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コロナ禍でペットブームが加速、改正された動物愛護管理法のポイント


私の身近でも ペットを飼育を放棄されている方がいます。


何を考えているかと思う次第です。


と思っていた時にこの記事が目についたのでご紹介したいと思います。


Forbes Jpanの記事より


コロナ禍により在宅ワークの機会が増えるなか、ペットの飼育者が増加したという話を聞く。動物病院においても、新たに迎えた犬や猫の去勢、避妊手術の相談が増えたと耳にし、なるほど、このような変化もあるのかと実感している。


犬や猫をはじめとするペットの飼育者の急増現象は、これまでも何度か起こっている。


1950年代、スピッツなど番犬として役立つ犬に人気が出た、第1次ペットブーム。


続く1960年代から80年代にかけては、マルチーズ、ポメラニアン、ヨークシャーテリアの3犬種に人気が集まり、第2次ペットブームの到来とされた。ちなみにこの3犬種は、「小型犬御三家」などと称された。


次いで90年代以降には、ラブラドールレトリバーやチワワといったCM起用犬種や、ダックスフンド、トイプードルなどに人気が集まり、爆発的な空前のペットブームが巻き起こった。


コロナ禍の現在におけるペット志向は、果たして「第4次ペットブーム」とも呼べる高まりをみせることになるのだろうか。


●5年ごとに見直されている動物愛護管理法


コロナ禍と時期を同じくして、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」という法律の改正と施行が進んでいることは、あまり知られていない。


環境省所管の同法は、前身となる「動物の保護及び管理に関する法律」を、1999年に改正・改称する形で成立し、以来5年ごとに見直しを図ることとされてきた。


ペットブームの陰で、さまざまな社会問題が取りざたされるようになったことが、法律制定の背景にある。


ペットの飼育者が増加するとともに、飼育を放棄されたペットの引き取りと、殺処分数が増加する傾向が目立つこととなった。


また、飼い主のマナーと地域環境の間で摩擦が起こる事例や、多様化する動物取扱業者(販売、保管、貸し出し、訓練、展示など)をめぐる問題も生じるようになった。


さらに、凄惨な動物虐待事件も報じられるようになった。


ただし動物虐待事件については、事例数が増加したとは必ずしも言い切れないという。


このような出来事に人々が敏感になり関心が高まったことが、報道という形で表面化するようになったとも考えられている。


さらにこのような時代の流れのなかで、ペットをはじめとする動物に対する、人々、また社会の価値観の変容が起こり続けていることも、見過ごすことができない要素と言えよう。


このような社会的な状況の変化を反映しつつ、5年ごとに見直しが図られているのが「動物の愛護及び管理に関する法律」であり、現在は2019年6月に成立した改正法(規定により1~3年以内の施行が義務)の施行が始まっている。


●改正動物愛護管理法の身近なポイント


では、今回の改正で注目すべき点、興味深い点をいくつか紹介してみよう。


1つには、今年6月から、生後56日(8週齢)未満の子犬や子猫のペットとしての販売が、原則禁止となったことが挙げられる。


前回の改正時、激変緩和措置として、49日(7週齢)を超えていれば販売可能としていた附則を削除することとなった。


激変緩和というからには、それ以前の販売が、いかに制限なく行われていたかということにも注目すべきだろう。


マイクロチップ装着の義務も


生後約2カ月というのは、動物の発育にとって重要な時期にあたる。


犬や猫の離乳は、生後3週間頃からと早い時期に始まるが、人間と同じく母乳と合わせ、生後8週間頃までかけて、徐々に切り替えを進める。


またこの期間は、親や兄弟たちとの間で社会性を身に付ける機会(社会化期)としても重要な時期とされる。


この時期を親や兄弟とじっくり過ごせたか否かは、心身の健全な発育とともに、将来飼い主の手元にやってきてからの、基本的な性格を決めるうえでも重要だ。


ところが、日本では「小さい=可愛い」ということで、この時期の子犬や子猫の人気が根強く続いている。


このことが、早期の親離れと販売に拍車をかけてきた。また同じ理由から、体格の小さい個体を増やすため、身体の小さな親を掛け合わせ続けるという無理な繁殖も横行するようになった。


ペット市場のニーズに合わせ、このような繁殖と販売が行われていたという点では、購入者の責任も大きいわけだが、ともあれ、今回の改正によって、8週齢以下の売買は禁止されることとなった。


もちろん、法による制限以前から、動物の性質に配慮し、適正な繁殖、販売を続けている繁殖者、業者も存在する。


また、小さな個体をレスキューする目的で購入するという飼い主もいるということも理解して欲しい。


また今回の改正では、2022年6月から、生後90日を超える犬と猫に対して、マイクロチップ装着(皮下に注入)の義務化も示された。


販売業者に対しては「義務」、一般の飼い主には「努力義務」として提示されている。


マイクロチップは、直径約2ミリメートル、長さ約8~12ミリメートルの円筒形の電子標識器具で、装着後は、専用のリーダーを皮膚の上からかざすと、15桁の個体識別番号を読み取ることができる。


読み取った番号には、個体と飼い主の情報が紐づいている。


犬の場合は、保健所で配布される登録鑑札もあるが、これが首輪などに取り付ける必要があるのに対し、マイクロチップは体内に装着されるものであるため、迷子になった場合の返還率も格段に上がる。


災害発生時などにも有効性が発揮されると期待されている。


また、飼い主を明示するという意味で、飼い主の責任もより強固にするものと言えるだろう。


今後、犬と猫を迎えようと考える人たちには、ぜひ、購入時の月齢とマイクロチップ装着の有無を確認、検討してもらいたいと思う。


その他、今回の法改正では、動物の殺傷に関する罰則についても引き上げがなされ、繁殖制限を義務化する等、適正飼養のための規制についても強化が図られた。


コロナ禍のなかで、「人と動物の共生」という課題も見え隠れする。


在宅時間をペットとともに過ごすことで、より充実させようとする人も少なからず増えているが、一方で、一時的な興味や勢いから購入した動物が
、イメージや期待と違ったという理由から、放棄される例も増加しているという。


経済的に発展を遂げた社会では、ペットをはじめとする動物など、人間以外の生きものへの愛護や福祉が醸成していく傾向にあると聞く。


果たしてこの状況は、わが国でどこまで深化しているのだろう。


コロナ禍は、それを問う機会でもあると言えるのではないか。


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