Vol.48 事業の土壌づくりと三方よし
日本のモノづくりの強火サポーター、愛社精神育成コンサルタント 中小企業診断士の足立早恵子です。
読んで頂いてありがとうございます。
先日、私が巻頭特集の取材と執筆を担当させて頂いている「月刊三方よし経営」の9月号が発売になりました。
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今回のテーマは「事業の土壌づくりと三方よし」。
京都・亀岡に窯を構える昭楽窯の佐々木大和社長にお話を伺いました。
昭楽窯は茶道で使用される楽茶碗の窯元で、来年創業120年を迎えます。
楽茶碗は千利休が「禅」に通ずる「利休侘茶」の美意識を茶碗という形に表し茶の湯に育てられてきた焼き物で、茶道のためだけに作られ使われるものです。
利休侘茶の美意識や禅の思想に傾倒した佐々木吉之介氏が1905年(明治38年)に京都・清水寺門前で開窯し、曾孫である大和社長は4代目に当たります。
戦後の高度経済成長期は多くの若い女性が花嫁修業の一貫として茶道を習っていた時代、主にお稽古用として楽茶碗を安価で大量に作る技術を確立したことで茶道の普及に大きく貢献された窯でもあります。
今は、引き続き稽古用の楽茶碗を製作している一方、大徳寺管長の福富雪底老師から拝受された歸來窯(きらいがま)というブランドと佐々木虚室という陶名で作家作品を発表されています。
しかし、時代が変化し「花嫁修業」という言葉が死語となった平成以降、国内の茶道人口は減る一方です。
そんな中、大和社長は海外に活路を見出し、10年後20年後の息子さんの代に海外で茶道文化が定着し、昭楽窯の存在が広く知られる状況を作ろうと活動をされています。
私が大和社長とお会いしたのは約2年半前。パリで何かできないかと模索されていた時で、某金融機関を通してコンサルとして支援させて頂くことになったのが最初でした。
ちょうど1年前の昨年9月にパリで作品の展示販売とお茶席のデモンストレーションを行うイベントを開催されたのですが、その企画や実施準備などをお手伝いさせて頂きました。
残念ながら都合が合わず現地には行けなかったのですが、イベントは大盛況で、新しいイベントのお誘いなどもあったそうです。
今年は冬にドイツ・ミュンヘンでのイベントが控えており、引き続きそのための支援をさせて頂いています。
ちなみに、パリイベントの準備として作成したYouTube動画は公開から1年3カ月4.1万回とものすごい勢いで再生数が伸びています。
キャプションや概要欄は英語とフランス語のみで日本語は一切入れていないので、おそらく海外からの視聴が多いのだと思います。
現在は、ドイツのイベントに向けて動画第2弾を企画中で、出来上がったらまたここでも紹介したいと思います。
月刊三方よし経営9月号
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