個人店でもNFTを販促に活用するために -ガス代をかけずにNFTをmintする方法など-
Salvador Coffeeの柴田です。
札幌で個人のコーヒーショップを経営しています。
一部界隈でめちゃくちゃ流行っているNFT(非代替性トークン)ですが、そのスキーム的に可能性が無限にあって、事業者の販売促進にも活用できるものです。
ずばり私はNFTを活用して、スペシャルティコーヒーの体験をもっと立体感のあるものにしたいと思っています。
と、定型句のあいさつをしたところで。
2021年は周りの環境がガラっと変わり、ブロックチェーンプロジェクトやNFTコンテンツの話題を聴くことが多かったですね。
「こんな猿のトレカが秒で完売?」
「火星の土地のNFTがバカ売れ!」
「ただの岩の絵が!」「寿司を握るgifが!」「バンクシーが!」
ブロックチェーン協会まわりで毎日開催されるNFTについてのセミナーにも積極的に参加して、日本と世界でどんなコンテンツが覇権を取っていくのか、どんな経済圏が出来ていくのか、など毎日のように勉強しました。
NFTokyoを境に、自分でアート作品をNFT化して楽しむユーザーも一気に増えたように思います。世界中のゲーム会社、アパレルメーカー、イベント団体、飲料メーカー、マイクロソフトにLINEにYahoo、サッカーチームなど、様々な分野でNFTの活用が競うように始まり、ついにスペシャルティコーヒー業界でも初の事例がローンチされました。
こういった限定コンテンツなどのアートワークをNFTとして発行するメリットはたくさんあります。
1. 物理的なモノを在庫しなくていいのでエコロジーでエコノミー
2. 拡張性がある(販売後に色々活用できる)
3. 資産性があり二次流通による発行者への収入も見込める
4. 超未来的な技術を簡単に体験できる(現時点で)
5. ボーダーレスにコミュニティ形成ができる
などなど
僕は特に1と2に展望を抱いています。
Starbucks Reserveでは同様のコレクションを昔から展開していますよね。
綺麗なデザインアートワークの表面に、トレーサビリティやストーリーが描かれた裏面。これは紙媒体ですが、同じデザインのシールももらえます!
あれってCX高めでテンション上がるんですけど、個人店では真似できません。
制作コストは高いし、在庫は余剰してしまう。これはエコじゃない。
じゃあ画像データで代用しては?
コーヒー豆買ってくれてありがとう!はい、おまけの画像!
って渡されても、あんま貴重な感じしなくないですか…?
スタバっぽく言うと、それってエクスペリエンスじゃないよね。笑
カスタマーエクスペリエンスに繋げるって、「おまけ」じゃやっぱ難しいと思うんです。「特別な体験」が伴ったものじゃないと、エクスペリエンスではないんです。
そういうニーズを満たす可能性があるもの、それがNFT(クリプトアート)だと思っています。
拡張性があるところも良いですよね。
紙媒体のカードはプレゼントして終わり。
せいぜい写真が撮られてSNSにアップされて拡散していったり、人によってはファイルやノートにコレクションしたり。
NFTはさらにその上をいくことができます。
もちろんSNS連携で自慢もできるし、プラットフォーム上や自分の仮想通貨ウォレット、さらにはメタバース上に展開できる未来もあります。
もっと言えば、NFTは所有者アドレスがブロックに記録されているので、トークンIDやコントラクトアドレス、ウォレット情報などを識別して、NFTを所有している人しかアクセスできないサービスを展開することだってできます。
こういうクロスセル的なサービスは紙媒体じゃ成し遂げられないですよね!
話が盛り上がってしまって恐縮なんですが、私たち事業者がNFTを活用することのメリットって、無限の可能性がある思っています。
じゃあ現状、NFTを活用するデメリットって何があるの?
ということなんですが、かなり深刻なデメリットがいくつもあります。
1. 発行にいたるプロセスが難しい(結構勉強しないと自力では無理)
2. NFTをmintするのにgas代が掛かる(しかもめっちゃ高い)
3. 発行する人も購入する人も全員gas代が掛かる(ヤバい)
4. お客さん側に配布するのが複雑で難解で、しかも詐欺臭がすごい
※これらは主にイーサリアムメインネットでmintし、Metamaskを活用したスキームと考えてください。
シンプルに無理難題というか、無理です。笑
1は良いんですよ、アホの僕でも2ヶ月NFT触ってたら理解できました。
いまだにわからないことは多く、Twitterでめっちゃ質問して迷惑かけてますが。
4はいまだに答えが出ないので、次回以降で考えます。
NFT活用でぶち当たる問題って、絶対にgas代ですよね。
便利なのにスケールしない問題の第一位。笑
例えば、今日15ドルのNFTを購入するためには、gas代が90ドル掛かって、合計105ドル払うハメになってしまったり。
0ドルのNFTを友達にプレゼントするためにTransferしたら、gas代が90ドル掛かってしまったり。
今時ブラジルに手紙送ったって10ドルかからないんですよ?笑
なんつー仕組みだ、NFTを無料で配布?とんでもねえわ!
ということになったわけです。
前述のコーヒーNFTも、入札にgas代が掛かります。
そりゃ興味はあっても買う人いなかろーな…と思いますね。
アホの僕は聞きまくったり調べまくってたどり着きました。
特別に、NFT初心者の人に教えます!(どや)
1. POAPを活用しよう!
無料です!ウォレットも要りません!
メールアドレスと最低限の英語力があればいけます!
スタンプカードのように、小さいアイコン状のPOAPと呼ばれるNFTをmintして、URLで配布することができます。
もらう側は、メールアドレスさえあればPOAPのWeb上に自分のコレクションを所有することができます。モバイルAppを入れればサイトにアクセスせずともスマホでワンタッチでコレクションを見ることができます!
なんで無料?とかどうやってmintする?といったことはググればすぐ出てきますが、参考URL貼っておきます。
2. Polygon(MATIC)を活用しよう!
こっちはちょっと上級者向け。
Hashhubさんの記事を貼っておきます。
xDAIと同じでPolygonもイーサリアムに接木したサイドチェーンです。
ガス代は掛かりますが、数円程度でほぼ無料。(無料とは?笑)
日本のブロックチェーンスタートアップは、ほとんどみんながNFT発行にPolygonを活用しています。
手順はシンプル。
1. MetamaskのカスタムRPCネットワーク設定でMatic Mainnetを追加して接続する。
2. mintするためのMatic tokenを取引所等で購入し、 MetamaskのPolygonアドレスにTransferする。(ネットワークはMaticを選択する)
3. MetamaskのネットワークをMatic Mainnetに切り替えてOpenSeaに接続する。
4. 通常の手順通りNFTを発行して、Polygonを選ぶだけ。
5. このNFTはtransferなどにgas代がほぼ掛かりません!mintの際もほぼ掛かりません!
ドチャクソ簡単ですよね。
こんな簡単なことに気づくのに1ヶ月かかった僕はアホの塊でした。笑
こうすればガス代をかけずに、フルサイズのアートワークをNFTとしてOpenSea上に発行することができます。しかも売買もできるし、無料で配布もできます。
詳細情報などきちんと書けば、トレーサビリティもバッチリです!
出来上がりはこんな感じ!
ガス代の問題などをクリアしてここまできたら、あとは販促に繋げる方法を考えるだけ。簡単です!笑
その話は、またこんど。
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