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手術した病院がすごかった話

肩に何かができた

タイに滞在していた時、毎週のように通っていた近所のマッサージ店で
「ここに何かできてるよ」と言われました。
触ってみると右肩に手のひら大のしこりのようなものがありました。

肩こりがひどすぎて、コブになってしまったのかな~
痛くも痒くもないし、まぁいっか~

と、ず~っと放置していたのですが、ノースリーブを着ると
肩がもっこりしているのがだんだん気になってきました。

これは切らないと治らないやつ

ネットで調べると「粉瘤(ふんりゅう)」というワードが出てきました。
粉瘤というのは、皮膚の中で袋状のものに垢が溜まった状態だと知り、これは何かの拍子で破裂してしまうと大変だ!そうなる前に取らなくては!と、病院をいろいろ調べました。
その過程でYouTubeで粉瘤切除の動画を目にしてしまい、日々恐怖を募らせておりました。

そんな時「ここだ!」と思う病院がヒットしました。
決め手は「こわくないクリニック」というキャッチフレーズと、先生の優しそうな写真。「本当にこわくないんだな~」と伝わってくるGoogleMapへの患者さんのレビューでした。

私は、思い切って診察(できればすぐ切除)を予約し、バスで数時間かけて、その病院を訪ねました。

まさかの診断・・・

病院に着いてドアがうぃーんと開くと、受付の女性が立った状態で出迎えてくれました。丁寧な言葉遣いと、しっかり目を見て話してくれる感じから、大きな安心感を覚えました。

待合スペースで問診票に記入し待っていると、若い男性の看護師さんが迎えに来てくれて、診察室に案内されました。すぐそこの部屋なのに、わざわざ迎えに来てもらえるだけですごく大事に扱ってもらえてる感じがするものですね。

診察室で先生からいくつかのヒアリングがあったのち、エコーと触診で肩の診断が出ました。

まさかの\脂肪腫(しぼうしゅ)/でした!

放っておいても問題ない腫瘍だけど、粉瘤と同じく脂肪腫も切除しない限りなくなったりはしないということだったので、サクッと切ってもらうことにしました。

手術室へゴー

手術着に着替えて、いざ手術室へ向いました。手術室のドアが開くと、クラッシック音楽が割と大きめにかかっていました。
真ん中にある手術台にうつ伏せになったのですが、まず手術台が温かく、顔に当たる部分も柔らかいタオルで覆ってあり、「ずっとここに寝ててもいいかも~」と思えるほどの心地よさでした。
音や温度で怖さを感じないように配慮してくれているんだなぁと後で振り返って思いました。

先生が「まだまだしばらくは準備してますからねぇ~」などと、状況を逐一説明してくれるのも大きな安心感につながりました。

歯医者と同じ感じでチクッと

そしていよいよ手術が始まるのですが、まずは局所麻酔です。
そこでの先生の説明の仕方がまた素晴らしかった!

「じゃ、これから麻酔していきますね~。歯医者と同じ感じでチクッとしますよ~。今日痛いのこれだけですからね~」

「歯医者と同じ」と聞くだけで、「あ~、あのくらいの痛みか~」と想像ができ、なおかつ「あれなら全然大丈夫」という気持ちになれる魔法の言葉だなぁと思いました。
実際、歯科での麻酔より全然痛くなかったです。

そのあと、麻酔が効いたことを確認して切除がスタートするのですが、「いい感じに進んでるよ~」「もう折り返し地点来たよ~」みたいに声をかけてくれて、皮膚が時折すごく引っ張られる感じだけはあるものの、本当に終始こわくなく終わりました。

先生が「取ったの見る?」とおっしゃるので、記念に見せてもらうことに。先生の手のひらに乗った私の脂肪腫は、焼肉屋で注文する「ホルモン1人前」って感じでした。

後で聞いたら、よくマッサージをしていたせいか癒着がひどかったらしくて、思った以上に大変な手術だったみたい(と言っても20分くらいですが)。6針ほど縫ったのですが、術後も一度も痛み止めを飲む必要もないほどで驚きました。先生の腕が素晴らしいのも確かです。

怖さって想像力

小さい頃、右手の手首にガングリオンというものができたことがあります。ガングリオンとは、関節液や滑液が濃縮してゼリー状になって袋にたまり、しこりのようにぷくっと出てくるものです(この経験から「私は袋ができやすい=粉瘤に違いない」と思っちゃったのかもしれません)。

治療としては、注射で中のゼリーを吸い取ります。そのまま放っておいても問題ないのですが、学校をサボりたかった私はこの治療を受けることにしました。

先生が目の前でガングリオンに太い針を刺し、ゼリーを抜いていくのですが、もうめちゃくちゃに痛い。針よりも、ゼリーを押し出すためにぐいぐいっとガングリオンを押すのがめちゃくちゃ痛かったんです。

最後に先生がこう言いました。
「もう、このくらいにしておこう。このすぐ下に動脈があってどくんどくんといってる。大出血してもいかんから」
私は「痛さ」とその「大出血を想像したときの怖さ」で一気に血の気が引いて、治療を終えて待合室に戻る途中に倒れてしまいました。

想像力で弱くも強くもなれる!

今回は本当に素晴らしい病院で手術してもらうことができて、長年気にかかっていた肩のもっこりがスッキリしたし、患者さんのメンタルコントロールについての勉強にもなりました。

人間は想像力によって弱くも強くもなれるのですね。

私の生業である、あがり症克服サポートもまさにこの「想像力」がカギです。本番を想像するとどうしても怖さや失敗を想像してしまう人に、人前で話す楽しさをいかに想像させてあげられるかが、私の腕の見せ所だと思っています。

今年もクライアントさんが「な~んだ!こんなに克服するのって簡単だったんだ!」と自然と思えるようなサポートをしていきたいと思います。


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