漫才〜アンパンマンはつらいよ〜

どうも、よろしくお願いします
　
　

Y：アンパンマンが大好きでね

X：僕も好きですよ、今でもたまに観ます
　

Y：大好き過ぎてね、心配なんですよ

X：心配？ アンパンマンの何が心配なんですか？
　

Y：正義のヒーローじゃないですか

X：もちろん

Y：優しくて責任感も強いと思うんですよ

X：そりゃそうでしょう

Y：だからこそ心配で

X：何も心配ないでしょう
元気にやってますよ、アンパンマンは

Y：本当ですか？

X：テレビ観てもワーッと飛び回ってますしね
　
　

　

Y：じゃあ聞きたいんですけど
アンパンマンって年収いくらくらいもらってるんですかね？

X：年収？
アンパンマンはお金なんてもらわないでしょ！
正義のヒーローなんだよ？

Y：正義のヒーローってことは皆の役に立ってるわけでしょ？

X：そうだよ

Y：周りから求められてる存在じゃん

X：もちろん

Y：だったらなおさら正当な報酬が支払われるべきだよね
　

X：…別にアンパンマンは仕事としてやってるんじゃないって
　

Y：仕事じゃないなら何で時にボロボロになりながら
命張ってんだよ？

X：それが正義のヒーローとしての義務だからだよ

Y：そんなもん
やりがい搾取だろ！
　
子どもが観る番組でこんな社会悪を正当化していいのか？

X：わかったわかった
　
ジャムおじさんが新しい顔作ってくれたりするじゃん
あれが報酬なんじゃない？

Y：新しい顔になった後はより強い相手と戦う時だよ
つまり更に業務量が増える時だ
　
それが報酬？
　
ジャムおじさんのところは
とんだブラック企業なんだな！
　

X：いや、ちょっと待てよ
お前さっきから言ってることがおかしいぞ

Y：何がおかしいんだよ？

X：アンパンマンってのはあくまでファンタジーの話だから
　
報酬とかブラック企業とかは無いんだよ
ファンタジーなんだからさ

Y：アンパンマンはファンタジー？

X：そう
　
　

Y：ということは
　
アンパンマンなんてこの世の中に存在しない
と、あなたはそうおっしゃるわけですね？

X：え？

Y：目をキラキラさせてアンパンマンを観てる子ども達にもアンパンマンはいないと教えると
　
将来自分の子どもが生まれた時も
“アンパンマンとかサンタクロースなんてのは存在しないかりそめの世界の話なんだよ”
っていう教育の仕方をする
ということですね？

X：…そうなると俺のイメージがめちゃめちゃ悪くなるじゃん

Y：でも今あなたが言ったことはそういうことですよね？
　
全てはまやかしだと、ほら、もう一度あなたの口からおっしゃればいいじゃないですか
　
　

X：…アンパンマンは存在します！
　
アンパンマンもサンタクロースもいるし
くまモンの中には誰も入ってません！