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有名SaaSのFB広告クリエイティブまとめ
こんにちは、セールスリクエストの原です。
今回はFacebook広告(以下、FB広告)のクリエイティブに関して、有名SaaS各社の取り組みをまとめます。仕事柄、Facebookを開くと有名SaaSの広告ばかり表示されるのですが、各社さまざまな工夫を凝らしているので一度調べてみたいと思っていました。
鉄板施策からユニークなものまでさまざまありますので、よろしければご覧ください。
※類似テーマでファーストビュー施策もまとめています。よろしければこちらもご覧ください
課題・ニーズ喚起
FB広告といえば、セミナーやホワイトペーパーを紹介するクリエイティブのイメージがありますが、潜在顧客への課題やニーズを喚起するメッセージをメインとしたクリエイティブも少なくありません。
広告を見た人に「たしかにそれは問題かもしれない・解決したい」と思わせることでサービスへの関心を喚起するものです。
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たとえば、こちらのGMOサインのクリエイティブ。電子契約による印紙税削減を謡っています。法務担当や経営者が見れば「印紙税のコストと手間の削減」というテーマは興味深く、これをきっかけに電子契約への関心を持ってもらえそうです。
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Carelyは、各社員の健康診断予約を担当窓口で集約している企業向けのメッセージ。度重なる健康診断のスケジュール調整などで苦労している見込み顧客のニーズを喚起する狙いがあるのではないでしょうか。
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FORCASは、営業の架電リスト抽出にありがちな課題に切り込むクリエイティブ。多くの営業マンが一度は「この営業リストに端から架電するのは非効率では…」と感じたことがあると思います。この課題を思い起こさせるメッセージで、ホワイトペーパーダウンロードへの誘導を狙っています。
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ベルフェイスは特に潜在度合いが高いニーズの掘り出しを狙っているように見えます。「顧客の申し込み体験」を課題として捉えている企業はなかなかいないと思いますが、敢えてそこに顧客満足度改善のポイントがあることを示唆しています。おそらくbellFaceの新機能提供に向けた課題喚起で啓蒙活動に近い狙いを感じます。
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こちらはTableauのクリエイティブ。Excelやスプレッドシートでは限界を感じつつも解決策を見つけられていない見込み顧客向けの課題喚起を狙っているのではないでしょうか。
余談ですが、どこの企業の広告かわからないくらいシンプルで驚きました。
コスト削減・工数削減
多くのSaaSには提供価値として業務効率化があるため、コストや工数の削減をPRするクリエイティブも多く見られます。特に具体的な数値を明示できる企業は訴求力が高い印象です。
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「無駄なコストを80%削減」「工数を1,000時間以上削減」などと謡われていると、コスト削減や働き方改革に関心があれば、クリックしてみたくなりますよね。導入効果を数値で謳える場合はまず試すべきクリエイティブではないでしょうか。
冊子風ホワイトペーパー
ホワイトペーパーダウンロードを狙ったFB広告は、ホワイトペーパーを冊子風にしたクリエイティブが増えています。実際にはPDFデータでダウンロードするのですが、冊子として印刷できるレベルまで整形されている印象を得られ、品質に対する期待値を高めることができます。
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顧客画像
マネーフォワードの導入事例集のクリエイティブに顧客画像がメインのものがありました。企業名と写真付きで広告に利用させてもらうのはかなりハードルが高そうですが、第三者のお墨付きがあると信頼感が増します。単に事例集を押し出すよりも「どんな取り組みをしたんだろう?」という関心が湧きそうです。
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ウェビナー告知
ホワイトペーパーダウンロードと同じく、FB広告との相性が良いと言われているウェビナー告知。Facebookを開くと必ずと言って良いほどに目にします。
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こちらのカオナビのFB広告は、ウェビナータイトル+登壇者の窓枠によるオーソドックスなクリエイティブ。フォーマット化され、各社に似通っているとも取れますが、どんなウェビナーなのか理解しやすく個人的には好みです。
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一方でこちらのクリエイティブはかなり斬新です。ウェビナーの内容をイラストで表現しています。各社のウェビナーのクリエイティブが似通ってきた中で目を引く作戦なのかもしれません。実際にかなり目立ちます。
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ウェビナー登壇者の集客力が高い場合、登壇者の画像をメインにしたクリエイティブが目立ちます。また、基本的にアーカイブ配信を用意し、ウェビナー実施後も一定期間集客を狙える仕組みを作っている企業が多い印象です。ウェビナー告知については特に各社が試行錯誤しているように見えます。
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SATORIが参加者満足度をクリエイティブに入れていたのも印象的でした。同じテーマのウェビナーを繰り返し行う場合は、総参加者数、参加者満足度、視聴維持率などの数値をPR材料にするのもおもしろいと思います。
価格改定リリース
GMOサインが昨年行っていた価格改定リリースのクリエイティブも印象的でした。BtoB領域ではあまり目にしない「○%値下げ」という表現が目を引きます。大幅な価格改定の際には検討してみても良いかもしれません。
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機能追加リリース
価格改定だけではなく、機能追加リリースのFB広告もときどき目にします。サービスへの関心が低い人にとって機能追加自体は関心事ではありませんが、新機能によって新たに解決されることがあるのであれば、関心を引くことにつながります。その点で「新たに○○ができるようになった」という趣旨のクリエイティブは一定効果がありそうです。
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診断誘導
バックオフィス系SaaS界隈では2022年1月改定の電子帳簿保存法が顧客獲得の一大テーマになっており、各社このテーマでFB広告を出稿しています。その中でも特に工夫されていると感じたのがウイングアークの診断誘導です。
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「電子帳簿保存法対応どうしよう?」と考えているだろう企業に対し、自社が何をすべきかのヒントを与えてくれそうな診断をオファーしています。法改正について学ぶウェビナーへの申し込みや、ホワイトペーパーをダウンロードして読み込むよりもずっとハードルが低い印象です。Facebookを見ているユーザーはどちらかというとプライベートモードなので、診断という遊び要素がマッチしている印象を受けました(実際の効果はわかりませんが)。
サービス紹介
最後に意外と少ないサービス紹介をメインにしたクリエイティブです。これまでご紹介してきたクリエイティブは「何のサービスなのか」についての明記がなく、サービスを知らない見込み顧客にはメッセージが届きにくいとも言えます。
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その点、これらのクリエイティブは「〇〇な✕✕」という特徴とサービスが明記されており、サービスを認知していない見込み顧客にもしっかり届くメッセージになっています。認知獲得の意味では、こういうシンプルなクリエイティブが効果的なのかもしれません。
まとめ
今回は約30社のFB広告を閲覧し、印象に残ったクリエイティブをまとめました。FB広告も各社が様々な工夫を凝らしており、非常に参考になります。
今回はクリエイティブの画像に注目しましたが、タイトルや導入文、動画コンテンツ、画像サイズなどにも各社の工夫がみて取れるので、興味がある方はFacebook広告ライブラリで調べてみてはいかがでしょうか。
弊社の主なお客様はSaaSスタートアップ企業ですので、今後もSaaS界隈の動きはプロダクト・マーケティング含め常にキャッチアップしていきたいと思います。
ちなみに2021年は32社のスタートアップ企業と新たにお仕事をさせていただきました。新たにお取り引きいただけた企業様の期待に応えるべく、マーケティング視点を理解した営業支援会社として今後も提供価値を高めていきます。
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