【福井7月旅】大豆は栄養価の金メダル、ヘルシーで豊かな食生活へゴールDo!
株式会社ごーる堂・ドーシタ製粉の代表取締役社長であり、福井の越前海岸エリア一帯を盛り上げる「越前海岸盛り上げ隊」のメンバーの中でも事務局長、また「福井の大豆な会」の代表として手腕をふるう堂下雅晴(どうした・まさはる)さん。福井県福井市畠中町にある「ごーる堂」さんの店舗には、牛乳・卵不使用、福井県産の大豆から作るきな粉と豆乳で作った100%植物性のソフトクリームはとても人気があり、ひっきりなしに遠方からもお客様が訪れます。「大豆は世界を救う」を信条に、大豆を健康に美味しく食べる商品作りに日々励む堂下さんに、大豆への並々ならぬ愛情やこだわりについてなど、お伺いしてみたいと思います。
▶︎栄養価の金メダル・大豆の呉汁について
令和4年7月23日土曜日に開催された「地域ものがたるアンバサダー×水先案内人コミュニティが紡ぐ、美食地質学と第2のふるさとを探す旅2022」の福井県福井市のサテライトオフィスの会場において、大きな鍋の火加減を調整しながら、参加者ひとりひとりに熱々の呉汁をふるまってくださる男性の姿がありました。
株式会社ごーる堂の、堂下社長さんです。
呉汁とは、福井の越前・殿下(えちぜん・でんが)地区に古くから伝わる郷土料理で、すりつぶしたた 生の大豆を(呉という。由来は諸説あり)お味噌汁に溶かして熱を加えものだそうです。
殿下地区にはその昔、専修寺というたいへん大きなお寺があり、住職として室町時代の後柏原天皇の甥にあたる常盤宮真智氏を迎えたことにより、殿下という地名となったという由来があります。(由来には諸説あり)やんごとなき地名なのです。
また、福井では呉汁は報恩講料理の精進料理としても伝承されてきたとも記されています。
お椀によそっていただいた呉汁を含むと、ふわっと口の中に優しく大豆が広がり、芯から温まりました。
美味しくてふわふわ。大豆のカプチーノです。思わずおかわりもお願いしました。
お目覚ざめ健脳スープや、朝ごはんや受験生の夜食にも喜ばれそうですね。しかもお味噌汁×生大豆の組み合わせは最強のパワーフード。
家でも、ぜひ作ってみたいと思いました。
(呉汁の作り方は、堂下さんのyoutubeチャンネルでも紹介されていますので、ぜひご覧ください)
▶︎簡単で美味しくできる!呉汁の作り方
<ポイント> 粒がなくなるまで、しっかりかき混ぜます。☝️
<ポイント>この時、絶対に!かきまぜては
いけません。☝️
<ポイント>鍋に蓋をして、蒸らし時間は1分から3分でOK。😉
以上、堂下社長監修で堂下社長のyoutube番組と生豆粉のパッケージから解説をいただきました。
この日は、福井県の越廻(こしの)産のアカモクという海藻の食材も登場。
アカモクは免疫力を強化する「フコイダン」が、モズクの2倍以上で、ミネラル、ポリフェノール、食物繊維などの栄養たっぷりの、注目海のスーパーフードだそうです。
アカモク入りの磯風味呉汁として、美味しくいただきました。
「お酒のあとにも好評です」と堂下社長。朝のお目覚めから、深夜のシメまで、呉汁はオールマイティなメニューですね。
小麦粉、米粉に続いて第三の粉といわれる大豆の粉は、糖質の低さや畑の肉といわれる栄養価の高さからも期待されるようになっています。
家でも「生豆粉(まめのこ)」を使って、天ぷらやクリームシチューを作ってみました。
カラッと揚がって、衣からも栄養もとれて美味しくてと、一石三鳥。
ハンバーグのつなぎなど、いろんな料理にこれから「生豆粉(まめのこ)」を取り入れ活用していこうと思います。
▶︎こだわりは越前産の大豆。フリーズドライ化に成功するまで
堂下社長
創業は昭和12年。祖父母の時代には、家に石臼が五つくらいあって、近所の農家の方たちが、あぜ道で栽培した大豆を挽きにこられていたことが、製粉所を開くきっかけとなりました。呉汁のもとになる生大豆の販売は、平成5年に開始、平成16年に法人化しました。
当社の商品はすべて遺伝子組み換えなしの国産大豆、それも越前産の大豆にこだわっています。
ずいぶん昔の話になりますが、大豆は粉砕すると油脂分が滲み出すので、ホットカーペットの上に広げて乾かしていた時代もありました。大豆の粉はすべてショップ併設の工場で作っています。
その後、商品の幅を広げようと、お湯をかけるとすぐ呉汁ができるフリーズドライに着手したいと思いました。
大変だったことは、大豆のフリーズドライの加工をしてくれる工場が、最低でも1トン単位の大豆の量からだったこと。20キロ~30キロくらいの小ロットの量でも行ってくれるところを、なかなか確保できなかったことですね。何軒も足を運んで、ようやく無事にみつけることができました。
▶︎競泳アスリートの青春、オリンピック選手を輩出の水泳コーチ時代
