目標達成の科学:知っているだけで達成率を平均20%以上アップさせる方法ほか
私、佐藤健太35歳、会社を辞めた元サラリーマンです。
朝、満員電車に揺られて会社に向かい、夜はまたクソ混雑した電車に乗って寝るためだけにあるような家に帰る。
大企業勤めと言えば聞こえはいいが、仕事の内容は誰でもできるいわゆるブルシットジョブ。
「会社の看板で大きな仕事ができる」
「社会的地位が高い」
「優秀な人間たちと仕事ができる」
「長く勤めていれば給料も伸びて安泰だ」
なんて自分をごまかすことがもう嫌になったんです。自分に正直になって見つめなおすと、仕事はつまらないルーチンワークか、社内の関係を調整するための無駄な時間。
年功序列で給料が上がっていくと言えども、他所の企業で活躍できるようなスキルは身につかない。
創意工夫に欠けた前例主義。
だから、辞めたんです。
ある日、あまりにも倫理観に欠けた上司にとうとう我慢ができなくなって退職願を出しました。退職までの期間は有給を消化します、なんて言ったものの、正直恐怖で一杯です。
本音を言えば辞めるのをやめたい。本当に、なんで辞めちゃったんでしょう。
思い返してみれば自分の力で何かを成し遂げた経験なんてありません。
家の中には、達成よりも挫折を示す証拠が溢れています。
ほら、あそこには社会人になってから急激に太った自分に危機感を覚えて買った運動器具。ホコリまみれです。
そこの本棚には、1週間も持たずに開かなくなった新品同様の資格試験の教科書。勉強なんて、もう何年もしていません。
玄関にはフルマラソンを完走することを目標に始めたランニングシューズ。練習した距離を合計しても42.195kmには程遠いでしょう。
全部、ぜーんぶ挑戦をやめた証拠。成功したことと言えば、就職活動くらい。でも、それももう今では過去のもの。
本当に、なんで辞めちゃったんでしょうね。
それでも、やるしかないので特にあてもなくインターネットを彷徨っていた私は、「目標達成の科学」という記事に偶然出会いました。
その記事に出会うまで、私は自分のことを意志力が弱い、継続力がない人間だと思っていました。でも、どうやら私の性質が怠惰というわけではなかったようです。本当の問題は意志力や継続力を発揮するための習慣、設計、環境ができていないことにあるというのです。
実際、その記事に従ってみたところ、これまで何も継続できなかった私ですら1年もたたずに利益5000万円を超える事業オーナーになれてしまったのです。
私、佐藤健太35歳、会社を辞めた元サラリーマン、現スモールビジネスオーナーです。
え?その記事の内容を詳しく知りたい?そうですか。ではnoteでスモールビジネス大全と検索してみてください。行動力だけでなく、事業オーナーになるための知識が満載で本当におすすめですよ。
ということで冒頭の物語に登場した「目標達成の科学」を始めていきましょう。結構ボリューミーなコンテンツになったのであとで見つけやすいように「スキ」をしておくことをおすすめします。
前・中・後の3種類の目標達成アプローチがある
目標を達成するためのアプローチは目標を立てる前、目標を立てるとき、目標を立てた後の3種類に分類できます。
あなたが目標を達成したいのであれば「どうやって行動すればいいのか?」だけを考えていてもダメなのです。
きちんと前・中・後の3種類のアプローチを実践してください。背景にある科学的根拠は基本的に覚えなくてもいいです。セミナーやコーチングなど人を動かす必要がある職業の人はネタになるので覚えてもいいかも知れません。それ以外の方は「やるべきこと」だけを覚えればOKです。
あなたの性質がダメなわけじゃない。ただ知らないだけ。
冒頭のエピソードのようにこれまで沢山の挑戦をしてきて失敗してきた経験をもつ人は多いはずです。失敗どころか、挑戦していたことすら忘れてしまっている人もいるはずでしょう。
でもそれはあなたの性質が怠惰だということを意味しません。ただ、目標達成するために必要なことを知らないだけです。
あなたは変われます。だってここまで読めているんですから。
【前】目標を立てる前のアプローチ
目標設計ではSMARTな目標を立てましょう(後述)、みたいな話になることがほとんどですが、勝負はそれよりも前から始まっています。
極論、あなたがどういう心持ちで生活するか?ということすらも目標達成に影響を及ぼすのです。
大きな影響を与えることが良く知られているのが自己効力感と目標指向性の二つです。
信じる力がパフォーマンスを向上させるって信じます?
