映画日誌’23-49:ドミノ
trailer:
introduction:
『アルゴ』『AIR エア』などのベン・アフレックと、『プラネット・テラー in グラインドハウス』『マチェーテ』などのロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んだSFサスペンス。行方不明になった娘を探す刑事が“絶対に捕まらない男”を追い、常識や意識を超える真実に辿り着く様子を描く。『シティ・オブ・ゴッド』のアリシー・ブラガ、『クラッシュ』『ブラックホーク・ダウン』などのウィリアム・フィクナーらが共演する。(2022年 アメリカ)
story:
オースティン警察の刑事ダニー・ロークは、公園で一瞬目を離したスキに最愛の一人娘が行方不明になってしまったことで、心身のバランスを欠きカウンセリングを受けていた。正気を保つため職務復帰した彼のもとに、ある日、銀行強盗を予告するタレコミが入る。現場に向かったロークは、狙われている貸金庫で娘の行方にまつわる手がかりを見つけ、その場で不可解な動きをしていた男が関与していると確信し、男を追うが逃げられてしまう。匿名の通報者の居どころを突き止めると、そこにいたダイアナという占い師から、思いがけない情報をもたらされる。
review:
ロバート・ロドリゲス監督の作品は、エンティン・タランティーノと撮ったB級映画オムニバス『グラインドハウス』の『プラネット・テラー in グラインドハウス』しか観たことがないが、お下劣バカで面白かったなぁ。最愛の娘が行方不明となり心身のバランスを崩している刑事が、銀行強盗を予告するタレコミを受けて向かった現場で娘に関する手がかりを見つけ、”謎の男”を追ううちに思わぬ事態に巻き込まれていくサスペンスだ。サスペンスっていうかどんでん返しSFだ。
ツッコミどころはあるものの、ああ、そういうことね〜と思いながら、それなりに楽しめた。が、人に勧めるかと聞かれると「別に」と思ってしまう。人に勧めなくてもいいってことは結局イマイチってことなんだが、なんでイマイチ面白くないのか。そんなにすごくないからだろう(語彙力)。構想としては面白いが、いろんな近未来SF作品でこすられてきたネタに近いものがあり、特別な真新しさや斬新なアイデアはあまりない。
謳い文句であるどんでん返しを狙いすぎたのか、盛り込みすぎて展開を追うのに飽きてくる。ラストシーンは完全に蛇足。ちょっとご都合主義で、ちょっと陳腐。そんな子どもおるかいな。ベン・アフレックを信じて観に行った勢としては、彼が選んだ脚本ならそれなりに面白いであろうという期待が裏切られただけなのかもしれない。まあよく考えたらロドリゲスだもんな。良い点は尺が短いところ。さくっと手軽に楽しめる近未来SFと捉えればいいのではなかろうか。