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極私的ジャズ銘盤選2021秋DXⅡ

本編の前にまずはこちらから。

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巷で噂のこれ、遂に我が家にも仕入れました。しばらく品薄状態が続いていたS&B「やみつきにんにく背脂」、一次ブームが過ぎ去った最中にまさかのゲット。開発の余地ありまくりなこちらの商品、まずは出来合いの味噌ラーメンにたんまりぶち込んでみたところ。こ、これは!?となりました。次に狙うは冷凍チャーハンですね、どう考えても美味くなるに決まっている。

以下、本題。

スト3で言えば2nd Impactに相当するナンバリング、何故格ゲーで例えたのと訊かれたら割と気まずい。前置きも程々にまずは言い訳をさせて下さい。ズバリ当企画、若干の「マイナーチェンジ」をお許し願いたく。曲単位ではなく部別でのコメンタリーに留める方向にシフトしたく。本業が忙しく、処理が追い付かなくなり始めていることもまた速度感低下の一因でして。

早とちりな主宰はもう来年のことを考え始めている。銘盤選2022へ向けて、優柔不断ゆえあるいはポストコロナの世界線では更なる銘盤ラッシュが予想できるゆえ。恐らく危惧していた季刊→月刊化も現実味を帯び始めてきた。さすれば原稿量も数倍から数十倍に跳ね上がる、相変わらず仕事は忙しい。井上雄彦さんに改名しようかな。等々による簡素化。どうかご容赦を。

※以上、ご了承の上適量ずつお召し上がり下さい。

~第一部~

7月最終週リリースから再開。同週盤でここまでの振れ幅、正直驚きです。Bedroom Popの新星OfftOnとじわじわとプレゼンスを高めつつある浦上氏、Jon Batisteライブ盤のヒリつきとJORDANNの皮肉度合、Louis Princeの得体の知れない感じ。やっぱりPrinceは凄かった、本作がお蔵入りになったのはきっと自身の活動に過度な政治色を付けたくなかったからだと感じました。

あくまで「ブラインドテスト」を軸に音楽を選び取り続けたい。例えば脛の傷なんてことを考え始めたら主宰のようなアングラ人間は真っ先に淘汰される。本来日陰の人間の為にこそ音楽はあって、それは紛れもなく日陰を味わった人間が生み出したものが大部分だからで。互いの境遇を、劣弱意識を、飲まされてきた煮え湯を思いつつより良い方向へ。未来志向をもって。

~第二部~

部末にサクッとコメントを残すスタイル、肩がめちゃ軽くて良いですねえ。それはさておき前後半でコントラストを付け並べてみました、George Robertトリビュート、Horace Parlanの再販リマスターも通好みで〇、Janの新作はさすがACTレーベルというモーダルで優雅な仕上がり。Lady GaGaの素顔を引き出すTony Bennettの懐の深さに毎度感激、永遠に見たいコラボ。

Aretha FranklinのBOXもラフテイク満載。サウスロンドンではジャズだけでなく実はパンクシーンが熱いんですよね、その代表格Black Midiの新作からどこかジャズとの結び付きも匂う1曲。そしてJordan Rakei抜群の安定感。QUANZAは今年リリース25周年を迎えた名盤『Feed Me Weird Things』の正統進化とも言うべき仕上がりで。新顔・番匠谷氏の動向にも要注目。

~第三部~

遂に遊びが許されなくなってきた〆切状況で、最後の悪足掻き。本企画最大の振れ幅を演出してみました。アーバンソウルの新星Pegasus Warning、謎多き音楽集団C子あまね、主宰イチオシIndia Shawn。Tom Misch以降を感じさせるCarrie Baxterとシカゴの新星Silas Shortチル中押しの後はブルックリン発Relyaeのチル感でさらにダメ押し。銘盤選の中でもセトリ感を演出。

Shannon Lauren Callihanはナッシュビル出身、70年代ゴスペル音楽の香り漂う温かいサウンドが魅力的。サウスロンドンからの才能達が止まらないMom Tudieの最新作より。そして第三部トリを飾るTwo Anotherもまた英国拠点の2人組、イージーリスニング感が加わって、20年代新たな局面を予感させる仕上がりに。ちなみにここまででまだ8月中旬盤を消化し切れておらず。

