103万円の壁どころじゃ無い米国の話 その3
米国で幼児2人、うち一人は療育みっちりの自閉症児という状態で専業主婦となった私、とうとう「弱者」の立場になりました。
上の事件後、週に1度、ソーシャルワーカーが家を訪問し、相談できるようになりました。早速、ソーシャルワーカーは、我が家が困っている事を聞き、州や自治体、ノンプロフィットのサービスを教えてくれました。
が。
ほとんど何の役にも立たなかったんです。
教えて貰ったところに、一つ一つ問い合わせると、中間層の我が家は収入条件などで何もサービスを受けられないんです。
日本でも同じだと思いますが、全然リッチでなくて、こんな大変な状況で、核家族で、1馬力でギリギリやっている家庭でも、行政の基準が国も、州も、自治体も、基本的に「世帯所得」で判断するんですよ。
貧困に当たる所得の何パーセント、平均所得の何パーセントみたいなのに当て嵌まらないと、何も無し。
おかしくないですか?
障がいの重さや生活条件、家庭環境で、収入以外の不利さもそれぞれなのに…。結局、週1のソーシャルワーカーが唯一のサービスみたいな状態でした。
結局何から何まで自費。手続きも誰も手伝ってくれない。ソーシャルワーカーがやってくれるわけじゃないんです。調べたり教えたりしてくれるだけ。
療育も自分たちの民間保険を通してでした。州の障がい者用の健康保険はあくまでもそのバックアップ。自分の民間保険がある人はまずは自分たちでカバーできるとこは全部やってくださいルールなんです。
つまり、その民間保険の質が良ければいいけれど、あまり良くない場合は、受けられるサービスが限定されてしまいます。私たちも療育サービスのウェイティング・リストにいつも並ばされる状態でした。当然金持ちは金で解決しますから、残りの小さい枠にみんなが並ぶ状態になるわけです。これも重度だろうが何だろうが関係なし。
やっと得られた療育通い…そしてイラストのように逃げられまくって大して何もできない45分の療育のために、車で往復合わせて何時間も費やす生活。
ところがですよ。
サービスを思いっきり受けられる世帯所得だった場合、州の保険を丸々使えるんです。その世界がどんな状態なのかは知りませんが、個人的にはこんな出来事があったんです。
ソーシャルワーカーの提案で、障がい児の親が集まる会に行ってみたらという話になったんです。大変さをわかり合えるから、ストレス解消にもなるし、情報交換の場にもなるんじゃないかと。
んで行ってみたら、どうも話が噛み合わない。
聞いた事無い無料のサービスがどうのの話を振られて、キョトンとしていたら、ソーシャルワーカーが慌てて割り込みました。
あの…フードスタンプ(SNAP)受給されていますか?
え?
ああ…これは受給されている方向けのサービスなんです。
そこで知りました。
ソーシャルワーカーは「フードスタンプ」という柔らかい表現で言いましたが、ぶっちゃけ低所得者向けサービスだと。
で、アジア系移民の私は、その前提で話しかけられちゃったりするわけです。
で話していると、私と違ってソーシャルワーカーが全部用意してくれてる。英語ができない人なんかだともっとそう。その言語の療育サービスや、学区と交渉する弁護士まで用意してもらえる。
障がい児がいて大変で、そういう状態になっているのは、わかるし、もちろん、こういうところこそが「セーフティーネット」なわけですから、社会サービスとしては当然の事ではあるのですが…
私たちとの差が…
こっちは高い税金払った挙句に何にも助けられずに、お金ぶっ飛んでる。泣
この壁というか崖は何なの?
私の方が弱者じゃないの…参加してむしろ虚しくなったわ。
そして米国のこの罠に気が付くんです。
続く
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