『のうだま』上大岡トメ&池谷裕二
「3日坊主は当たり前」反省する必要なんてないよ!
最近、SNSでもよく目にする「やる気を起こすには?」「3日坊主でダメなんです」等々の「やる気」に関するもの。
私も何か投稿をしようかと思うたび、いやいやこの著書を紹介する方が早いなと後回しにしてきました。ようやっと少し時間ができたので、ご紹介しちゃいます。
まず、皆さんに朗報!!!
「3日坊主は当たり前」
東大の脳科学者の先生のお墨付きです。脳は「馴れる」ように出来ているのです。
そうそう。
そう来ると次の質問がありますよね?
じゃあ「永遠にやる気は起こせないの?」
安心してください。あります!STAP細胞よりもあります!!!
本書が生まれた素敵なストーリー
っとその前に…。
この素晴らしい本が生まれたストーリーを先にご紹介します。
イラストレーターの上大岡トメさんは
『キッパリ!たった5分間で自分を変える方法』上大岡トメ
というエッセイ本を出して、当時の日本で大ヒットをしていました。
一方、脳科学者の池谷先生は沢山の著書を出していましたが、その頃アメリカに留学していらして、お知り合いの担当者の方から「知り合いのイラストレーターさんが出したエッセイが日本で爆発的にヒットしているんですよ」と聞いていたそうです。
本を読んだ池谷先生は、「トメさんと一緒に仕事ができたらステキだろうなぁ」と思っていたら、2005年8月4日に第一回の出会いが実現。そこから複数回の話し合いを経て、この本の出版に至ったそうです。
二人の天才が出会って初めて、この本が生まれたということですね。
イラストがふんだんに使われており、どう描いたら分かりやすいだろうかと工夫されたこの本は、鬱で文字だらけの本が頭に入らない私でも読むことが出来ます。
「3日坊主」になるメカニズムには「馴化」が大きく関わっている
さて、本題に入りましょう。
まず、脳が「三日坊主」になってしまうメカニズムから。
大脳皮質の「馴化(じゅんか)」という機能が関わっています。
馴化…
簡単に言うと、コップを始めた見たら「わぁーコップだぁ!!!」ってなります。ふんふん。綺麗だなぁ。水が漏れないのかぁ。よくできているなぁ。ガラスの素材?
こんな感じで感動します。しかし、それは「初回」だけ…。
その後、脳は一度見たものを「馴化」して「当たり前のもの」とするんです。
いちいち、何にでも感動していたら大変ですよね?(笑)
ところが、この「馴化」。2つに分かれるんです。
始める→マンネリ化(馴化)→あきる/つまらない→やめる
始める→慣れる(馴化)→習慣化
そう!!!
飽きて辞めてしまう方向にすることも出来れば、「やらないとかえって気持ち悪い」という感じの習慣化することにも使えるのです。
例)歯磨きなど
さて、習慣化するには、「やる気」が必要になるわけですが…。
この「やる気スイッチ」は、脳の中の「淡蒼球(たんそうきゅう)」という蒼い玉(本当に蒼いそうです)にポイントがあるのです。
やる気は「待っていてもこない」から「迎えに行く」のです
じゃあ、やる気を起こすにはどうすればいいかということですが…。
「やる気」という言葉を思い浮かべて頂くと、セットで出てくる言葉はなんでしょう?
「やる気」+「出てこない」
「やる気」+「起きたら」
などが上位を占めるのではないでしょうか?
これらはすべて「内側から勝手にやる気が起きる」という発想ですね。
ところが、池谷先生によると、この「淡蒼球というやる気スイッチ」。「外から押す」しかないんです。逆に言えば「やる気は待ってても永遠に来ない」ということになります。
大事なことなので二度言いますよ(笑)
「やる気は待っていても来ない」んです。なので、「迎えに行き」ます。
「やる気を迎えに行く」=「やる気スイッチを押す方法」
が紹介されているのが本書です。
やる気スイッチを押す合言葉「BERI」
詳しくは是非お読みいただきたいのですが…。
学生さんなど、経済的に読むことが難しい方もいらっしゃるかもしれませんので、一部かみ砕いて私なりの言葉でご紹介します。
B=Body(カラダを動かす)
×やる気が起きたら机に向かう
○机に向かって勉強を始めたらやる気が出てくる
※こんな感じで体を先に動かします。「やる気は迎えに行く」
E=Experience(いつもと違うことをする)
いつもより一駅手前で降りて、いつもとは違う景色を見る。言葉の通じない海外に行く。
※脳が馴れていないことを経験する
R=Reward(ごほうびを与える)
小さなステップに小さなご褒美
※馬の前に人参作戦!!最初から大きな目標だったり(なかなかご褒美がもらえない)、最初から大きなご褒美だったり(ご褒美になれちゃうのでより大きなご褒美が必要になる)すると失敗するので、小さなステップに小さなご褒美を考えて、うまく「脳をだまそう」
I=Ideomotor(なりきる)
例えばヨガを始めようと思ったら先にウェアを買って、「なりきる」
志望校のオープンキャンパスに行った際にもらったパンフレットなどの、制服を着た先輩の写真の顔部分に自分の顔を貼って「なりきる」など
※先に「そうなった」自分をイメージするようにする
いかかでしょうか?今から使えるポイント沢山あるかと思います。
「あぁ、また3日坊主だ。私はダメなんだ」と思わずに
上手に「脳の玉(淡蒼球)=のうだま」を刺激して「脳をだまして」理想の自分を目指しましょう。
この記事が面白い・役に立ったと思ったら、是非「スキ」を押して応援してください!投稿の励みになります。