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ドラキュラのオーディオブックがドラマだった

私に突然訪れた怪奇現象ブームの流れではありません。
職場で仲が良い人に面白い本ある?って聞いたら、最近になってドラキュラ読んだら面白かった。1800年代の本とは思えない、ウィノナ・ライダーやブラピのバンパイア映画は観ていたけれど原作読んだらずっと良かったと仰るので、さっそく図書館アプリからオーディオブックを借りて、自動車通勤中に聴きました。感想。

何だこれ!面白い!

私は映画も見た事が無く、というか映画自体にあまり興味が無い人なので、何のインプットも無いまま読みましたが、複数の人物の日記とジャーナルで構成されている小説なんです。言ってみれば、

ブログ。

だいたい日付順なのですが、同じ日付の出来事を他の人の視点で語ったり、少し戻ったりするんですよ。ここから一体何が起きているんだ⁉と推理する形になっています。

しかもですね。途中で登場人物たち(ドラキュラバスターズ)もこの日記やジャーナルが謎を解くカギとなる事に気が付きます。なので途中からは人の日記のぞき見状態から、突然読者がドラキュラバスターズの一員にになるんです。

オーディオブック、運転中なので時々聞き逃しちゃうんですよ。でもチャプターが細かいのでハンドルについているボタンで1つ前に戻って、そうそうこの日記まで読んだんだったわと話を追いやすく完全にエンタメでした。18時間ずっと楽しかったです。

またナレーションが、本格的な声優さんのものでした。これが良かった。

私が借りたオーディオブックはDuke Classics というどうやら有名なデューク大学に属する出版社からのもので、一般市場では無く図書館専門なのか、アマゾンでは発見できませんでした。

ナレーターは女性役がTavia Gilbert、男性役がJ.P. Guimontという方のようです。

メインキャラクターの内訳は、女性イギリス人2名。男性イギリス人3名、オランダ人、アメリカ人。そしてトランシルヴァニア人。笑

他にも様々な外国人が出てきます。みんなアクセント付きですし、イギリスの労働階級や高齢者、地方の人なども出てきます。それをこの男性の声優さんが別人と認識できるレベルで演じます。凄い。アメリカ人の発音も自然。

どんな声優さんなのだろう?と調べたところ、舞台演劇をやる方でそれらしき人を発見しました。なんとアメリカ人です。しかもメイン州、ポートランドのシアターで演技している模様。シェイクスピアも専門のようです。

ビックリ!

地元ニューイングランド地方の人じゃないですか。しかもポートランドですよ。例の未確認動物博物館がある街です。(シリーズをマガジンにしました。)

ドラキュラは未確認動物に属するのか!笑

女性の声優さんもいいんですよ。
ドラキュラのイメージって、勝手に若い美女が首筋さらけだして堕ちてしまうイメージになっていましたが、小説は全然違います。むしろハツラツとした活動的な女性たちでした。これを演じた声優さんがこの方。

数々の受賞歴、オーディオブック1000冊以上のキャリア!
FAQによると、アイダホ出身で、メイン州ポートランド(!!)に移り住みドキュメンタリーラジオの勉強をし、訴訟パラリーガルや舞台の仕事をしながら、ニューヨークまでバスで通って声優トレーニングを受け、足の手術で動けない間にオーディオブックの世界を勉強しまくり、このキャリアを築いたそう。

ますますカッコいい!

ああ…でも書いてありますね。AIが脅威だって…。
もう困ったもんです。AI。アーチストの仕事奪うな。
でも、この雰囲気はAIには出せないんじゃないかな。

昔のイギリスが舞台ですから、もちろん価値観はまだ女性は男性に守られるものという世の中の設定です。

しかし最初にドラキュラの餌食になる女性は、当時としては奔放でそれが魅力というキャラですし、後で活躍するその友人女性は、タイプライターでパシパシ文書をまとめて貢献をし、当時はまだ新しかったであろう医者が記録に使っていた蓄音機の使い方を覚え、アメリカ人に貰ったトラベル用タイプライターまで持ち歩き、さらには鉄オタでドラキュラの動きを読むという、他の若い男たちよりキレッキレの最新テックキャラなんですよ。この時代にこれを男性作家が書いたというのは、なかなか凄いんじゃないでしょうか。

最後の方は、自分も戦いたいんだが…女だし…と葛藤をする。

そしてその役を上の声優さんが見事に演じています。本の方も同時に借りたのですが、心がクソな自分が読むより聴く方が良かったです。頑張れ声優さん!AIに負けるな!
でもまあ、

AIの方が私よりはマシなのだろう。

自分で読む方が良かったのは、オランダ人医師の部分です。
アクセント強すぎて聞き取れませんでした。笑

原作読んで(聴いて)良かったです。ドラキュラのイメージが完全に変わりましたよ。むしろ”腐女子”が好みそうな内容ではないですか。ドラキュラさんは男性も襲うし、女性の吸血鬼たちも腐女子三姉妹って感じですし。あれですかね。これを元にした映画やバンパイア創作が、関係無い方向のエロに走りがちで、巻き添えで原作までそのイメージになっていたという事でしょうか?

私はLibbyというOverdrive社の電子図書館アプリを使っています。日本でも導入している図書館もあるようなので、ここなら同じオーディオブックが見つかるかもしれません。他の電子図書館にもあるかもしれませんので、利用されている方はぜひ調べてみてください。

メイン州ポートランド、また行きたくなりました。
1990~2000年代ヒップスターがそのまま中年になったようなアーチスト系が多くて、なかなか味わい深い街なんですよ。

たぶんヴァンパイアもいる。

未確認動物博物館の写真出てきました

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