詩『時間よ!』
そよ風やせせらぎを見ていると
時間が止まったように感じるのに
あの日の時間はまるで違った
待ち遠しい思いの中
焦らすようにゆっくり流れていた時間が
あの日はなぜか速く流れた
時間よ! ひどいじゃないか
時間よ! きみは無慈悲だな
勢いよく駆け抜けるなんてさ
秋の海辺のように寂しく
淀みのうたかたのように儚く
さっきのことなのに遠い昔のよう
時間よ! きみは速すぎる
時間よ! あんまりじゃないか
駆け足で通り抜けるなんてさ
帰りの電車に揺られながら
流れてゆく車窓の風景を見ながら
さまざまな思いが去来した
長く……長く続きますように
いつまでも、ずっと続きますように
そしていつもありがとう
時間よ! きみは意地悪だな
時間よ! どうしてまたゆっくりなんだ
また待ち遠しいこと、知ってるからだな