~第四部~

ここで冒頭のスト3話に戻る。つまり当企画の大幅なデバフに打って出る、すなわち8月残分を四部以降無理やり消化しDXⅢの簡素化も図る算段。苦渋の選択ですがしかしやむを得ません。年度末の大賞発表に向けいよいよ暗雲立ち込めまくり、ズバリ読者の皆様どう予想しますか。興味ないですかそうですか。笑 主宰は今何部門くらい設けようかと画策しているところです。

お遍路の逆打ちに見立て、敢えて8月最終週リリース盤からピックアップを始めましたが、正直良作ラッシュ過ぎてあんま意味なしでしたわ。故にこれ第五部確定。Christian-Pierreの室内楽軸にスタンダードと向き合うの姿勢、「愛を歌う」を合言葉に音楽を紡ぐ壱タカシ。LA出身Isleyの十字架を背負い戦う孤高のシンガー、主宰と同じ90年シカゴ生まれの新星Haley Rainhart。

Jim Snideroはイントロからの歌い出し数秒で銘盤確定。UKジャズの中心人物Sean Kahn、迷った時は彼の盤を手に取ろう。ミネアポリス在住の超大物、バッチシ名前覚えたかんなSlowya.roll。Gilad客演参加と聞き手に取った盤、癖が強くそれでいて包容力の高さに唸る逸作。英ブリストル在住のHarvey Causonは今後要チェック。ケニギャレは今季下半期の最有力盤かも。

~第五部~

デバフとは一体何だったのか、全然絞る気なしの第五部も良作満載。ジャズの聖地ニューオリンズ発インディファンクバンドThe Convenienceは期待大ですね。ブルックリン在住Daneshevskayaは情報なさ過ぎで詰み。ベルリンに拠点を置くスウェーデン出身ベーシストPetter Eldhの動向にも今後注目。オランダ発サイケポップデュオFeng Suaveの優しさと狂気が同居する感じ。

Andrew Renfroeも20年代を占うGt奏者となるかも。ブルーグラスとフォークさらにオルタナカントリーが渾然一体となったMipsoの不思議なサウンド、メキシコの雄Technicolor Fabricsの新作はインディロック枠を超えた異国感。ピアニストがピアニストをフィーチャリングしちゃうという離れ業のFelip、Sam Gendelの多作っぷりに驚くなどした8月下旬でございました。

~第六部~

ここらで改めて企画の本旨に立ち戻ろうと。つまりジャズの過去現在未来にしっかり目を向けること。フランスの新星Joon Moon、ceroのKey奏者荒内氏のソロ1st。夏の終わりにぴったりハマる春野の声、ブラックミュージックを愛しまた愛されるSSW、DinoJr.。モダンファンク新時代を切り開く逸材、The Lassoとそれを強烈に後押しする若き才能達。ここまでで折り目を付け。

後半は趣向を変え。数ある「Stardust」の中でも指折りのテイクはお馴染みSteven Feifkeの絶品アレンジで、Lee Morgan最盛期のライブ音源集と共に。Alex Hahnのプレイングはこれぞモンクコンペティション覇者という貫禄。横文字に弱い貴方、サム・エゼーと読みます以後お見知りおきを。アリゾナ出身Rachel EckrothはNir Felder、Tim Lefebvreを従えダウナー全開の出来。

~第七部~

七部まで来てしまったということは、本稿だけで追加70曲ということです。本当に疲れました。DXⅢは数曲の8月リリース分を積み残す形で大方当初の予定クリア、随分と軽やかな気持ちで冬の陣を迎えられそうではあります。マルチ奏者Jason Deringの音はどこかD'angeloの面影があって。Laufeyは、ここぞで飛び出す必殺augコードに心を鷲掴みにされた、凄まじい哀愁だ。

KIRBYの聞けば聞くほど温故知新なサウンド、しれっと重ね打ちThe Pearl & Oysters、ポストTom Mischをお探しのせっかちさんは是非Conor Albertへ。Magdalena Bayのウゴウゴルーガ感は異常、詳細は公式MVで。でもやっぱりなんと言っても抜群の衝撃度を誇るのはタカノシンヤの素麵ツルツルです。頭にこびり付いて一生離れない、しかし正統派ドラムンベースの継承者。

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