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ほったらかしの母を連れて、ほったらかし温泉へ

圏央道を八王子方面へ向けて走る。
八王子ジャンクションの手前から、山が迫ってくる様な山間を、車は走る。

「久しぶりにこんなに近くで山をみるわ〜、いいね〜山は。」

と、新緑の山に感嘆の声をあげる母。新緑に混じって桜の花も見える。天気も上々。


病気をして、足が不自由になった父を誘って、月に一回お出かけをしていた。
当然母も一緒だった。

父が他界して(正確には寝たきりになって)から、月一のお出かけは無くなっていた。

母は足が痛い、膝が痛いと言う事はあっても、体は健康そのもの。
良く食べる、よく喋る。
父を亡くして気落ちしているものの、
病気があるわけではないので、母に会いに行く事が少なかった。

私自身の事で忙しかった事もあって、ほったらかしだった。
義理の妹が会いに行ってくれたり、先日は私の息子が訪ねてくれたりして、

ハッ!と、母をほったらかしにしている事に罪悪感を感じた。

今日の休みは母の為に使おう!
ほったらかしだから、ほったらかし温泉へ、と思ったわけじゃない。

母は温泉好き、花が好き、山の景色が好き(山登りはしないけど)
名残りの桜が見れて、温泉があるところ、私が行った事があるところで絞った結果、ほったらかし温泉になった。

圏央道を使って実家から2時間。
山梨勝沼インターを降りる。

まず、山梨と言えば「ほうとう」ね。

という事で、ほうとうでランチ。

かぼちゃほうとう、かぼちゃが甘くて美味しかった。

2人分はあるよね?という量のほうとうを2人とも平らげて、お腹いっぱい、体ポカポカになって、さぁー温泉♨️

ぶどうや桃のフルーツ畑の中を
くねくねと標高を上げていく。
フルーツ畑の脇には、八重桜、枝垂れ桜が満開だ。きれい。
そして広い駐車場のあるほったらかし温泉に到着。

ここほったらかし温泉は
「こっちの湯」と「あっちの湯」と2つある。

「あっちと、こっち、どっちにする?じゃあ、あっちにする?」

漫才みたいなやりとりをして、
「あっちの湯」に入る事にした。

あっちの湯は、中央の屋根から下へ降っていく

お風呂は、撮影禁止なのでお風呂からの写真はないが、ひろ〜い露天風呂で正面に大菩薩、少し右には富士山が見える、最高のロケーションの温泉だ。
初めての母は、開放感たっぷりの温泉にご満悦のご様子。お客様も少なく独泉状態、お湯はぬるめで、ゆっくり入っていられる。

じっくり温まり、じんわり汗が出てきたところでお湯から上がり、絶景を眺めながら、名物の「温玉揚げ」を一つを2人で分けて食べる。
サクッ、とろっで衣に塩が効いていて美味しかった。

お土産に信玄餅を買って帰りたいと言う母の希望で、近くにある信玄餅工場へ向かう。
工場内では、手作業で信玄餅をビニールで一つずつ包んでいる様子を見て、へぇーと偉く感心して、いつまでも眺めていた。

信玄餅工場へ来たら、食べたくなるソフトクリームをほおばる。

アイスに黒蜜ときな粉って、合うよね。
信玄餅と信玄棒もついてボリュームたっぷりなアイスクリーム。

濃厚なソフトクリーム、美味しい。
あー、お腹いっぱい!


この後道の駅でお買い物をして
帰路に着く。

ほったらかし温泉がいたく気に入った母は、

「夜はどんな景色なんだろうねー、何時までやってるの?」

とか、

「日の出が見れるんじゃ、あの辺に泊まるホテルはあるの?、それにしても若い人が多かったね」

とか、いろいろ聞いてくる。

お風呂を出てから分かった事だが、
あっちの湯は岩風呂だが、こっちの湯は檜造りの鄙びたお風呂らしく、常連好みとあった。

「常連好みの「こっちの湯」の方が、年配の人が多いのかもよー、今度はこっちの湯に入ろう!」

父と桃狩りに行ったことを思い出して
その時の様子を話す母に、

「もも狩りの頃に来ようか?」

と言う。

温泉と、新緑の山並みと
何よりも、桜がまだ見れた事に母はとても嬉しそうだった。

母、80歳 春

眺めサイコー



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