「信じる者は救われる」
なんだかちょっとスピリチュアルな雰囲気も漂うこのフレーズ、本当かもしれません。
114件の研究結果を集約し、異なる職業と産業における自己効力感と仕事のパフォーマンスの関連を評価したメタ分析でも同じようなことが言われているのです※。
ちなみに”自己効力感”とは、心理学分野でよく使われる用語で、個人が特定のタスクを成功させられると信じる能力のことを指します。まさに信じる力。
セールスパフォーマンスや管理職のリーダーシップ効果、製造業の作業効率、教師の教育効果など様々な領域において、自己効力感が職場での様々なパフォーマンスに広範囲にわたって影響を及ぼす(r=0.38→まぁまぁ凄い)ことが示されました。
信じる力、どうやって鍛えますの?
自己効力感を高めようと思ってもやり方が分かんないですよね。
「自己効力感、高くなれー」って願って高くなるなら簡単ですが、それだけで高められる人は最初から自己効力感が高い人でしょう。
なので、科学的に証明された自己効力感を高める方法を簡単に説明していきます。
成功体験を積み重ねる
観察学習をする
肯定的なフィードバック
解釈のトレーニング
成功体験を積み重ねる
自己効力感を最も効果的に高める方法が「成功体験を積み重ねる」。
ーーいや、それができたら苦労しません、と思ってますよね。
ただ、これはそんなに難しい話ではありません。この記事で説明していることに取り組めば自然と成功体験が積めます。安心してください。
「正しい目標設定ができた」
「挑戦することができた」
「行動することができた」
これらは全て成功体験です。大切なのはあなたが成功していることに気付くこと。
観察学習をする
他人がタスクを成功させる様子を観察することで自分の自己効力感も高まることが分かっています。観察学習では特に観察対象が自分に似ていると効果的。
成功したスタートアップから新しく成功するスタートアップ創業者が生まれ、その集団のことを○○マフィア(例: ペイパルマフィア)と呼んだりしますが、その現象の一端もこの観察学習の効果で説明できます。
例えばスタートアップでメンバーが営業/プロダクト/マーケティングを成功させる。それを見た自分も「できる」と確信をもって取り組んで成功させる。それを見た誰かがーーと。
つまり、自分と似たような人が成功になりそうな場所に身を置くのは大切ってことですね。
【注意点あり】肯定的なフィードバックをもらう
他人から肯定的なフィードバックをもらったり、励まされたりすることも自己効力感を高めます。
上司から「○○ってプレゼンうまいよな」と言われたらプレゼンに自信が付くでしょう。「○○って仕事速いよな」と言われたら仕事の速度に自信がつくでしょう。
肯定的なフィードバックが貰える場所に身を置きましょう。
ただし、すべてを肯定される場所はあなたを腐らせる可能性もあります。できていないことはフラットに指摘してもらえるかどうかも重要視してください。
知人が関わっているバーで、全然面白くない人に「○○さんって面白いですよね」と無責任に言い放ち、自分は面白いと勘違いしたモンスターが誕生する瞬間を見たことがあります。悲惨ですよ。
そのバーではお金を使う客ということもあって「面白い」とされましたが、客観的に見て全く面白い人ではないその人、仮にMさんとしましょう。
Mさんは自分が面白くないことに気付いていないので、外でも自分は面白いと思ってコミュニケーションをとる。するとだんだん面白くない面倒くさいMさんから人は離れていき、居場所がバーだけに。
そうして、バーはお金をよく使うMさんを囲いこむことに成功しましたとさ。
居心地の良さを買うために、何らかのコストを払わなければならない環境に身を置くのは辞めましょう。
解釈のトレーニングをする
世の中には現象があって、それに対する解釈が私たちの人生を形作っています。
例えば、机の上にご飯がある、食べる、美味しい、嬉しい。ご飯があって食べるところまでは現象。美味しい、嬉しいと感じるのは解釈です。
例えば大事なプレゼンテーション前、心拍数は上がり、手が震えているとしましょう。"大事"は解釈で、プレゼンテーション前、心拍数が上がっている、手が震えているは現象。
現象を「武者震い」と解釈するのか「怯えている」と解釈するのかで自己効力感に与える影響が変わります。
実際、運動選手や講演家を対象にした研究では生理的なサインをポジティブな興奮として解釈するトレーニングをすることでパフォーマンスを向上させることが分かっています。
【まとめ】あなたもなれます。信じる人に。
