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【営業の教科書NO.110】営業における根回しの重要性

〜今日のポイント〜

●いきなり聞く話よりも、聞いたことのある話の方が相手は受け入れやすい
●人は他人の意見、特に身近な人の意見に影響を受けやすい
●共感者・理解者が多いと、その意思決定に対してより強いコミットが生まれる

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今日は根回しの重要性についてお話させていただこうと思います。根回しとはあまりポジティブに使われている言葉ではないですが、根回しはめちゃくちゃ大事で、これができる人とできない人では結構仕事の成果や評価が全然変わったりするので、ここはしっかり抑えておいていただきたいなと思います。

そもそも根回しとは何かといいますと、「目的を実現しやすいように関係する方面にあらかじめ話をつけておくこと」というのが辞書的な定義です。目的達成のために関係する方面の関係者か当事者に対し、時系列的に先のことを含めて話をしていくところが根回しの定義です。

◆ポイント①いきなり聞く話よりも、聞いたことのある話の方が相手は受け入れやすい

どうして根回しが大事なのかというポイントは2つあります。1つ目は一人の人に話をするときのポイントですが、突然聞く話よりは前々から聞いたことのある話のほうが意思決定しやすいということです。「そんな話は聞いていないよ。」みたいな話を上司からサラッと言われて決まらなかった、話が進まなかったみたいなところは、これも突然聞いた話に対しては警戒心をもたれやすいからです。何回も聞いたことがあるのでその話は知っている、みたいな話のほうが人は動きやすいので、1人の個人に対しては突然話をふるより何回か聞いたことがあるほうが意思決定しやすいというところがポイントの1個目なので、前もって言っておくということです。

会議や打ち合わせのとき、事前に議題とかを送っておくとか、資料をメールで送っておくだけでも、結構話の進み具合が変わって来ることが多いので、まずそういった人にアプローチするときは突然話をふる、特に大きな問題や相談のときに関しては、いきなり話をふるのではなく、前もって伝えておく、説明をしておくということがポイントの1個目です。

今の話で行くと、例えば今は11月の下旬なので今月内や年内でなんとか早めに受注をとりたい案件があるときに関しても、商談でなんとかしようとかではなく、事前に電話やメールで簡単に説明しておいたほうが良いかも知れません。前もってしておいたほうが意思決定をしやすいですし、先に説明をしても会わないお客さんも出てきますが、そういったお客さんに会う工数を減らすことができるので、先に説明をしておくというアクションを取っていただくと良いと思います。

◆ポイント②人は他人の意見、特に身近な人の意見に影響を受けやすい

2つ目の根回しは個人ではなく、関係各部署、関係者に関して説明をしておいたほうが良いということです。個人でも法人でも一緒ですが、個人でいくと、家族向けになにか営業をしているときに、旦那さんには話をしているけれど、人間は他人の意見、特に身近な人の意見にはすごく流されやすい、影響を受けやすいので、「辞めておきなさいよ。」みたいなことを言われたら、すっといなくなったり、やらなくなってしまうことが往々にして起こります。ぜひ意思決定をする人がこういう交友関係、人間関係を持っているのかは営業時に事前に把握をしておいたほうがいいです。

法人営業に関しても、「意思決定者は私です。」と言われても、「こういう案件はどういう人と相談しますか?」みたいなことを聞いておいて、相談者にもアプローチをしておくことは非常に大事なポイントです。社内でも一緒で、上司に説明するときにも、上司が社長に説明するときにも、協力者を増やすというアクションをしておくだけでも、全然違ってきますので、関係者へのアプローチを増やしていっていただきたいなと思います。

◆ポイント③共感者・理解者が多いと、その意思決定に対してより強いコミットが生まれる

後はクロージングが苦手な人、よくひっくり返されちゃうケースが多い人は、根回しを怠っているケースが多いです。意思決定に対して自分だけで決めたというところがプライドになってそれを理由に頑張れる人ももちろんいますが、法人で大きなお金や多くの人を動かすとなると、自分一人でその状況を決めたということは結構こわいです。金額が大きくなればなるほど会社のお金を自分が使ったという感覚になってしまうので、そうなってしまったときに、一人じゃないんだ、みんなで決めたんだという感覚を相手に持たせることもすごく大事なポイントになります。そういう感覚を持ってもらうためには共感者や理解者を増やしておく、というアプローチをしておくと良いかなということです。

実際私は普通の商談で、MAX10対1の打ち合わせがありましたが、8人ぐらいは何も話しませんでした。笑顔で座っているだけなのですが、チームで決めたという感覚をもたせることによってコミットを生むこともできるので、そういった共感者や理解者を周りに増やしておく施策も、クロージングがちょっと進んでいないなと思うときはぜひ意識してもらいたいなと思います。

◆今日のまとめ

根回しに関しては、目的達成のためにあらゆる方面に先に伝えておく、前もって話をしておくというアクションなので、あらゆる方面というのは個人で言えば時系列的な部分、全体で見ていくと個人の人間関係がどういう影響を周りから受けているのかという部分もふまえて、根回しをしっかりしていただくと受注率や自分の進めたい話を進めやすくなると思うので、社内外問わず根回しをしっかりしておいていただくと良いと思います。

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