登山で出会ったイケメン山男 夢への一歩、丹沢
初めて丹沢の表尾根を縦走した時に書いたnoteの記事からコメントをいただき、
実際にお会いして、友達になったゆりさん。
その時の記事がこちら↓
この記事をきっかけに、
丹沢登山はゆりさんの夢の一つになった。
いよいよ、その夢が叶う12月9日
天気は快晴、12月にしては暖かい、登山には最適な日となった。
黄色のジャケットに身を包んだゆりさんをお探し、一緒にバス停に向かうとすでに長蛇の列。
土日の丹沢は人気なんだなぁ、臨時バスが3台出て、私達は2台目のバスに乗った。
不穏な空気は、バス停に並んでいる時の会話から。
小さなお子様2人を、ご主人とご実家の両親に預けて出かけてきたゆりさんに、子供達の様子を聞くと、
お父様が体調不良で寝込んでいて、
今朝起きてきたご主人も、腹痛を訴えていたとの事。
「えっ?そんな状態で、今日出掛けて来てしかも山小屋泊まり、大丈夫なの?」
律儀なゆりさんの事、
私に迷惑をかけまいと、とりあえず出掛けて来てくれた。
楽しみにしていた登山でもあるし、
準備にお金もかけたと思う。
でも、家族に多大な負担をかける事になる中での登山では、心から楽しめないと思う。
そこで、山小屋には泊まらず、ゆりさんは三ノ塔でお昼を食べたら下山して早めに帰宅する事にして、バスに乗り込んだ。
「そうと決まれば、今日を楽しんで歩こうね。」
ヤビツ峠に到着し、
山小屋に一人キャンセルの電話を入れ、身支度を整えて歩き出す。
ヤビツ峠から、登山口までは舗装された林道をゆる〜く2.30分降っていく。
最後のトイレで、もう一度トイレに寄り、体も温まったのでジャケットを脱ぐ。
隣のベンチには、若い男性が2人、下山して来て休憩をしていた。
「今日、下山ですか?」
と聞くと、
「はい!お二人はどちらまで?」
と、登山ではよくある会話をし、
「では、行ってきます!」
と、言って男性達と別れる。しばらく登ったところで後ろから、
「携帯電話、忘れてますよー」
と言って、登りの道を走って携帯電話を持って来てくれた。
下山したばかりで疲れてるはずなのに、走って持って来てくれて、優しい男性達。ありがたい。
携帯はゆりさんの、
「よかったね、携帯無くしたら、今の時代遭難だよ!」
男性達に感謝しながら、先を行くと程なくして、後ろを歩くゆりさんが、
「気持ち悪いかも、気持ち悪い。」
と言う。顔色は赤みが消えて、灰色だ。元気がない。
さっきのトイレの前で、ちょっと気持ち悪いかも?と思ったと言う。
「ごめんなさい、降ります。」
とゆりさん。
「猫さんは行ってください!」
と言うが、体調悪いゆりさんを
もう下山するバスが無くなった時間に、一人で降りてとは言えない。
下山口のヤビツ峠のバス停まで、
一緒に下山した。
そして、さっき携帯電話を届けてくれた男性達は、この時間に下山という事は、車で来ているだろう、と思った。上手く間に合って、ゆりさんを秦野駅まで送り届けていただけないものか?
密かに期待しながら、ゆりさんの歩みに合わせて、ゆっくりとヤビツ峠に戻って来た。
ヤビツ峠のバス停前のショップに、
彼らはまだいた。
あれ?という顔をする彼らに、事の次第を話すと、快く送迎を引き受けてくれた。
お礼、どうすればいいですか?と聞くゆりさんに、
「タクシー代くらいのお金渡してみて、多分断ると思うけど。」
と伝え、男性達にお礼を言って車を見送った。
ゆりさんの記事はこちら↓
実は、車を見送った後、
一抹の不安がよぎった。ゆりさんは美人だ。若い男性3人に送迎を頼んで、大丈夫だったのかなぁと。
でも、この記事を読んでほっとした。山登りする男性は紳士が多い。素敵な仲間達だ。
私も彼らに、またどこかの山で出逢ったら、ビールをご馳走しよう!約束する。
ゆりさん
夢への一歩、山頂からの富士山が見れなくても、山登りの道具を揃え、練習に高尾山を歩く。その事が、もう夢へ一歩、踏み出した事になる。
山は逃げない。
これに懲りずにまた一緒に山を歩いて欲しい。
あの失敗があったから、って笑える日を楽しみにしているよ。
そして、11時
まだ時間も早いし、私は再び登山口に向かった。
つづく
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