【再考】信州のスキマを埋めるとは何か。
長野県のニッチな観光情報を紹介するWEBメディア「Skima信州」をローンチして5年目の年になった。ここ1年ほど考えていた「信州のスキマを埋める」とは何かという問いに対し、なんとなく自分の中で答えが出たのでメモがわりにまとめておこうと思う。
Skima信州の目的
Skima信州は長野県の王道、定番の観光スポットだけでなく、独自の視点からいつもは「スキマ」に埋もれてしまうような魅力を発信することを第一の目的としている。
元々はライター時代に「需要のある話題しか書けない」悩みがあり、自分が好きだと思ったモノ・コトを需要のあるなしに関わらず取り上げられるメディアが欲しいと思って立ち上げた。
「スキマ」は定番や人気の「スキマ」と、主観の「好き」をかけて名付けた。スキマに込めた3つの願いは、2018年のnoteに綴ってある。
「長野県が好き」というよりは「たくさんの好きなものが長野県にある」と結論付け、好きだと思ったものをひたすら記事にしていく日々。丸4年が経ち、記事は630本、寄稿者も30名を超えた。ありがたいことに、まだまだ書きたいこと、行きたい場所に溢れている。
「信州のスキマ」はどうしたら埋まっていくのか
厄介なことに・・長野県の全市町村を訪れ、600本の記事を書いて、週に何度も観光取材に飛び回っても、「信州のスキマ」なんてものは埋まっていく気がしない。
それどころか「わたしは長野県のことを何も知らない」ということを知っていく毎日。
どうしたら「信州のスキマ」を埋めていく実感を持つことができるのだろうか。そもそも訪れた数に対して記事が足りない。まだまだ書きたい記事はたくさんあるのに、行きたい場所も仕事も溜まっていく一方だ!困った!
モヤモヤとした思いを抱えていたときに、noteである記事と出会った。
有名ブロガーa-kiさんの提唱する「カタログ型コンテンツ」を利用し、長野県で訪れた魅力ある場所やモノを文字通り片っ端から記事にしていくのはどうだろうか。信州のスキマを物理的に埋めていくのだ(この表現でイメージつくかな・・?)。
ということで試しに作ってみたのが下の「お花見ガイド」。2017年頃から5年間、毎年「本気の桜めぐり」と称して県内の桜スポットをめぐってきた私だが、そのすべてをまとめる場所がなかった。
だがこうして特設サイトを設けることで、訪れた場所を100%記録することが可能になるのだ。元より「まとめて整理して網羅する」ことが大好きな性格なため、図鑑を作るような作業は楽しくて仕方がなかった。毎日30本ほど量産し、過去の桜スポットをまとめ続けている(現在進行形)。
まとめるだけでなく「見ごろ」や「エリア」「ライトアップ」「桜まつり」などで整理されており、読者が探しやすい設計になっている。今後はお花見ガイドとしての機能をどんどん追加していく予定だ。
カテゴリで信州のスキマを埋める大作戦
お花見ガイドが思いのほか楽しかったため、同時進行的にいくつもの特設サイトを立ち上げた。まだお見せできる段階のものは少ないが、例えば下の「博物館ガイド」もそれだ。
カテゴリや目的ごとに特設サイトを量産し、今まで記事にしきれていなかったモノ・コトを網羅する。題して「カテゴリで信州のスキマを埋める大作戦」。めちゃくちゃしっくりくる。
さらにまとめるとこうだ。
長野県の魅力ある資産をカタログ型にまとめる
目的や用途に合わせて素早く目的の場所を検索できるシステムを作る
読者がまだ見ぬ「スキマスポット」を発見できるメディアにする
まだ1の段階だが、いずれは読者が知らなかったモノ・コトを発見できるようなメディアにしていきたい。
【再考】信州のスキマを埋めるとは何か。
ここまで書いてきてなんだが、わたしは「信州のスキマが埋まる」ことはないだろうと思っている。つまり「信州のスキマを埋める」ことが目的ではない。
では信州のスキマを埋めるとは何か。
Skima信州は壮大なメモ帳であり、つくりかけの図鑑だ。自分の訪れた場所、好きだと思ったコト、大事にしたい風景を書き残し、それが誰かの足を運ぶきっかけになれば嬉しいと思っている。
そのためには少しでもたくさんの場所に訪れ、本を読み、多くのことを知らる必要がある。そのどれかひとつでも読者の「行ってみたい」を刺激し、訪れ、「好き!」に変わるかもしれないからだ。
最近のわたしは「紹介する」ことに重きを置いて、その過程で感じた「好き」を書き残すことを省いていた。紹介はカタログ型サイトで補い、メインの記事ではもう少し主観や過程を大事にしていこうと反省している。
信州のスキマを埋めるとは、長野県内のできるだけ多くのモノ・コトを網羅的にまとめつつ、その過程や主観を省略せずに紹介すること(ただし埋まるとは思っていない)。
やや強引だが上記のように再定義し、今後も一生懸命長野県内のスキマを埋めていきたい。
以上メモでした。