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緊急事態宣言をうけてからのSALA

緊急事態宣言を受け、SALAは2020年4月8日(水)から店内での飲食をご遠慮いただき、テイクアウトのみの営業を行うことにいたしました。

手探りの状態でテイクアウトを始めて、明日で約1週間。日々国の施策も人々の動きも変わっている中、今後どうあるべきかということを考えたので、ここに記していきたいと思います。

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上記のようなメニューで店頭屋台での受け渡しのみのテイクアウトを始めました。

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▶テイクアウト営業を始めて1週間の動き

初日は4月8日(水)。SNSでの告知の効果もあり、SALAを応援してくださるサラリーマンの常連さんや自宅勤務を行う近隣にお住まいの方々からたくさんの事前予約をいただきました。中でも、1200円の店長気まぐれ弁当が一番人気(!)で、12時以降の飛び込み購入は通常のランチ時と同様でカオマンガイ・魯肉飯が人気でした。

周辺のお店は、空いていたり閉まっていたりまちまち。様子をみて休業を判断しようという街の雰囲気でした。南京町は完全に休業しているお店も多く、通行する人はとても少なかったです。買いに来てくださった方々と会話をすると、時差出勤もあるもののランチはいつも通り食べるという方が多いこと、そのランチを食べる場所が少なくなって困っていること等を伺いました。この話を聞いて、テイクアウトをしていることを認知していただければ、その需要は大いにあるということを確信しました。

翌日9日(木)、想像以上にたくさんテイクアウトのご予約をいただき、張り切って仕込みをしました。飛び込みのお客様も多く、ランチタイムは初日同様たくさんの方から応援の声をいただきました。夕方にお客様からのご要望でオードブルも作ったり、ディナータイムでは家族で食べる「おかず利用」もあるんだなということも学びました。

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そして10日(金)。

おかず利用の需要に気づき始めたことと、なんと言っても今日は華金だ!ということで通常のテイクアウトの他にも金曜日限定のタイの辛いおつまみ惣菜3種セット(1200円)を販売したところ、たくさんの方々にご購入していただきました。※辛い味付け+ハーブなどエッジの効いたエスニックメニューでしたが、エスニック料理好きの方々からはとっても好評でした。「店長の気まぐれご褒美弁当」も、華金のご褒美にと、夕方にご購入されるサラリーマンの方が多かったように思います。

このときから周りのお店は休業が目立つようになり、営業しているところの方が少なくなりました。南京町のコンビニも休業しているくらいの状態です。

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このような時だからこそ、本当に多くの方がSALAを応援してくださっていることを日々実感しています。そのお気持ちをお店のサービスに反映させることはもちろんですが、何か違った形でも表現したい。そう考えていたときに、根本的なことを思い出しました。飲食店をやっている身ですが、自分もSALAのお客様と同じで、食べること飲むこと、飲食店が大好きなひとりの「お客さん」であるということに。

気づいてからは早くて、少しでも大好きな飲食店の力になりたい!という気持ちで、自分の中で勝手に「1日1テイクアウト」ルールを制定し、始めることにしました。このルールは今でも続いていて、大好きなお店や前から気になっていたお店の料理を堪能することができて、すっかり一日のおたのしみになっています。

11日(土)

週末になると、平日は通勤しているサラリーマンのみなさんもステイホームされるだろうな…テイクアウト、心配だな…と思っていました。私の予想では、週末の売上はがくんと落ちると思っていました。ところがそれが全くの逆で、普段来ることができない遠方のお客様からの当日のご注文が多く、平日と変わらないくらい多くの皆様にテイクアウトしていただくことができました。(実は、この日がテイクアウト営業の中で一番売上が高かったんです。まだまだ世の中の動きを読むことができない…)

街の様子はどんどん寂しくなっていきます。

そんな中、店の状況を気にして中高の同級生が来店してくれて、「なにか応援できることは?」「通販とかやってないの?」といった質問があり、実は通販もやってるんだよ!と下記のリンクを紹介すると、

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母校の啓明学院の同級生や先生、保護者の皆さんに声がけをしてくれました。するとなんと、翌日には350食以上の商品の発注が!みなさんの応援に心を動かされ、背中を押され、頑張るしかない!という断固たる決意ができました。皆様の応援のパワー、すごすぎます。

12日(日)

雨ということもあってか、土曜日のようにはうまく行かず、テイクアウト営業の中では一番ご来店数が少なかったです。

ただ、昨日の投稿から「えっ??SALAって通販やってるの??」という方が続出。通販サイト自体は実は何年か前からあるのですが、中々認知されていなかったんです。でも、今この状況になったときに応援したいという気持ちと、外に行けないから家で気軽にエスニックを味わいたいという気持ちの相乗効果なのか、「お店には行けないけど通販で購入します!」方々がたくさん購入してくださる結果となりました。

