クリスマスアドベント 2021年12月5日 p.2
※Salvador Coffee クリスマスアドベント2021 の特典ストーリーです。
タイトルの日付になると無料公開されます。
【コーヒーの種類】
インドネシア ジャワ島
ティピカ・アスリ (訳: 本物のティピカ) ナチュラル
パック・ヨゼフさんのコーヒー
インドネシアのコーヒーはワイルドだ。
どっしりと構えた深みともいえる苦味と、アフターに感じる植物のようなハーバルさ。Earthy(アーシー)と表現されるほどの味わいが人気の秘密なんだとか。
だけど、Salvador Coffeeのインドネシアはそうじゃないのです。
これからのインドネシアの未来を創っていくような、今までの伝統を超越したジューシーなトロピカルフルーツ感、上質な紅茶や花のような香り。
凝縮された美味しい酸味と向き合った時、今までのように深煎りで提供するのが、もったいなく感じてしまいました。
今回のアドベントでお送りしたティピカアスリ。
通常はフルーティな浅煎りの焙煎で提供しているコーヒーですが、今回のストーリーでは深煎りのインドネシア・マンデリンが登場するため、あえて深煎りにしてお送りしました。
マンデリン深煎りと、ジャワ島の深煎り。
どっちが良いということもなく、どちらも良さがあります。個性があります。
ぜひお楽しみ頂ければと思います。
【レシピ 1】きっちりした方向け
1杯分 豆15g お湯92℃ 225g使用想定ドリッパー ハリオV60 耐熱ガラス 01
ペーパー CAFEC製 ORIGAMI用 円錐フィルター
サーバー KINTO SCS-S02 600cc
ケトル YAMAZEN YKG-C800-E (6000円くらい)
1. ドリッパー内の挽いた豆の表面に出来るだけ近づけて優しく注ぎましょう。
2. キッチンスケール等で注ぐお湯の量を測ります。
3. 45gずつ注ぎます。30~40秒の間隔を空けて5回に分けて注ぎましょう。
4. 最後まで落とし切ったら完成です。
【レシピ 2】めんどうくさがりな方向け
1杯分 豆15g お湯 沸騰(98℃)
お米計る用のコップ1杯半くらいの水を沸かします。
想定ドリッパー Melitta アロマフィルターシリーズ AF-M1×2(5~600円)
どんなに面倒でも、ここまではマストです。
1. 沸かしたお湯を1分待ってから注いでいきます。
2.全量を優しくドリッパー内に注ぎます。溢れないように!
3. うす味が好きなら1回で注ぎます。だいたい落ち切るの2分ちょいです。
4. 濃い味が好きなら3~5回に分けて、4分間かけてください。
【ストーリー p.2】 ラオスのカフェの味が忘れられなくて。
いまから8年前、2013年3月のお話です。
時代はLCC(ローコストキャリア)全盛期。
エアアジアXというマレーシア資本の格安航空が立ち上げた海外ブランドが、関西空港(KIX)とクアラルンプール(KUL)を結ぶ路線を就航させたばかりで、個人的にバックパッカーブームが到来していました。
お値段なんと、片道8000円(燃油サーチャージ込)。
信じられない価格です。最低賃金643円だった当時ですら、2日働けばマレーシアまで行ってこいができたのです。
20歳の誕生日の翌日、人生の目標の一つだったインド旅行に挑戦しました。
とても酷い旅だったのですが、その話は以前したので置いといて。笑
帰りにフラっとラオスに寄ってから帰国するスケジュールにしたんですね。
知り合い曰くとても気持ちが穏やかになれる素晴らしい国だということで。
そんなラオスでヒッピーと一緒に泥酔しながら川下りした話も置いといて…。
ラオスでは、とにかくすることがありません。
首都のヴィエンチャンは謎の凱旋門くらいしか観光スポットがなく、
お茶しながらメコン川を眺めるか、ハンモックで寝るか、食べるかです。
しかも3月なのにすごく暑い!
気温40℃近くあったのを思い出します。
外に出たら耐えられなくなり、たまらずカフェに駆け込むことに。笑
そこで出てきたアイスカフェラテの美味しさたるや、五臓六腑に滲み入りますよね。。。
普段飲んでいるコーヒー牛乳やカフェオーレと比べても段違いに美味しく、ミスドやサンマルク、マックのカフェラテと比べれば、もう月とスッポン!
「このコーヒーはなんですか?」
ついつい、質問してしまいました。
私のコーヒー人生の風向きが変わった瞬間でした。
「マンデリンのフレンチローストさ!」
バリスタなのかギャルソンなのか、シブめのメンズが言うにはそういうことらしく、自宅でも同じ味わいが出せるよ!ということで豆を購入してしまいました。
なんだか勿体なく感じて、ずーっと開封せずにいたので、自宅で再現できたかどうかは覚えていません。
暑さでやられた私の頭の中には、
「まんでりん、おいしい」
という文字だけが残ったようでした。
あれからというもの、
「まんでりん」みたいなやつください。
(ミスドみたいな嫌な)酸味がないコーヒーで、苦味が強いのがすき。
などと3年間言い続けてきました。
スターバックスに入社した時の最初の研修でも、
わたし「まんでりんすき」とドヤ顔で抜かしていました。
マンデリンファンを馬鹿にするわけではないのですが、明らかに当時の私はコーヒーを知った気になっている中級者風のコーヒー初心者だったわけですよね。笑
とても恥ずかしい時期ではあるのですが、ラオスのカフェで飲んだマンデリンフレンチローストのアイスカフェラテが美味しくて、味が今も脳に残っているんです。
28歳になった今でも!
コーヒー豆の「名前」を知った瞬間だったのです。
今までは「苦いような液体の存在がコーヒー」だったのが、
「コーヒー豆というものがあって名前がついている」と理解したのです。
だから私にとって、インドネシアは特別です。
マンデリンのコーヒーは、人生の一部です。
大袈裟かもしれないですけど。笑
コロンビア編でも書いたように、コーヒーなんて案外そんなものです。
最初からコーヒー豆を知ってる人なんていないし、味の違いや種類の違いなんて雲の上くらい見えない存在です。分からなくて当然だったんです。
全ては出会えたのか、エクスペリエンスだったのかどうか。
これに尽きると思います。本当に、一期一会ですね。
こうして「まんでりんすき」人間に昇格した20歳の私は、大学生活においてコーヒーを飲むことを習慣にし、カルディに行っては「まんでりんみたいなやつ」と知ったかぶる生活をするステージに突入したのでした。
次回予告!
「スターバックスコーヒー、すごいや!」
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