子どもの頃から水泳が得意で、中学は越境して、水泳の強かった福井市内の中学に通っていました。
福井商業高校時代は3年連続でインターハイに出場、スポーツ推薦で日大に入学、インカレや国体などにも出場しました。卒業後は横浜のスイミングクラブにコーチとして就職、オリンピック選手やジュニアスイマーを育てている強いクラブで、朝5時から夜の9時までみっちりと、チーム一丸となって選手を育てましたね。時間的には楽ではありませんでしたが、やりたいことをやれている喜びが強かったです。
衣笠・山野井などのトップ選手をバルセロナ・アトランタ・シドニーオリンピックに送り出し、私自身もNHK教育テレビの、スポーツ教室「水泳」の番組に6年間出演、水泳に関する本も共著も含めて4冊、出版させていただきました。水泳界の先駆者である人が上司にいたので、そういう方の推薦や影響があり、人や環境に恵まれていたのですね。
横浜での水泳コーチ時代の経験が、現在までひとつに繋がっていると思います。コーチングというのは、マネジメント。ひとりの選手を育てるために、たくさんのファクターがあり、計画をたててすすめていくわけなので、育てる対象が人から経営に代わっただけ。地域の活性化の活動も全く同じですね。日頃の練習はわたしたちの毎日の基本的な動きとなりますが、わたしが培ったコーチングを活用していけたらと思っています。
また、コーチ時代に感得した、パフォーマンスを発揮するための身体づくりの重要性が、今の仕事のベースになっていると感じています。
社名にも、金メダルのゴールドと、堂下の堂。
ゴールにDo!(ゴールに向かって行動する)という3つの意味を込めました。
▶︎帰福して手がけた人気商品
平成15年に、父母の高齢化に伴って、家業を継ぎ、生まれ育った殿下地区の力になりたいという思いで帰福しました。
コーチ時代に感じた健全な食生活の重要性を、家業の「大豆」をベースに、ちゃんとした食事の大切さを伝えていきたいと思いました。ちゃんとした食事とは、つきつめると日本の昔ながらの食事なんです。魚、肉、タンパク質をバランス良く。そういったものを知っていただききたいと。
まずは看板商品である呉汁の材料の「生豆粉」を活かしながら、より新しい層に向けて展開していきたいと思いました。その頃、大都市での物産展でのお話をいただき、植物性原料だけで作ったアイスとソフトクリームを開発してみようと思いました。最初は大豆を使っていることをアピールしたくて、大豆のチップをソフトクリームのなかに入れてみましたが、家族にはあまり評判が良くなくて。
濃厚さとクリーミーさ、後味の良さを追求、良い豆乳を使ったり胡麻を使ったり、何度も何度も味見をして工夫を重ねました。マイナーチェンジを繰り返し、今のソフトクリームになったのは、平成17年くらいですね。
直営店は、越前海岸への山間の道路端にあるので、バイカーたちがよく通ります。バイカーたちの休憩所にもなっています。東京や名古屋の有名百貨店の物産展で販売を開始させていただいて、ソフトクリームを購入される際、お店はどこにあるのと聞かれることが多く、ランドマーク的な意味合いを兼ねて二年前に工場の隣にソフトクリームの直営店を開設しました。
▶︎温かいごーる堂ファンに支えられて
お客様との思い出は、名古屋物産店時代、アレルギーで植物性食品しか食べられなかったお子さんが、ソフトクリームを美味しいと感動してくれて、小学生の頃から高校卒業まで毎年欠かさず、おかあさんと一緒に来てくださっていたこと。
また昨年末、殿下直営店にご両親と小学生と5歳くらいの兄弟がいらしてくださって、小さな弟さんはアレルギーで、お兄さんと同じソフトクリームが食べられなかったんです。でもやっと兄弟で同じものを食べることができたと喜ぶ姿に、ご両親も感激して泣き出してしまい、思わず私も、もらい泣きをしてしまったこともありました。
▶︎これからの展望
これから年齢を重ね、人にお世話になっていくこともたくさんあると思いますが、自分の周りは、にぎやかであったほうがいいですね。
子供の笑い声が聞こえたり、刺激があったり。そんなハッピーな中で生きていきたい。そんな地域になってほしい。
そうすると僕のまわりの人たちも、ハッピーになれるという気持ちでやっています。
殿下地区も、限界集落から消滅集落のような
危機感はありますが、この頃は移住してくださったり、新たな産業が起こったりなどの、希望も芽吹いてきました。仲間たちと楽しみながら地域を盛り上げていきたいと思います。
株式会社ごーる堂さんのwebショップ
ごーる堂さんが経営されている
農家民宿「いちろべえ」さんのfbページ
https://m.facebook.com/105260991201232/
#地域ものがたるアンバサダー
#大豆
#呉汁
#福井
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