13日(月)

この日も雨で、ひんやりとしていました。先週までの動きとは全く違い、在宅勤務となった方も多く、テイクアウトをしていただくお客様も少なくなりました。天候も受け取りに来ていただくお客様にとって大いに関係があるとは思うのですが、今週からの世の中はどんな動きになるかな…という不安が残りました。それでも来てくださったお客様の中には「しばらくエスニック食べてなかったからが手が震えだした!テイクアウトします!」という方も。笑

ここまでがテイクアウト営業を始めての1週間。一人で調理しているのでまだまだバタバタとしておりますが、初日に比べるとスムーズにお渡しできるようになりました。SALAがテイクアウトをしている、ということも徐々に広がって来たように思います。神戸のテイクアウト情報などをまとめてくださる方も増えてきて、人々の間でステイホームをテイクアウトで楽しむ、という風潮が日常になってきている気がします。

▶これからSALAとして行っていきたいこと

緊急事態宣言が発令されて、今後も目まぐるしい変化が予想される中、SALAとして行っていきたいことは次のとおりです。

①テイクアウト容器をエコにする仕組み
SALAの営業でも、1日1テイクアウトをしている中でも感じたのはゴミの多さ。現在、容器を再利用できるアイディアを模索中です。
②テイクアウトで需要の多い「お惣菜」の強化
現在一人で調理しているので、どこまでお客さんに迷惑かけずにたくさんの量をつくることができるのか、ロスなくメニュー構成できるのかが課題になっています。
③通信販売の周知と継続
友人の拡散により周知された通信販売をもっと広く伝えるためには何が必要なのか?また、一度ご購入いただいた方に継続的にご利用いただくためにはどういった仕組みが必要かということを考えていかなくてはいけないと思っています。

テイクアウトは、その日の気候などの外部環境が購買意欲に大きく影響するという実感もあったので、今後はこんなことも前向きに検討しています。

▶UberEatsの導入

今までSALAで導入しなかった理由は

・初期費用が高額
・販売手数料35%となると、商品の掲載価格を大幅にあげてなくてはいけない
・店舗がピーク時に注文が入った際の対応が困難
・届ける相手の顔が見えない
・とある配送スタッフが料理を乱雑に扱ってる様子を見てしまった(全員がそうではないことはもちろん理解していますが、そういったスタッフが少なからずいることも客観的な事実です)

それでも導入しようと思った理由は、

・神戸市がUberEatsと連携し、飲食店への支援(初期費用の助成や、販売手数料の4割を負担)を始めたことにより、金銭的な面でハードルが下がった
・お知り合いの飲食店の方に実際の操作法を見せていただき、SALAでも対応することができると思ったこと(自前のタブレットが支給され、ワンタッチで操作も分かりやすい。店舗が忙しいときは注文をSTOPしたり、期間限定での掲載も可能)
・知り合いの方、常連さんなどは「備考欄に名前を書いてください」と記載することで、一部の方の顔は見ることができる

ということです。

それでも店頭でご購入いただくよりかは割高となってしまいますが、家から出られない方へも料理を届けることが可能になる。雨の日の人の動きが少ないときだけ掲載を行ったり等、時と場合によって使い分けを行う。配送時のリスクは密閉容器を使用するなど店側の努力でなんとかできる。そう思えば、UberEatsはSALAにとって今の状況を助けてくれるツールになると判断しました。

▶Lテイクアウトの導入

導入理由

・各種SNSのDMやコメント欄、店舗の電話、個人のLINEなど、注文窓口が多岐に渡っていたので、それを一括管理できるようにしたかった
・お客さんにとって使い慣れたツールで簡単に注文が可能
・コロナ支援で月額料金が2ヶ月無料というリリースがあった

こちらはシンプルに「便利」「コストがかからない」という理由です。

▶期限付酒類小売業免許を取得する※6月30日まで申請※4月15日追記

2020年4月9日、国税庁が、新型コロナウィルスの影響を受けている飲食店への救済措置として、期限付酒類小売業免許を付与すると発表しました。この免許を取得すると、最大6ヶ月間、飲食店は在庫酒類のテイクアウト販売をすることが可能になります。

通常、飲食店は酒類小売業免許を取得している酒屋さんからお酒を仕入れ、お酒の蓋を開け、お客様に提供しています。

緊急事態宣言を受け、規模縮小営業や休業で、店は多くのお酒の在庫を抱えることとなります。SALAもテイクアウトのみの営業になり、お店の中には在庫がたくさん残ったままです。でも、売れない。少しでもこのお酒を販売することができれば…と思っていた矢先、この期限付き免許を取得できればお酒を販売することが可能になりました。これができれば、SALAのテイクアウトと一緒に各国アジアの瓶ビールを販売するなんてことも!金曜日にタイのおつまみ3種セットを販売したときも、シンハービールを売って欲しい!という声が多かったです。SALAにはコンビニやスーパーでは買えない珍しいお酒もたくさんあります。そのお酒を気軽に購入できたら、お客さんもきっと喜んでくださるはず。

