TTP(徹底的にパクる)とニッチ戦略どっちが正解?初心者がとるべき行動とは。
事業をしていると困ったもので「正反対に見える教えがどちらも正解」という現象に良く出くわします。
「成功したいならTTP(徹底的にパクる)をしろ!」
という金言があるかと思えば
「市場に存在するスキマ(ニッチ)を攻めろ!」
という金言もあります。
前者の教えは、オリジナリティを持った事業、新規性のある事業が流行るかどうかは分からないから既に道が切り開かれている事業を真似しなさい。
後者の教えは、弱者が普通に市場に参入しても負けるから競合が攻めていない場所(≒オリジナリティ)を見つけなさい。
「一体どっちが正解なんだ?」と悩んでしまう、一見すると相反している二つの教え、厄介なことにどちらも正解なのです。
違うのは「どの程度の成功を想定しているのか?」という点です。
TTP(徹底的にパクる)をしろという教えは強者が考えたもの
「成功したいならTTPをしろ!」という教えは基本的に強者の戦略です。TTP+S(進化)という言葉が生まれたのはリクルートだと言われています。
そんな強者(リクルート)が生み出した概念を起業もしたことが無い、スキルもない、人脈もない、ないない尽くしの人間が真似しても痛い目を見ると思いませんか?
経営資源が勝る立場から新規参入するときにはTTP+Sはとても良い戦略です。既に評価されている競合を凌駕するプロダクトを世に出すわけですから。
しかし、持たざる者が新規参入するときを考えてみてください。TTP先は持たざる者より強い立場だと思いませんか?
経営資源で負けておりTTPしようにもできない。こういった状況はザラに考えられます。吉野家、TTPできます?できませんよね?
「いや、TTPできない所に参入するな。」というお言葉はもっともですが、ガチガチの初心者がTTPできる市場に旨味が残っているわけがないのです。
初心者で経営資源も貧弱な持たざる者がプチ成功もなく「TTP!美味しいビジネスモデル!」と興奮することのむなしさですよ。
ニッチ戦略は持たざる者に優しい戦略
あなたが経営資源に乏しく、持たざる者だという自覚があるのであれば需要と比較して競合の少ないニッチ市場を見つけることに力を注ぐべきです。
競合が攻めていないスキマ(ニッチ)を攻めること。というとあたかも「オンリーワンの市場を作りなさい」と言っているように聞こえますが決してそういうことではありません。
既にある市場で戦うという点においてはTTPと同様です。ニッチ戦略が言っているのは「競合が攻めていない便益で戦っていきましょう」というだけの話です。
意味の分からない属性を掛け合わせることでオンリーワンのポジションを確立させるのはニッチ戦略とは言いません。旅人×青髪×起業家みたいなかけ算を見たときは義務教育にすら勝てなかった人間が唱えている呪文だと思ってください。意味はありません。
以下に、ニッチ戦略を正しく理解するための記事を置いておくので是非読んでください。
ただ、ニッチ戦略において覚えておいて欲しい事実が一つあります。それが、"初心者が"ニッチ戦略で得られるのは大成功ではなくプチ成功。
ニッチ戦略の成功で得られるのは大成功ではなくプチ成功
広義の意味で行くと、超巨大市場にあるスキマを攻めるのもニッチ戦略です。そのため、年商100億円規模のニッチも存在しています。
しかし、持たざる者が参入して勝てるスキマで年商100億円なんて夢のまた夢です。月利益100万円くらいのスキマならどの市場であっても見つけることができるでしょうが桁が変わって1,000万円、1億円となると簡単には行きません。
「俺は実質役員報酬1億円くらいとれる企業オーナーになりたい!」と野望を抱いている人からしてみれば月100万円は少なすぎるかもしれません。ですが、完全初心者&持たざる者が最初の起業で野望を達成できる確率は極小です。
「実質役員報酬1億円!」みたいな野望をいきなり抱くのが間違いなんです。持たざる者が決意だけでそんな簡単に到達できるわけがないでしょう。
先ずは競合の少ない・弱いスキマを見つけて月に10万円でもいいのでプチ成功を収めてください。それを100万円まで伸ばす間に初心者ではなくなりますし、ガチの持たざる者からは脱却できているはずです。
そうして、競合の少ない・弱いスキマをいくつか束ねて経営資源を肥やしていくのです。プチ成功を束ねている間に起業前の自分からは想像できない強者になっているのです。
始まりの村を出て即魔王を狩りに行く勇者、どう考えたって負けちゃうでしょう?持たざる者の初起業で実質役員報酬1億円のスモールビジネスオーナーを目指すのはそれに近い行為です。
勇者のレベルに合わせて四天王を配置してくれている、怪しいほどに親切な魔王は現実には存在しません。自分で弱い敵(市場・スキマ・競合)を見極めてプチ勝利を収めるしかありません。
まとめ
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