自己効力感を高めてください。それだけでパフォーマンスを向上させることができるんですから、やらない手はないです。
小さくてもいいので成功体験を積み重ね、似ている人が成功している姿を目に収め、肯定的なフィードバックをもらえる場に身を置き、解釈のトレーニングを行う。これだけでいいんです。
明日からできそうですね。具体的にどうやればいいんだ?と悩んだ人は拙著「実行力を高める最強のアクションプラン作成」をぜひご覧ください。
【中】目標設定をするタイミングのアプローチ
さて、ここからがやっと目標設定の話です。
誇張でも何でもなく、正しい目標設定の仕方を知っているだけで、目標達成率もパフォーマンスも向上させることができます。ワクワクしながら読み進めてください。
まずは間違った目標設定から。
「英語の勉強がんばるぞー」
「起業するぞー」
「お金持ちになるぞー」
こんな風に小学生のような目標を立てている人はめちゃくちゃ伸びしろがあります。正しい目標設定のやり方を知るだけで別人のように生まれ変われるかもしれません。
続いて正しい目標設定。
「9月のTOEICで850点を目指す。そのために、~~や××という参考書を5周して、1か月前からは毎週一回分の模擬テストを行おう。そのために必要な時間は残業とジムに行く時間を削って捻出しよう。もしそれがダメなときは○○だけでもやろう」
「半年後に月間100万円の可処分利益が生まれる事業を作る。そのために、自分の持っている資産を棚卸してどの事業でどのような戦略を立てればよいかを1日時間を取って考えよう。もし、進捗が無ければ○○を行う。事業の検証までに費やしていい資金は50万円までとしよう」
「年間利回り3%で1500万円収益が生まれる状態を目指したい。そのために必要な運用資産は5億円。税引き後で5億円を運用に回すためには約6.3億円以上で会社を売却する必要がある。EBITDA倍率3倍と仮定するとEBITDA
2.1億円あたり。年間LTVは30万円、営業利益率40%だから1750人顧客を獲得すればいいか。現状CPAが2万円、この調子でいけば3500万円の顧客獲得コストで達成可能。リーチが増えることで効率が悪くなると仮定して5000万円の予算は見ておこう。現状資金じゃちょっと厳しいので融資を引いてーー」
これはあくまで一例ですが、目標達成できる人というのはこのように具体的な目標を立てているのです。
「英語の勉強がんばるぞー」、「起業するぞー」、「お金持ちになるぞー」ではダメなんです。
パフォーマンスを高める目標設定とはどのようなものか?
目標設定に関してはエビデンスレベルの高い研究がされています。アメリカの心理学者であり、目標設定理論のパイオニアであるエドウィンロックは35年間にわたる研究をメタ分析しました※1。
その結果によると具体的で困難な数値指標を設定することは効果量(d)が0.52~0.82と非常に高い影響を及ぼすと報告されています。
研究に使われたデータでは製造業での作業効率、販売業での売り上げ目標達成、教育分野における学生の成績向上など多岐に渡る分野でのケーススタディを含んでいます。いわんやあなたが達成しようとしている目標をや。
あなたは、いわゆるSMARTな目標を設定するべきなのです。
Specific: 具体的で
Measurable: 測定可能で
Achievable: 達成可能で
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Time-bound: 期限が切られている
そんな目標を立てましょう。SMARTな目標を立てれば結果が検証できるのです。
あなたが英語の勉強を頑張ったかどうかは分かりません。そんなこと評価する人のさじ加減によって変わってしまいます。
しかし、合計30時間以上勉強して、○○と××のテキストを完了したかどうかは客観的に評価できます。つまり、達成できたか否かが明確に分かるのです。
SMARTな目標を立てることで結果が評価できる。結果が評価できるから改善や目標達成のために努力する気になれる。
夏休みの宿題、提出しなくても良い課題は全くやりませんでした。
大学生時代、出欠確認がない講義をサボる人、多くなかったですか?
なぜか?「やったかどうか判断されないから」です。あなたは自分の目標に対するモチベーションを下げるようなことをしてはいけません。SMARTな目標を立てて目標達成力を身に付けましょう。
「実行力を高める最強のアクションプラン作成」をはじめ、行動力大全は行動力を伸ばし、継続力を高めるために必要なことがぎっしり詰まっているので、ぜひ読んでください。
「できるだけ沢山」を目標にしたらダメなの?