◆どうやってその許可の申請を行うのか?
必要な書類を揃えて税務署に提出するだけです。通常2ヶ月程度かかる審査期間が短縮されるそうです(1〜2週間程度と聞いています)。

①国税庁サイト 期限付酒類小売業免許 申請用紙をダウンロード・記入
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/kansetsu/050825/pdf/01/CC1-5104.pdf

②住民票か(法人の場合)登記事項証明書とともに上記用紙を所轄の税務署へ提出。免許要件誓約書、地方税納税証明書(未納・滞納なしの証明)、賃貸契約書は、後日提出も可能。

※4月15日に問い合わせたところ、①以外にも必要書類があるようなので必ず電話をした上で一度他の書類を郵送してもらい、税務署へ行くことをおすすめします。取得期間はなるべく早く、ということですが雰囲気的には10日と言ったところでしょうか…

抱えていた在庫を有効活用できることはもちろん、料理とお酒のマッチングはとても大切だと考えているので、テイクアウトしてくれるお客さんにそれを提案できるという点では大きな施策だと感じます。

▶オンライン飲食店!?

こんな記事を紹介してもらいました。

たくさんの飲食店の方にこの記事を読んでいただきたいです。

なんでもありかい!って思われる方もいらっしゃるかもしれません。でもこの記事の内容は共感する部分も多く、自分たちも柔軟に表現の仕方を変えるべきだと思うんです。もちろん、ブレてはいけない軸もありますし、日常が戻ったときにはリアル店舗の最大限の魅力を発揮できればいいと思います。

特に、「消費が転換している」という考え方には納得です。コロナウィルスのせいでお客さんは減っているけど、お客さんの消費が減っているわけではなく、消費先が変わっているんだということ。その転換先を理解することが今のこの状況を乗り切るヒントになると思います。

テレビでは盛んにリーマンショック時の状況と比較しながら、売り上げが減った飲食店が悲壮な顔でインタビューに答えている。
「リーマンとは違う。今回は消費が転換しているだけで減っているわけではない。」
事実、新型コロナウイルスによって売り上げが伸びている業界はたくさんある。
外食産業は下火だが、デリバリーや食材の通販は大人気らしい。家に引きこもっていても胃袋の数は変わらないし、コロナ景気だからと食事の回数を減らす人もいないだろう。
日本だけでも1.2億人が2.5回食事をするとしたら、毎日3億食の消費は変わらないはずで、それが外食からデリバリーやコンビニや自炊に変わっているだけだ。
つまり、消費が減ったのではなく消費が転換しているだけ。

SALAでも、店舗に来れないお客様が応援の気持ちを込めて通信販売を利用してくださる方が増えています。「お客さんにどうやったら喜んでもらえるのか?」を常に考えている飲食店経営の方は多いと思います。今まではその手段がリアル店舗で美味しい料理・空間を提供すること、会話をすることだったのですが、外出できない今の状況でお客さんに喜んでもらえることってなんだろう?
それはオンライン飲み会(飲食店で集まって飲み会ができないからネットで飲み会をする)のときに楽しめるテイクアウトであったり、ミールキットであったり、クッキング動画であったり。この状況下にあるいつものお客さんにどうやったら喜んでもらえるか???意外と答えはシンプルな気がします。

SALAでも調理動画作成、レシピの公開(note)、ミールキットの販売などを行うことで、お店に来れないお客さんに今以上に喜んでもらうことを提供できるはずです。すぐにでもやってみたい!

日々アンテナを張りながらよりよいツールを使い、より喜んでもらえる私達にしかできないことをみなさんに提供したいと思います。そして何より、SALAの料理をあらゆる形でお届けすることで、みなさんに元気になってもらいたいと願っています。

店舗営業の日々がなつかしく、さびしい思いもありますが、お客さまも状況の変化に直ぐに対応してくださりテイクアウトでSALAを楽しんでくださっています。柔軟に、日々を乗り越えていきたいです。そしてまた店舗を通常営業できるようになったらみなさんにゆっくり安心して料理を楽しんでいただきながら「そんなときもあったね。」と笑い合いたいです。


最後まで読んでくださりありがとうございます。サポートは全てSALAの事業発展、スタッフのサポートの為に使用させていただきます。ぜひ、応援よろしくお願い致します!