぐ埋まってしまっているような状況だった。
どうやらわたしたちが部屋を探している地域は激戦区ですよと言われ、人気の部屋は内見をしないで決めてしまう人もいるらしい。

妥協すればいくつか良さげな部屋もあったけれど、お金がすごくないというわけではないし(すごくあるわけでもない)テンションが上がる部屋に引越したいよね、という意見が合致して、当初の予算をかなり上げて探すことにした。

まぁそれが妥当だったようで、住みたい部屋が2つ見つかった。

1つはわたしが気に入った部屋、もう一つはMさんがすごく気に入った部屋。

そして先に、わたしが気に入った部屋を見に行くことになった。
予算的にも、キッチンが広い点も、周りの環境的にも、わたしはその部屋の方がだいぶ気に入っていた。
Mさんはとりあえず見る、くらいのテンションだった。

実際に内見してみたその部屋は、思っていた以上にすごく素敵で、Mさんもテンションが上がっていた。

そしたらなんと、この部屋に入居したいなら、1週間後に必ず書類を整えて、20日後から契約開始(=家賃発生)になるらしい。

ちなみに悪徳不動産会社とかではないのでご安心を。

そんな急な話、優柔不断なわたしと、変化が苦手で腰が重いMさんに突きつけないでくれ。

わたしたちは2時間だけ待ってもらいたいという旨を、青ざめながら伝えた。

ヨロヨロとカフェへ移動して、まだ家族じゃないけど家族会議。

あの部屋はとても気に入ったけれど、Mさんが気に入った部屋も見てみたい。
でも実は、Mさんの気に入った部屋はすでに仮契約している人がいて、その人が1ヶ月後に内見をして、キャンセルをしたらわたしたちが内見できる、という状況だったのだ。
Mさんの気に入った部屋が先約の人に契約されてしまうことが分かるまで、今日見た部屋をキープしておくことはできない。

わたしはもうこの日に内見した部屋に決めてしまいたいと思っていた。
でもわたしは、相手に妥協してもらってまで自分の意志を通すことよりも、お互いがちゃんと納得した上でなんでも決めていきたいと思っている。
だから迷うMさんに、自分の意見は言わなかった。
メリットデメリットを洗い出して、メリットを強調してみたりはしたけれど。

タイムリミットの2時間ギリギリ考えて、Mさんの決断により、内見した部屋に決めた。
本当にまじめで慎重派のMさんだから、こういうの苦手なのかもと勝手に決めつけているけれど、決断を迫られた時は、意外とスッパリ決めてくれる面があってかっこいいなぁと思うことがある。時々。
意外と「時々」の方が響く。

そんなこんなで、部屋を借りるにあたって、わたしの身元確認のために「婚約届」を提出しなければいけなくなった。

用紙を渡されたので、それぞれがサインをするだけなんだけど。

2人でサインをする初めての書面は、婚姻届がよかったなぁと思うけれど、2人で新しい部屋を見に行って、婚約届なんてものを提出して、もうなんだかいよいよアレだな、みたいな覚悟が決まってきた。

帰り道Mさんと話していて、
「わたしは自分のわがままを通してまでMさんにあの部屋で妥協してもらいたくなかった。これからも、何事もお互いがちゃんと納得して決めていきたいと思ってるよ。」
と言うと、
「Mくんはどう思う?っていつも聞いてくれてありがとう。僕はぱいなっぷる子が幸せなことが1番嬉しいんだよ。」
と言ってくれた。

お互いが優しいなぁと思った。

ここ数日、友達の旦那さんや彼氏と比べてしまって少しテンション下がっていたけれど、この記事を書いてたらまたテンション上がってきた。

人と比べるって本当に良くない。


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ぱいなっぷる子
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