「明日は溜まっている仕事をやれるだけやる」
「来週はnoteをできるだけ沢山作る」
「来月はできるだけ沢山有料購読者を増やす」
のような目標ではいけません。上で紹介した論文でもできるだけ沢山型の目標よりも、具体性のある目標設定の方がパフォーマンス向上に影響を及ぼすことが示されています。
短期目標 VS 長期目標、どっちを立てるべき?
「具体的な目標を立てろ」と言われても、一体それがどのくらいの時間軸の目標なのかが分からなくて困った経験ないですか?
「10年後に10億円の資産を築きたいです!」
「バカヤロー、そんな遠くの目標を立てろなんて言ってねぇよ!」みたいな。
実は短期目標と長期目標の効果に関する研究があります※2。
結論から言うと、短期目標のほうが長期目標よりもパフォーマンスが向上します。しかし、コレは長期目標を立てるべきではないという意味ではありません。
パフォーマンスが最も向上するのは長期目標と短期目標の両方を組み合わせたグループ。
短期的な目標を設定するのは大切なんです。スタンフォード大学で心理学教授を務めたアルバートバンデューラが発表した論文※3では驚くほどの効果を記録しています。
短期的な目標を設定することで
自己効力感が32%増加
数学の正解率が24%増加(実験が数学に関するものだった)
内発的動機づけを示すスコアが40%増加
凄いですよね。しかし、短期的な目標は確かに短期的な成果やモチベーション向上に寄与しますが、長期的な目標を持つことで進んでいる方向性や目標達成への柔軟性を増やすことができます。
そもそも、その目標あってる?
例えば、TOEICで850点を取るために日々英語の勉強をしているAさんが居るとしましょう。TOEICで850点を取るために必要なタスクは明確で、それをこなしていれば恐らく3か月後には目標が達成できるという状況です。
しかし実はTOEICを頑張っているのは給料を上げるためで、給料を上げることを目標にするならTOEIC以上に大事かつ簡単なことがあるかもしれません。
上司に重宝される
別のスキルを身に付けて仕事のパフォーマンスを上げる
望む給料を出してくれる転職先を目指す
など。
この例で行くと「TOEICで850点を取る」は短期目標で、その先にある求める結果「給料を上げる」でした。長期目標から考えなかったせいでAさんは無駄な努力をしていたのかもしれません。
パフォーマンスを向上させる力は短期目標の方が強力ですが、目標設定をする順番としては長期目標→短期目標。
あなたが目標を立てるときは「長期的に自分がどうなりたいのか?」を考えたあとに、達成するための短期目標を立てましょう。
【重要】絶対やってはいけないこと
あなたが絶対に達成したい目標があるなら、一度に複数の目標を追いかけるのは辞めてください。
複数の目標と言っても健康改善と運動能力の向上など、互いに関連する目標の場合はむしろ効果を高めウェルビーイング向上に寄与しているためOKです※。
避けるべきなのは資源(エネルギーや時間、カネなど)の奪い合いが発生する複数の目標です。例えばダイエットと起業はまさに競合する目標です。
どちらか片方だけを追いかけても失敗する人が多い挑戦を同時に二つやる意味が分かりません。ダイエットのために意識を割く余裕があるなら起業に集中できますし、逆もまた然り。
あなたの注意力と時間は有限ですから当たり前ですよね。
リソースを奪い合う複数の目標を追いかけた場合、どちらの目標達成率も下がります。本末転倒です。
限られた資源を無駄遣いしないでください。事業が上手く行った後にダイエットすればいいんです。ダイエットに成功した後に起業すればいいんです。
【後】目標を立てたあとのアプローチ
自己効力感も高め、一度に一つの目標だけに絞って正しい目標を立てた。だけど続かない、成功しない。そんなこともあるでしょう。
それは目標を立てっぱなしになっているからです。家に帰るまでが遠足、達成するまでが目標です。
目標を達成するためには目標が立てっぱなしになってはいけません。必ず、これから紹介する目標設定後のアプローチを取り入れて成功確率を高めましょう。
目標達成スコアが平均1.77倍になる科学的に証明されたやり方
ここからは有料部分に入っていきます。無料部分に書いてあることだけをやっても達成率はアップしますので、スキだけしてここで辞めていただいてもOKです。
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