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ダンガンロンパ3(アニメ)感想・描かれなかった背景の推理

1、2、V3のネタバレも含みます

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ざっくり感想


やっっと観れました!!!!

アニメで動く彼らが観たい!という衝動に駆られて視聴しました。(評判とは裏腹に)とても楽しめました!ワクワクしながら一気に観ました。希望は前に進むんだ。

未来編1話→絶望編1話→未来編2話…と交互に観るのか新鮮で楽しかったです。
未来編を観るとすぐに続きの未来編が観たくなるし、
そこをグッと堪えて絶望編を観ると今度は絶望編が観たくなる(最高)

「ん?」となる部分もあり、V3未履修まま「これが過去の真実だ」と言われたら「作品全体の質を落とした」ぐらいは思ったかもしれないですが(※後述)、真偽はどうあれ彼らの苦痛はフィクションではないですし(V3脳)信じたいものが真実です(V3脳)

未来編感想


これなんて人狼? 寝て起きたら絶対人が死ぬのって不可抗力過ぎる。頑張れ苗木くん。

個人的には幼なじみ3人組が面白かったです。
特に薬剤師ちゃん好きすぎました。ただこの辺りとか含め、ちょっと分かりにくいフレーズの繰り返しが多くて浅く感じてしまうのが残念でした。お菓子食べて欲しかったとか、絶望を抹消するとか、絶望は希望より未知とか(※これは絶望編)

「お菓子を食べて欲しかった」×3
より、
「認めて」×3 +「お菓子食べて」×3
ぐらいの方が気持ちいいです(伝われ)


描かれなかった背景の考察・
矛盾点の穴埋め


私は御手洗くんが絶望落ちしていて襲撃者だろうなと最終話直前まで思っていました。ですのでアニメを見返すと御手洗くんが逆に不自然に見えるぐらいです。もっとクラスメイト(というか詐欺師くん)への後悔があるのが自然だと思うので、描かれなかった背景を想像します。


天願さんの違和感を考察


この作品にはいくつか違和感があるのですが、違和感は現実性を損ないますので、それを補足して違和感をなくしてみたいと思います。


まず、天願さんは絶望ビデオを見て狛枝凪斗状態に入りました。未来機関のドンですからね。全然有り得ます。

未来を託せる希望として、目をつけたのが御手洗くん。
彼には江ノ島盾子の洗脳をどうにかできる力がありましたし、御手洗くんは絶望していました。
洗脳されてない状態で1番絶望していたのは彼かと思いますので、彼にこそ絶望に打ち勝って欲しかったに違いありません。

そして苗木くんは予想外だったと言っていましたが、御手洗くんが来たのは予想通りでした。予想通りです。
絶望ビデオで御手洗が死ぬ可能性がある中であんなに落ち着いてるのはおかしいですからね。まともなら御手洗から離れず、モニターから遠ざけます。私ならそうします。

天願さんは、御手洗くんが絶望ビデオ程度で死んでしまう希望ではないと信じていたのです。まさに狛枝凪斗状態と呼べるでしょう。彼が立ち向かってくれさえすれば、彼が選んだ希望を尊重しようと考えていたと思います(これは本当に)。
だから希望のビデオが流れても流れなくても、どちらでも良かったのです。希望のビデオが流れるまでに30分も時間があるのは、彼にしっかり選ばせるため、事前に工作していたからに違いありません。御手洗くんは30分の猶予に驚いてなかったので、直接話をしていたのかもしれませんね。

それぐらい彼に期待していれば、イマイチ伝わらないダイイングメッセージも突然すぎる最後のメールも自然です。


御手洗くんの違和感を考察


彼はクラスメイトとほとんど会っておらず、会ってたのは詐欺師くんぐらいです。江ノ島さんにクラスメイトを盾にされるような発言をされてあんなに動揺したのは、もうほとんど詐欺師くんを心配しての事です。しかしそこには色々な感情があったのでしょう。考察してみます。

彼にとって詐欺師くんは初めて出来た友達です。初めて出来た友達です。彼の方をほとんど見ずにアニメを作っていたシーンは日常のほんの一部です。超高校級のアニメーターですからね。ベストを尽くしています。

普段の「ただの高校生」としての彼は、詐欺師くんと談笑する機会もあったに違いありません。それと同時に、クラスメイトと楽しくしている詐欺師くんに嫉妬していたのでしょう。でも仕方なかった。超高校級のアニメーターでしたからね。時間が惜しかったのです。

アニメの設定だと大体御手洗くんのせいなので、それがバレる恐怖も大きかったと思います。その辺はアニメ通りとして、上に書いたぐらい独りぼっちを拗らせていたとすると自然です。

自分が許せなかった。友人である詐欺師くんや、強さを持った苗木くんに嫉妬してしまう事も、詐欺師くんやクラスメイトを絶望にしてしまったことも沢山人が絶望したことも。死んだことも。全部自分のせいなのに、重すぎる罪悪感に耐えきれず江ノ島盾子のせいにして逃げようとしてしまう事も

彼は許されたいと強く思っていたのでしょう。
しかし絶対許されないから言えない。恐怖。不安。

そういう孤独と絶望の中にいた訳です。


だから彼らがあの場に来てくれたこと、
「一緒に償おう」
「許されるための償いではないが、一緒に償おう」
そういう言葉は、彼の"予想しなかった"、彼の1番欲しかった言葉であるというのがめちゃくちゃ綺麗に繋がるし、締まりますね。

つまりこれが真実です。
信じたいものを信じる(V3脳)


総評


上で散々超高校級のアニメーターと言いましたが、アニメーターの域を超えています。

観ながらちょっと思ってたんですけど、みんな思ってたみたいで安心しました。

このアニメ観る前のダンガンロンパ通過者って、洗脳ってもっとこう、江ノ島盾子の知識や彼女の魅力、扇動力によるものだと思っていて、だから、超高校級の絶望!つよい!ってなっていたと思うのです。

それが3の設定だと、
御手洗くんの力が大き過ぎる
んですよね。

洗脳がここまでの強制力をもつなら、人体改造とそう変わらない気がします。現に終盤はそのせいで「希望のビデオ」を流すのを止めたほどです。

これはスーダン2の江ノ島盾子の言っていた、きっとみんな大好きなシーン「わたしがやったのは所詮洗脳だし、脳を直接弄るなんて……」みたいな話が、すっごい薄くなりますね。どえらいことです。
脳を直接弄られたカムクラが自力でどうにかしている分、洗脳の方がヤバそうにすら思います。


この辺りが冒頭で言った「作品全体の質を落とした」の評価の理由になります。最も、V3を履修しているので質を落としたなんて思っていません。そういう「設定」もあるのだなと知れて楽しめました。
でも、彼らの痛みは本物です。私は見届けました(V3脳)


正直なところ「もっと面白くできる方法があったのではないか」と勿体なさを感じてしまう作品ではあったのですが、

"ダンガンロンパ3という「アニメ」で
「超高校級のアニメーター」が「人を絶望に魅了する」
洗脳に協力してしまう。"


ちょっとメタフィクションぽいところがとてもダンガンロンパらしくもあるのです。観れて良かった。


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