みいちゃんと山田さん 連載版感想〜3話目「特別なままでいて」〜
前回の感想記事はこちら。
※ヘッダーはみいちゃんと山田さん(亜月ねね著)からの引用。
注意⚠️
・ネタバレあり
・みいちゃん=神経発達症の視点で読んでいます。
・個人の感想です。批判は受け付けません。
それを理解できる方は下記の感想へどうぞ〜。
特別な存在のみいちゃん
特別な存在っていうと、恋人や親友なんかの「良い意味での特別」を思い浮かべることも多いんじゃないかと思う。
でもここでいう「特別」はそうではないようです。
3話目はSNSに同僚と自分の顔写真を載せるというみいちゃんの痛恨のミスから始まります。
個人情報保護が大事な夜職の場でこれはかなり危険なのでは…。しかも当のみいちゃんは何がダメだったのかわからないままSNSの更新権を失ってしまう。
前回親切だったココロちゃんもさすがにこれには参ったようで「はーあ…優しくして損したー」と鬼の形相。仕方なくもあるけど。つらい。
それからキャバ嬢の先輩的立場である桃花さんは、みいちゃんを辞めさせるべくいろいろな嫌がらせ(というかただのいじめ)をします。
・みいちゃんを人前で中卒だと馬鹿にする
・アルハラ
・客におさわりOKだと嘘をついてみいちゃんにけしかける
・Etc…
普通に怖い。夜職怖い…。
さすがに見かねた山田さんが止めに入り、なぜこんなことをするのかと桃花さんに問いかける。
「だって楽しいんだもん」
「最初は早く辞めてほしくていじめてたけど、やっぱりずっとずーっといてほしいなあ」
という桃花さん。
それにココロちゃんの補足。
人は自分より下の人間を見て安心してしまう。
見ているだけで優越感に浸れる「特別な存在」…それがみいちゃんだという。
…なんだか学校のいじめの縮図を見たような感じ。人が集まるとどうしてもヒエラルキー的なものができるのは仕方ないのかもしれない。でもこの回は結構胸糞悪い。
みいちゃんへの特別な配慮
「配慮」という言葉を聞くと、障がいのある人に対しての合理的配慮なんかが思い浮かぶ。
グラスを割りまくるみいちゃんに対して、店長が割れないプラスチックのコップをみいちゃん専用に用意する。
みんなと同じがいい!こういう特別扱いは嫌だというみいちゃん。これも難しい…だってグラスを割りまくっているのは本当だし、お店側の損失もあるだろうし。
結局プラコップに絵の得意な山田さんがイラストを描くことで、喜ぶみいちゃん。この件は良い感じで終わります。
みいちゃんの素直な喜びにうれしくなる山田さん。
みいちゃんは嘘とは無縁そうですよね。嘘は処世術でもあるけど、それが出来ないみいちゃん。本心から喜んでくれたから、山田さんも素直にうれしかったんだと思います。
不穏な最後
良い意味ではない特別は、山田さんのイラストによって良い感じで終わったのに、最後の最後でみいちゃんの指名客が増えた理由が、鬼枕営業だったことが描かれます。
しかも、自分の住所を客にためらいなく伝えてしまうみいちゃん。
危うすぎる。ここまで危ういと正直かばいきれないだろう。しかも、プライドもあって、配慮を嫌がったりミスを優しく指摘されてもキレてしまう。周りも良くないところはあるけれど、みいちゃん自体の問題にも焦点があたった最後でした。
まとめ
なんだか読んでいてつらい回でした。
どの人に対しても言い分がわかるだけに。
実際にみいちゃんみたいな子がいたとして、山田さんや初期のココロちゃんみたいに手を差し伸べられる人はどのくらいいるのだろうと思う。
関わらないのが一番安全。でもやっぱり放っておけないような。そんな魅力がみいちゃんにはあるんだろうなあ。
以下、関連図書的なもの
まだ発売されていないけど、みい山は書籍化するらしい。12月23日、クリスマスイヴイヴだあ。
ダイアナは亜月ねねの別名義らしい。名義が違うだけで作風や内容の方向性は同じだとは思う。
著者の別の作品。
今話題?のトー横キッズ的なお話。
ホス狂いって身近では本当に聞かない話ですが、実際こんな感じなんですかねえ、、りりちゃんの動画などを見ていると同じ空気感を感じるので、リアルに描かれているのかもしれない。
2話目で山田さんが読んでいた本だそう。
うーん文学好きじゃないと読まなさそうな内容。
少なくともみいちゃんが読むイメージはないな。
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