「メリットよりベネフィットが大事」という大きな誤解~コピーライティング初心者がやってしまいがちなミス
「メリットよりベネフィットを伝えないと!ベネフィットさえ良ければいいから!」
コピーライティングやマーケティングを学んで、ベネフィット(便益)という概念に多大なる影響を受けた人が良く言うフレーズです。
ベネフィットが重要なのは100%その通りですし、機能的価値(メリット)よりも伝えるべきだということに異論はありません。ただ、今回は「ベネフィットとは登場する場所が違うだけで機能的側面も大事」という話をさせていただきます。
以前の記事で「洗脳手法を基に開発したコピーライティングフレームワーク」についても書いているので興味がある人はそちらもどうぞ。私が開発したフレームワークなのでググっても出てきません。笑
ベネフィット偏重の考えがどうして生まれるのか?
コピーライティングやマーケティングを学ぶとベネフィット is Kingになってしまうのはなぜでしょうか?
ベネフィット(便益)ってそもそもなによ?メリットとは違うんです?
要するに、「あなたの商品を購入して得られる”嬉しさ”は何ですか?」を端的に表したのがベネフィット(便益)です。
このベネフィット(便益)、メリットとは何が違うのでしょうか?
ざっくり説明すると
ベネフィット(便益)とメリット(機能的価値)の具体例
ブラウンの男性用シェーバーの公式サイトを具体例に説明しましょう。
「極限0.05mmカット」は商品が持つ機能を説明しているだけです。つまりメリット。
「夕方ヒゲ、ゼロへ。」は商品を使った結果どんな嬉しさがありますか?という問いに答えています。つまりベネフィット。
「極限0.05mmカット」という機能(メリット)によって「夕方ヒゲ、ゼロへ」という結果(ベネフィット)がもたらされる。
「完全防水」という機能(メリット)によって「お風呂場で使えて手入れも簡単」という結果(ベネフィット)がもたらされる。
「充電トラベルケース」という機能(メリット)によって「いつでもどこでもシェービングができる」という結果(ベネフィット)がもたらされる。
ここまでくると勘の良い人は分かってきたんじゃないでしょうか?
そう、ベネフィットとメリットの間には「結果(ベネフィット)がもたらされる理由(メリット)」という関係があるのです。
ベネフィットとメリットの関係から分かるように、本来簡単に切り離せるようなものではありません。ではなぜ、「ベネフィットが重要だ!機能の説明をしても仕方ないだろ!」という論調がまかり通るようになってしまったのでしょうか?
情報発信者が分かりやすさのために単純化しすぎた
このように「機能的価値(メリット)は分かりづらい。購買意欲を刺激しない。」、「ベネフィットは分かりやすい。購買意欲を刺激する。」という対比構造を用いて説明してしまったのです。そう、”ベネフィット”の素晴らしさを単純明快に伝えるために。
でも実際のところベネフィットはメリットに依存する関係にあり、どちらが凄いと簡単に言えるようなものではありません。しかし、読者は「メリット(機能)ではなくベネフィット(便益)を書け!」との情報を繰り返し目にするうちに「ベネフィットを上手く伝えることこそコピーライティングの本質だ」と思うようになっていたのです。
iPhoneを発表した伝説的スピーチ
信者と呼ばれるほどのファン層を持ちブランド力が高いApple。ここで一つ動画を見ていただきましょう。iPhoneを発表する際にジョブズが行ったプレゼンです。
さて、ここで聡明な皆さんに質問です。上のスピーチ文章で書かれている内容はベネフィット(便益)ですかメリット(機能)ですか?
…
…
…
そう、メリット(機能)です。
このシーンなんてまさに機能説明の代表的なものです。Appleですら機能的優位性を訴求してるのです。
これを知っても、まだメリットがベネフィットに劣っていると思いますか?
私自身、ベネフィットが超重要であることは否定しません。ただ、ベネフィットがメリットより優れているというより、登場すべき場所、価値を発揮するべき場所が違う。ということを知っていただきたいのです。
ベネフィット(便益)とメリット(機能)の役割の違い
ベネフィット(便益)の役割
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