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#64「宿」=最先端のマーケット②
前回の続きで「宿」の可能性についての回になります。今回は「宿×服」という新しい形態の店舗が、どんなサービスを提供できるのか?を議論しています。
是非お聞きください。
〇ラジオまとめ
今回の主題は、「宿×服」からうまれる「泊まれる服屋/服のいらない宿」がどのような可能性を持つのか?という点でした。
少し前に話題となった「泊まれる本屋」と比較しながら、可能性について整理していきます。
①両者の大きな違いはコンテンツの在り処
泊まれる本屋は本屋自身がコンテンツ(興味・消費の対象)となっている。
それに対して、「泊まれる服屋/服のいらない宿」は旅行を補助するサービスという位置付けであるため、メインコンテンツは観光スポットや周囲の場所になる。言い換えるとインフラとしての店、と呼べるだろう。生きるために必要な「水」を提供するための水道管をインフラと呼ぶように、旅行のために絶対に必要になる「衣服」を提供するツールが「泊まれる服屋/服のいらない宿」なのである。
〇両者のメリットデメリット
コンテンツとしての店(泊まれる本屋)は、消費者に大した提供するサービスを細かな点まで全て自身でコントロールすることができることがメリットと呼べるだろう。反対、店自身が消費の対象であるため、常に新しいコンテンツを、泊まる動機を提供し続けなければならなず、それが出来なければ"飽きられてしまう"という難しさを抱えている。そういう意味で、コンテンツとしての店は爆発力はあるが持続性を得ることが難しく、消費されて潰れやすい店のあり方ともいるだろう。
インフラとしての店(泊まれる服屋/服のいらない宿)はメインコンテンツが外部にあるため、店自体の魅力が店を置く環境に非常に左右されやすい、最初はよくても周りが廃れると共倒れになるという点が、デメリットとしてあるだろう。メリットとしとはメインコンテンツが外部にあるため、常にコラボ的に価値を生み出していくことができる。店側が提供するサブコンテンツが30の力でも外部のメインコンテンツが70の力であれば、100の力にすることができる。それは力関係が逆の場合でも成立し、両方の力が100であれば200の力の体験を生み出すことができる。環境に左右さらながらも、環境に影響をあたえてコラボ的に大きな価値を作っていけることが、コンテンツとしての店の価値だろう。旅行にとって必要性がある点と、コンテンツをコラボ的に作ることができる点が、高い持続性を生んでいる。
〇まとめ
今後のコンテンツのあり方の対角線軸になると考えています。
極めて消費的で更新がはやく、新しい話題性のあるコンテンツを生み出し続けるあり方=泊まれる服屋、インスタ映えするアート展
その逆で、持続的で更新が遅く、本当に大切なことを生み出していくコンテンツのあり方=住宅、観光地、アート展
今回、僕らが始めようとしている「泊まれる服屋/服のいらない宿」はその二つの間のコンテンツだと考えています。持続的なメインコンテンツ(観光スポット等)を拠り所にしながら、そこの体験の仕方や意味を変えていく、消費的なサブコンテンツを提供していく。
車の前輪と後輪のように、どちらかではなくどちらも大事にする。対極的に扱われがちな物事をフラットに扱い、その上で新しい対角線を見つけていく。そういう「ケンチク」的な手法でもって新しい物事を生み出していきたいと考えいます。
お読みいただきありがとうございました。よろしければラジオの方もお聞きください!